CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン価格の今後|現在の下落相場は『悪夢の2014年』よりも深刻ではない

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2014年のビットコイン下落相場
キプロス金融危機などの影響で、約2ヶ月で1,200%上昇したビットコイン価格はその後約86%も下落し、再び最高値を更新するまで約3年もの月日を要している。
現在のビットコイン下落相場
ビットコインのハードフォークやSegwit導入などによって、約3ヶ月間で670%ほど上昇し、12月に史上最高値を記録したビットコイン価格は、現時点で最高値から約70%の下落を記録している。
現在の下落相場が2014年よりも深刻ではない理由
現在のところビットコイン価格の下落幅は、史上最悪の下落率を見せた4年前よりも小さく、近年より多くの投資家が市場に参入していることを踏まえた現在の下落相場は、2014年のそれと比較すると、それほど深刻ではないと言える。

今年1月から続く長い下落相場を経験し、ビットコイン(仮想通貨)投資家の心理はナーバスになってきています。

しかしながら、ビットコインは2014年に、現在を遥かに上回る”悪夢のような下落相場”を経験しています。

現在は2014年の相場と類似

investing.comよりCoinPostが作成

過去5年間のチャートを見ると、現在のビットコイン相場は2014年のビットコイン相場と類似していることがわかります。

2013年には、10月ごろから急激にビットコイン価格が上昇し始め、12月7日には1,200ドル(当時レートで約12万円)となる、当時の最高値を記録しました。

しかし、その後価格は長い期間をかけて大幅下落し、2015年6月1日には164ドル(当時レートで約2万円)の底値を記録しています。

その後、ビットコイン価格は約3年間に渡り、2013年当時の最高値を更新できずにいましたが、仮想通貨元年と呼ばれた2017年に最高値をブレイク。再び高騰の年になりました。

特に、2017年11月以降は価格が暴騰し、2017年12月17日には19,891ドル(約220万円)の最高値を記録しました。

そして、2018年の初頭から現在に至るまで、ビットコイン価格は大幅に反落し、長期間の停滞が続いています。

2013年の高騰相場とその後の分析

ビットコイン価格が高騰した2013年と、その後の下落期間の価格変動は以下のようになります。

investing.comよりCoinPostが作成

高騰と暴落の理由

チャートを見ると、まず2013年3月にビットコイン価格が高騰していることがわかります。

これは、ユーロ圏にある地中海の小国で、同年3月に発生した「キプロス金融危機」が原因となっています。

キプロス政府は国内の銀行預金の引き出しに厳しい制限をかけ、その一部を税金として徴収しました。

これによって、資産防衛の手段として、どこの国にも属さない仮想通貨のビットコインが、一気に注目を集めたのです。

その後、10月ごろから再びビットコイン価格が急騰し始めます。

同じく10月には、不正販売プラットフォームであるSilk Roadの所有者が逮捕されました。

このニュース自体はネガティブであるものの、Silk Roadでの決済手段としてビットコインが受け入れられていたことから、このときビットコインの(闇市場での)可能性が注目されました。

しかしながら、2013年12月には、ビットコイン価格がピークに達し、天井を付けて急落に転じます。

12月には、中国政府が国内の金融機関のビットコイン取引を禁止する旨を通達しました。

これにより、中国国内の多くの仮想通貨取引所が取引を一時中止。

もともと多くの投資家が中国の取引所で取引を行っていたため、仮想通貨市場に大きな混乱が起きました。

チャート分析

2013年10月2日に99.8ドルの底値(当時レートで約1万円)を記録してから高騰を続け、2013年12月7日には1,200ドル(当時レートで約12万円)まで急伸しています。

わずか66日間で約1,200%(12倍)もの価格上昇を記録している計算になり、この期間の日間平均高騰率は約3.8%に達します。

しかし、2013年12月7日に1,200ドルの最高値を記録して以降、仮想通貨価格は下落を続け、2015年1月14日に164ドル(当時レートで約2万円)の底値を付けています。

この期間は403日間に及び、ビットコイン価格は最高値から86.3%も下落しました(日間平均下落率は-0.5%)。

その後、ビットコイン価格は再び緩やかな上昇に転じ、2017年2月24日に初めて2013年の最高値を更新しました。

最高値更新までに要した期間は1,175日(約3年3ヶ月)にも及びます。

(高値圏で買い増して平均取得価額が上昇していない限り)、計算上、2013年10月20日以前にビットコインを購入したホルダーは、この下落相場をプラス収支で切り抜けることができています。

