- ライトニングネットワーク、ベータ版がメインネットで稼働可能に
- 米スタートアップ企業のLightning Labsが発表した”lnd 0.4-beta”を利用することにより、ビットコインのメインネットワーク上で実験的にライトニングネットワークを稼働させることが可能になりました。
- これを受け、250万ドルの追加出資を受けたことを表明
- Lightning Labsは同日250万ドルにも及ぶ追加出資を受けたことを明らかにしました。出資元はTwitterCEOであるJack Dorsey氏など業界の重鎮で占められており、ライトニングネットワークへの期待度の高さが伺えます。
ライトニングネットワークがメインネットで稼働可能に
スケーラビリティ問題を含む様々なビットコインの問題を改善する可能性があるとして、近年ビットコイン関連技術の中で最も注目を浴びているライトニングネットワーク。
増えすぎたトランザクションの一部をメインのブロックチェーンの外、“オフチェーン”で処理することにより、スケーラビリティだけでなくの送金のコスト、時間を大幅に下げることが期待されています。
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そのライトニングネットワークの開発において第一線を走っている米スタートアップ企業のLightning Labsが、第四回目のメジャーアップデートとして”lnd 0.4-beta”を発表しました。
今回アルファ版からベータ版へと名前を変えており、このバージョンアップによってついにビットコインのメインネットワーク上で稼働させることができるようになりました。
ただし、今回のバージョンアップは開発者に向けて公開したものであり、送金テストを行う際は少額の金額を使うよう推奨しています。
今回の新機能と今後の展望
今回のメジャーアップデートの新機能は、メインネットでの稼働だけではありません。
以下はその一部であり、彼らの公式ブログでより詳細な情報を確認可能です。
新しい鍵生成システム、deterministic keysの採用
この鍵システムの採用により、lndのノードのバックアップが容易になりました。そして、データの損失や故障からの復帰がよりシンプル、かつ信頼性の高いものになります。
bitcointdへの対応
ビットコインのノードクライアントの実装方式は一つではありません。前バージョンまで、lndはbtcdの利用が必須でしたが、今回のアップデートによりbitcoindの利用も可能になりました。
大幅に改良された対故障性
今回のアップデートにより、電源の故障、ネットワークの故障、ハードウェアの故障、およびその他の予期できない故障に対し堅牢性と安定性を向上しました。リカバリー情報は常に保存されるようになり、ノードの再起動やネットワークへの再接続の際に適切に利用されます。
Segwitアドレスのみ対応
旧式のアドレスを切り捨ててSegwit対応アドレスのみを処理対象とすることで、オフチェーン、オンチェーン両方のトランザクションの手数料を低く抑えることができ、ネットワークの健全化を促進できます。
クロスチェーンアトミックスワップによるライトコインの対応
今回のアップデートには含まれていませんが、クロスチェーンのアトミックスワップを用いてライトコインへ対応することを今後の実装予定としています。
新たに250万ドルの追加投資を獲得
また、Lightning Labsは同日に、新たに250万ドルの投資を受けることを発表しました。
これらの資金提供元は、TwitterのCEOであるJack Dorsey氏、モバイル決済サービスであるSquare Capital役員のJacqueline Reses氏、Litecoinの創始者であるCharlie Lee氏、PayPalの前COOであるDavid Sacks氏などのビッグネームで占められており、如何にこのライトニングネットワーク技術が期待され、そして必要とされているかがうかがえます。
Sack氏は米仮想通貨メディアのCoinDeskに対してコメントを寄せており、
「ライトニングネットワークはビットコイン上で実装されるプロトコルの中で最も重要なものであり、Lightning Labsはこのプロトコルの一番優秀な開発者集団である。」
と述べています。