はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX

今後の仮想通貨の発展を支える「4つの条件」と「条件達成による影響」とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨発展のための条件とその結果
ビットコインをはじめ仮想通貨が社会の中に浸透し、発展して行くには、・ビットコインETFの承認・米国の規制整備・技術の拡張性の向上・新興国や若年層のニーズに応える、この4つの課題をクリアしていかなければならない。
ETFとは
Exchange Traded Fund (上場投資信託)の略でインデックスファンドの一種。 日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)等に連動する運用成果を目指し、東証などの金融商品取引所に上場している、株式と投資信託の特性を併せ持った金融商品のこと。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

仮想通貨の今後の発展

8月8日に、米証券取引委員会(SEC)が、CboeのVanEck ・SolidX ビットコイン ETF認可の可否判断を延長したことは、短期的に見れば、市場にとってはマイナス要因となりましたが、長期的にみると、SECの慎重な姿勢が、かえってプラスに働くのではないかとの立場をとる声も聞かれます。

米国の法律では、SECは最長で来年2月まで可否判断の延期が可能ですが、ビットコイン市場とそのエコシステムは日進月歩の勢いで進化を遂げているため、その審議期間中にインフラ構築や投資の規制環境がさらに整っていく可能性が高く、承認により有利な状況になるのでは、との見方からです。

この例のように、ビットコインをはじめ仮想通貨が社会の中に浸透し、発展して行くには、いくつものハードルがありますが、開発者や規制当局が、次にあげる4つの極めて重要な課題を解決していくことで、仮想通貨は、一般消費者をはじめビジネス間での決済手段として、広く世界で受け入れられていくことと思われます。

そして、長期的にみると、グローバルレベルでの受容の可能性の高さが、仮想通貨が他の投資資産のパフォーマンスを凌駕すると考えられる要因でもあります。

仮想通貨発展のための4つの条件と、その解決がもたらす結果

条件1:SECによるCboe ビットコインETF 承認

現在、審査中のCboeビットコインETFの申請内容は、専門家の中でも評価が高く、評価、流動性、詐欺からの保全と保管、潜在的価格操作という、SECの判断基準を満たしているのではないかと考えられています。

結果1:流動性の向上、投資家保護、革新を起こす人材の育成

SECの承認は仮想通貨の妥当性を裏付ける節目となり、また、機関投資の促進は通貨の流動性を高めます。

仮想通貨の受容が高まることで、決済の合理化が進むとともに、相互台帳の更新、記録へのアクセスの簡易化、自動契約遂行等の社会的恩恵も考えられます。

条件2:米国での包括的規制環境の整備

米ドルは依然として、グローバル投資での法定通貨トップの座にあり、アメリカの規制当局の動きは、世界中の投資家が注目しています。

結果2:投資家保護、革新性、投資環境の改善

革新を妨げることなく、且つ消費者を保護できる総合的な規制の枠組みの必要性が叫ばれていますが、そのためには、微妙な差異を考慮に入れた一連の規則と、高度な取締方法、理にかなったプロトコル、熟練した専門家が必要です。

このような複雑な方略を構築することは容易ではなく、時間もかかり、つまづくことも予想されます。しかし、最終的には、バランスのとれた包括的規制の枠組み作成を達成できるものと期待されます。

条件3:技術の拡張性を高める

既存の決済方法に勝るためには、仮想通貨の決済速度の大幅な改善が必要となります。

結果3:新たなアプリケーションの誕生、決済の合理化(速度、価格、効率)、仮想通貨決済の浸透

スケーラビリティを高めるため、ビットコインはライトニングネットワーク、イーサリウムはプラズマを開発中。

一昼夜で完成するような技術ではないものの、多くの有能な開発者がプロジェクトに関わっており、技術は進歩を続けています。

これらの技術の進歩により、新しいアプリケーションの開発につながる可能性も高いです。

デビットやクレジットシステムといった支払い方法に仮想通貨が統合されることにより、消費者やビジネスが、仮想通貨を利用しやすくなり、一般利用へ繋がっていくでしょう。

条件4:新興国、そして若い世代のニーズを満たす

現在、仮想通貨利用の成長が著しいのは、安全で信頼できる銀行システムが整っていない国や地域、また政情により、法定通貨よりも仮想通貨を利用するインセンティブの高い国々です。

結果4:仮想通貨利用の飛躍的な伸び

全世界で見ると、17億人の成人が銀行口座を持っていないと言われていますが、その3分の2は、携帯電話を所有しており、仮想通貨や他のブロックチェーン基盤の金融サービスを利用できることが考えられます。

ケンブリッジ大学の推定では、仮想通貨を決済手段として利用している人々の割合が一番高いのが、アジア太平洋地域で(38%)、次にヨーロッパ(27%)、北米(17%)、南米(14%)、アフリカ/中東(4%)と続いています。

その中でも急速に利用が進んでいるのは、次の国々だと指摘されています。

  • アジア(中国、インド、マレーシア、タイ)
  • 南米(ブラジル、チリ、コロンビア、メキシコ、ベネズエラ)
  • アフリカ/中東(ケニア、サウジアラビア、タンザニア、トルコ)
  • 東ヨーロッパ(ロシア、ウクライナ)

これらの国々の多くは、これからの人口増加も見込まれます。

そして、新興国での仮想通貨の利用増加とともに、注目されるのが、ミレニアル世代とともに、その次の世代、Z世代と呼ばれる若年層の動向です。

ミレニアル世代は、すでに投資活動を通して、仮想通貨市場に参入している大きな層を占めています。

また、1990年代後半以降に生まれたZ世代は、生まれた時からインターネットが存在していたデジタルネイティブで、新しいテクノロジーの受け入れに抵抗がありません。

その世代が、今、ティーンエージャーとなり、消費活動を始めているのです。

仮想通貨利用が飛躍的に伸びる要因として、大きな影響を与えると思われます。

以上、仮想通貨が発展するための四つの柱となる要素を見てきました。

インターネットは、個人間のデジタルコミュニケーションを可能にし、想像を超えて大きな発展を遂げました。

仮想通貨を支えるブロックチェーン技術は個人間での価値の交換を可能にするものだと言われています。

インターネットでは、熱狂的なバブルがはじけて淘汰された企業もある一方で、生き残り、世界有数の企業に成長した企業があるように、仮想通貨の中でも選ばれるもの、消え去るものはあるでしょうが、長期的な視野で俯瞰すると、生き残った通貨が、私たちの日常の生活に浸透していく未来が浮かび上がってくるのではないでしょうか。

 