2017年の高騰相場とその後の分析

ビットコイン価格が高騰した2013年と、その後の下落期間の価格変動は、以下のようになります。

investing.comよりCoinPostが作成

高騰と暴落の理由

ビットコイン価格は、2017年10月ごろから急激に上昇していることがわかります。

8月にはビットコイン(BTC)のハードフォークにより、ビットコインキャッシュ(BCH)が誕生しました。

また、8月にはビットコインのトランザクション処理能力を向上させるSegwitが有効化されました。

さらに、ビットコインが最高値をつけた12月には、世界最大規模の先物取引所であるCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)でビットコインの先物取引がスタートしています。

価格の高騰は、同年12月末まで続きましたが、翌年1月には、国内最大手コインチェックのハッキング事件や、韓国の仮想通貨取引規制などの影響、テザー問題などネガティブ要因が相次いだことで、膨れ上がっていた「仮想通貨全体の時価総額」は、暴落を余儀なくされました。

チャート分析

2017年9月15日に2,981ドル(33.7万円)を記録したビットコイン価格は、2017年12月17日に19,891ドル(224万円)の最高値を記録しています。

わずか93日間で667%のビットコイン価格上昇を記録している計算になり、この期間の日間平均高騰率は約2.1%になります。

2018年に入ってから、ビットコイン価格は下落が続き、6月24日には5,763ドル(63.7万円)を記録しました。

下落期間は189日間(約半年)に及び、ビットコイン価格は最高値から71.0%ほどの下落幅を記録しています(日間平均下落率は-0.7%)。

計算上は、2017年10月12日以前にビットコインを購入したホルダーは、この下落相場においても、現在のところプラスの収益を上げていることになります。

現在の下落相場が2014年よりも深刻でない理由

このように、2018年1月から長い下落相場が続いたことで、投資家心理はかなりナーバスな状態になっています。

しかしながら、ビットコイン価格は2014年にも86%という厳しい下落を経験しており、長い時間をかけて再び最高値を更新し た過去があります。

2014年の下落相場の厳しさを考えると、現在の下落相場はまだそれ以上に深刻だと言えません。

また現在は、より多くの投資家が世界中からビットコイン市場に参加しており、先物市場の機能も加わって、価格の変動幅は2014年よりも軽減されるでしょう。

ビットコインは底値に達したのか

過去と同様にビットコイン価格が復調するとすれば、投資家が気になるのは「どこがビットコインの底値か?」という問題です。

現在のビットコイン価格が底値に達しているかどうかについては、分析方法によって結論が分かれています。

例えば、データジャーナリストのRemy Stephens氏は、インフルエンサーや著名投資家のツイートから、仮想通貨価格が高騰するかどうかを分析しています。

CoinPostの関連記事

ビットコインは底打ちなのか?BTC価格・投資家感情の関連性とその分析結果
ブロックチェーンと仮想通貨メディアのCoin Insiderに定期的に分析を発表している、Remy Stephens氏は、彼の選んだ135名のツイッター投稿の感情分析に基づき、現在のビットコインは、未だ底値に達しているとは思えないと述べています。

Stephens氏によると、「まだ仮想通貨価格が反転すると確信するほどのポジティブなツイートを得られていない」という分析結果が出ています。

CoinPostの関連記事

低迷する仮想通貨相場の”重し”となっている4つの要素
2017年に急騰した反動で2018年以降は低迷を続け、年初来安値を更新するなど冴えない仮想通貨市場。相場の回復のためには何が必要なのか、「相場の重しとなっている4要素」について考察を行なった。
仮想通貨を今手放すのは、17年前にApple株を売却するようなものだ|eToro CEOがITバブルと比較
仮想通貨の取引プラットフォームを提供するeToroのCEOは、21世紀初頭に発生した「ITバブル」に準え、現段階で仮想通貨を手放すのは、17年前にApple株を手放すようなものだと語り、市場の成長性を示唆しました。