CoinPostの関連記事

ビットコインETFの延期で売却するなら間違っている|CNBC経済番組内で
急落の要因とされた、この可否判断日程の延期ですが、CNBC経済番組のコメンテーターは、このニュースでの売却は間違っているとコメントしています。
ビットコインETFの可否判断は、最大240日(2019年2月頃)まで延長する可能性:暴落の原因を探る
ビットコインは8日、日本時間早朝4時過ぎに79万円から73万円まで価格が急落、期待感の募っていたCboeのビットコインETFに関するSECの公式文書が発表されたことが、投資家心理に作用し、相場の下落に繋がった。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/14 火曜日
18:47
Hyperliquidの大口投資家、トランプ一族との関与を否定 再びビットコインを大規模ショート
トランプ関税発表直前にビットコイン7億ドルをショートし約2億ドルの利益を得た大口投資家が、再び3億4千万ドル規模のBTCショートポジションを構築。インサイダー取引疑惑が浮上するも本人は否定。市場では1.3兆円規模の強制清算が発生し史上最大級の暴落に。
18:24
JPモルガンがビットコイン取引サービス参入へ カストディは外部委託で対応
JPモルガンのデジタル資産部門責任者が、顧客向けビットコイン取引サービスの提供を正式に確認した。カストディ業務は外部委託を検討し、コインベースとの提携も強化。大手金融機関の暗号資産市場参入が本格化する中、JPモルガンの戦略的アプローチとは。
18:04
シティバンク、2026年に仮想通貨カストディ事業参入へ
米大手金融機関シティバンクが2026年に暗号資産のカストディサービスを開始する計画を発表。ビットコインやイーサリアムなどを機関投資家向けに保管する。トランプ政権下での規制整備を背景に、JPモルガンやバンク・オブ・アメリカとともにステーブルコイン事業への参入も本格検討中。ウォール街の暗号資産市場への本格進出が加速している。
18:00
「Bitcoin Core v30.0」リリース、データ制限の引き上げでコミュニティの意見が対立
ビットコインソフトのアップデートであるBitcoin Core v30.0が2025年10月12日にリリースされた。OP_RETURNの上限が80バイトから10万バイトへ大幅に引き上げられ、コミュニティで賛否が分かれている。ビットコイン本来の目的との整合性やノード運営リスクが議論されている。
17:26
欧州最大手アムンディ、ビットコインETN市場参入を準備
欧州最大の資産運用会社アムンディ(運用資産2.3兆ユーロ)が2026年初頭にビットコインETNを発行予定。MiCA施行で規制環境が整備される中、機関投資家の暗号資産投資が本格化。米国ブラックロックのIBIT(971億ドル)に続く動きとして注目される。
17:22
ハイパーリキッド、HIP-3実装で永久先物市場の自由構築が可能に
ハイパーリキッドがHIP-3を実装し、開発者が許可なしで独自の永久先物市場を構築することを可能にする。仮想通貨HYPEを一定以上ステーキングすることなどが条件だ。
16:56
コインチェックでIEO「Fanpla(FPL)」10月21日開始 音楽事務所10社以上が協力
音楽ファンクラブ大手Fanplus協業のIEO「Fanpla(FPL)」詳細。10月21日申込開始、11月11日上場予定。700超のファンクラブと400万人基盤という既存インフラを持つ点で過去IEO案件と一線を画す。コインチェック過去実績は抽選倍率24倍・最高23倍に急騰。投資判断に必要な情報を網羅。
16:55
三菱UFJモルガン・スタンレー証券、デジタルアセット事業を開始
三菱UFJモルガン・スタンレー証券が14日、デジタルアセット事業を開始。債券型セキュリティトークンの取り扱いとデジタル証券取引サービス「ASTOMO」をリリース。不動産STを10万円から投資可能に。
16:30
イオレ、仮想通貨とAI融合のスーパーアプリ「Neo Crypto Bank」の詳細を発表
イオレが暗号資産金融事業戦略を発表。2027年にWeb3.0スーパーアプリを公開し、キャッシュレス決済市場1%・年間1.2兆円を目指す。AI統合で次世代金融インフラを構築。
12:00
ソラナのリキッドステーキングの稼ぎ方|JitoSOLの仕組みと手順
ソラナのリキッドステーキングについて、仕組みから始め方まで徹底解説。JitoやMarinadeなど主要プラットフォームの始め方、年利5-7%の運用方法まで完全ガイド。
11:58
史上最大フラッシュクラッシュ後の仮想通貨市場、トランプ大統領の発言受け乱高下続く
トランプ米大統領による突然の関税発表で、仮想通貨市場は190億ドル超の強制清算という史上最大のフラッシュクラッシュを経験した。しかし週明けには114,000ドル台に回復。機関投資家の押し目買いと過剰レバレッジ解消の両面から市場を分析。イーサリアムL2 Baseのトークン発行検討など、実用化への動きも紹介。
11:18
チャイナルネッサンス、BNB財務企業の米上場を計画=報道
チャイナルネッサンスは、仮想通貨BNBの財務企業を創設するために910億円超の資金調達に向けた協議を行っていることがわかった。この財務企業は米国で上場する計画である。
10:38
「仮想通貨ETFへの流入、トランプ関税ショックの影響は軽微」=CoinShares
トランプ大統領の対中関税発言による市場急落にもかかわらず、ビットコインETFなど仮想通貨投資商品への影響は軽微で流入は週間4,830億円に達した。CoinSharesが分析する。
08:41
68億円相当のBNB、ミームコイントレーダーにエアドロップへ
BNBチェーンは、仮想通貨市場が大荒れしたことを受け68億円相当のBNBをエアドロップする計画を発表。今回はミームコイントレーダーを支援すると説明した。
10/13 月曜日
12:25
430億円規模に、バイナンスが「異例の補償」実施 トランプ・ショックに関する価格異変で
仮想通貨取引所バイナンスがトランプ関税による市場下落時の不具合で損失補償を発表した。USDe、BNSOLなどのディペッグで強制清算が発生した背景がある。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