仮想通貨FX向けアプリ【ビットレ君】

相場が動いたらアプリでその場で決済。安心・操作性で選ぶならGMOインターネットグループのビットレ君

詳細はこちら

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/18 金曜日
11:35
米SECが正式に上訴、仮想通貨XRPをめぐるリップル裁判に新展開
米証券取引委員会は10月17日、「民事上訴前議論陳述書」(フォームC)を提出し、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所の以前の判決に誤りがなかったか審査を求めた。これによって、リップル社との法的争いにおいて新たな段階に入った。
11:15
DMM Cryptoが資金調達、グローバル展開加速目指す
国内の仮想通貨関連企業DMM Cryptoは、グローバル投資会社Neoclassic Capitalをリードインベスターとして迎え、クオンツトレーディング会社Prestoと共に新たなグローバル戦略パートナーシップを締結したことを発表した。この提携は、DMM Cryptoが目指すWeb3経済圏を支えるファイナンスサービスの拡充とグローバル展開の加速を目的としている。
10:50
クラーケン、ビットコインの代替資産「kBTC」をローンチ コインベースと競争へ
仮想通貨取引所クラーケンは、ビットコインをラップした独自トークンkBTCをローンチ。DeFiなどへビットコインの実用性を拡大させると説明している。
10:10
アジアの富裕層向け資産運用機関、7割以上仮想通貨に投資
アジアの富裕層の仮想通貨投資が加速。ファミリーオフィスなどの76%が投資しており、DeFi、AI、DePINなどが注目セクターとなっている。
08:40
トランプ氏の仮想通貨WLFI、初日販売は目標の4%のみ
ドナルド・トランプ米前大統領一族の仮想通貨プロジェクトWLFは、初日のトークン販売が目標の4%止まりだった。WLFを巡っては、否定的な見方も多く上がっている。
08:15
仮想通貨ブリッジdeBridge、DBRのエアドロップ請求開始
ブロックチェーン間でトークンを移動するためのブリッジサービス「deBridge」は17日、独自仮想通貨DBRのエアドロップ請求を正式に始めた。なお、トークンの取引もDEX上で開始した。
07:10
仮想通貨チャートや売買ページを共有可能、ソラナ主要ウォレットPhantom
売買リンクをシェア可能に ソラナ基盤の主要仮想通貨ウォレットPhantomは18日、ユーザーのソーシャルメディアでのエンゲージメントを高めるための新機能を導入した。 関連:Ph…
06:40
イーサリアムで10万TPS(秒間処理速度)目指す、ヴィタリック
仮想通貨イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は17日、ネットワークの次なる進化段階「The Surge」に向けた野心的な目標を発表した。
06:20
アルトマン氏のワールドコイン、「World」と改名
OpenAIの創設者であるサム・アルトマン氏が立ち上げた仮想通貨プロジェクト「ワールドコイン」は18日、「World Network(ワールド)」へと名称を変更し、新たな展開を発表した。
10/17 木曜日
17:33
世界の仮想通貨アクティブユーザー数、過去最高の3000〜6000万人に=a16z crypto
a16z cryptoの最新レポートが世界の仮想通貨動向を分析。仮想通貨保有者は推定6億人を超えアクティブユーザー数も最高を記録している。
17:22
トランプ前大統領支援のPAC、11億円相当の寄付金を仮想通貨で受け取る
米大統領選挙が近づく中、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領を支援する政治団体が、11.2億円相当の寄付金を仮想通貨で受け取っていたことが明らかになった。
16:09
ブテリン氏の100ドル損失体験から学ぶ、イーサリアムの課題と未来
イーサリアム創設者ヴィタリック・ブテリン氏が語る、エコシステム統合とスケーラビリティ向上への具体的戦略。L2相互運用性の改善から10万TPS達成まで、イーサリアムの未来像を詳細に解説する。」
16:06
2か月半ぶり1000万円水準に上昇したビットコイン相場をプロが解説|仮想NISHI
ビットコイン(BTC)価格が大きく上昇し、1000万円台を回復した。暗号資産(仮想通貨)相場の今後の展望は? ビットコイン相場とデリバティブの最新データについて、SBI VCトレードのアナリスト「仮想NISHI」が解説した。
12:35
イタリア、ビットコインの売却益課税を26%から42%に引き上げか
イタリアがビットコインのキャピタルゲイン(売却益)への課税強化を検討している。一方で世界の仮想通貨保有者数が6億人を突破し、採用が拡大中。
12:26
ビットコイン続伸で7万ドルの大台も視野、年初からクジラ(大口投資家)が急増
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコイン(BTC)が続伸し67500ドルを維持。米NYダウが過去最高値を更新するなど株式市場の好調さもあり、コインベース株も続伸している。CryptoQuantのCEOは2024年以降のクジラ(大口投資家)の急増を取り上げた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア