はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

FX業界に革命 相殺決済の自動化をIBMがブロックチェーンで実現|米メガバンクも続々と採用へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

相殺決済ブロックチェーンサービスCLSNetが発表
世界的なFX決済サービスを手掛けるCLSがIBMと共同でブロックチェーン基盤の(相殺決済)ネッティングサービスを提供するCLSNetを公表した。
拡まるブロックチェーン技術の普及
IBMは、IBM Food Trust、we.tradeに続き、今年3つ目のブロックチェーン関連サービスの発表となる。今後、さらに多くの企業がこの技術を採用していき、あらゆる分野に波及していくことが期待される。
相殺決済(ネッティング)とは
複数機関の間における債務・債権を整理し、複雑化されている決済を簡略化する決済である。例えば、A社とB社の間で、複数の債権・債務が発生していた場合、それらを整理し、差額を求めることで、どちらか一方から他方に対する債務、または、債権としてまとめることができる。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

CLSがIBMと共同でCLSNetを発表

世界最高峰のFX決済サービスを提供するCLSグループは、IBMと共に2年以上に渡って開発してきたブロックチェーン基盤の相殺決済(ネッティング)サービスCLSNetを公開、ゴールドマンサックスやモルガン・スタンレーを始めとする複数の有名金融機関がそのシステムの使用に踏み切ったことが明らかになった。

このCLSNetはIBMの技術的支援を得て、Linux FoundationのHyperledger Favricブロックチェーン上に構築されている。

CLSおよびIBMは、決済サービスに着目した2002年から提携を行い、FX市場における決済リスクを減少させる目的の元、15年以上も取り組み続けていた。今回のCLSNetの発表は、まさに念願のサービスが実現したことになり、その実現に至るために、ブロックチェーン技術が使われていることになる

このプロジェクトが発表された2017年9月時点では、既述のゴールドマンサックス、モルガン・スタンレーに加え、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン、三菱東京UFJ銀行、シティバンクなどの有名金融機関が参画企業として名を連ねており、FX市場における大プロジェクトであったことがわかる。

業界内の問題解決へ

CLSの戦略および開発部門責任者を務めるAlan Marquard氏(以下、Marquard氏)は、今回の発表に対し、以下のように述べている。

私たちは、同分野の中でも初の試みとなる、分散型台帳技術プラットフォーム上で運営されるサービスCLSNetを公開できることに喜びを感じている。

そして、私たちが、FX市場において信頼性のあり、独特なポジションを確立し、業界内の問題を解決することに注力していることを象徴している。

当事者間で定期的に相殺決済を行っている企業も存在しているものの、一般的にそのプロセスは自動化されていなく、手動で全てのプロセスを行う必要があり、コスト面などからも相殺決済を使用していない企業も多く存在しているのが現状だ。採用をしていない企業は、主に新興国通貨との決済リスクや日中の需要流動性の上昇に繋がってしまうといった指摘もされていた。

そのような背景からも、今回発表されたCLSNetは、120以上の法定通貨に対応し、為替相場における相殺決済のレベルを向上させ、標準化させることを目的としていることから、企業の相殺決済への参入促進につながると考えられている。

Marquard氏は、このネッティングプロセスの標準化や自動化こそがコスト削減、効率化、ビジネスの成長に直接的する重要な動きとなる、と言及している。

普及しつつあるブロックチェーン技術

今回CLSNetの開発を担ったIBMは、サプライチェーンの透明化を進めることを目的として10月に開始されたIBM Food Trust、国際間取引の効率化を目的として7月に開始されたwe.tradeに続き、CLSNetが第三のブロックチェーン関連プロジェクトになる。

また、CLSNetに参画しているモルガン・スタンレーもビットコインのデリバティブ商品を提供する取引デスクを設置することを今年発表している。

ブロックチェーン技術を使用した消費者向けのサービスが台頭してきているのはもちろんのこと、IBMが提供するサービスのように企業を対象としたブロックチェーンソリューションが台頭してきていることは特筆すべきことであると言えるだろう。

実際、IBM Food Trustはフランスの大手小売企業Carrefourなど、金融以外の業界から企業がブロックチェーンを採用することにつながっている。

ブロックチェーン企業ClovyrのCEOを務めるAmber Baldet氏が述べたように、IT黎明期であった1990年代と同様、現状では、IBMのような企業に高いコンサルティング料を払える企業を中心として、ブロックチェーン技術が普及してきている。

そして、Baldet氏の言う通り、今後IT同様、中小企業や個人ビジネスに限らず、あらゆる分野への普及が期待される。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者6,000名突破しました。乱高下する仮想通貨市場における、効率の良い情報収集にぜひご活用下さい!

CoinPostの関連記事

ゴールドマンサックス「仮想通貨の継続的な研究と発展」に注力|現時点では法規制面で慎重な姿勢
世界規模の大手銀行ゴールドマンサックス社のデジタル・アセット部トップが米国27日、Consensus Investで登壇。GS社の仮想通貨カストディサービスに関する方針を語り、現時点では「カストディ」提供の目処が立っていないと明らかにした。
ブロックチェーンはインターネットの様な身近な技術になれるか
ブロックチェーン・スタートアップClovyrのCEO、Baldet氏は、将来的にあるべき形として、企業が独自のプライベートチェーンを所有し、分散型のパブリックチェーンがそれらを繋げる役割を果たすべきと主張した。
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/23 金曜日
18:05
ビットコインは今後どうなる?2025年の価格展望・注目材料
2025年5月、仮想通貨ビットコインは11万ドルに到達。今後どうなるのか?価格上昇を支える5つの注目材料と専門家の予測を解説します。
13:50
セイラー率いるストラテジー社のビットコイン戦略を徹底分析=VanEck
資産運用大手VanEckがストラテジー社(MSTR)のビットコイン戦略を分析。レバレッジをかけたBTC投資商品として評価し、プレミアム発生理由と主要リスクを解説した。
13:25
政府・日銀、デジタル円に関する第2次中間整理を公表 プライバシー保護と民間決済との共存策を検討
政府・日銀、CBDC第2次中間整理を発表。日銀が個人情報を扱わない「二層構造」でプライバシー保護を。民間決済手段との共存や相互運用性向上に向けた具体的検討結果をまとめた。
13:00
『ビットコインピザの日』15周年 ATH更新も長期保有者の利益確定は減少=データ
仮想通貨ビットコインは初取引を記念するピザ・デー15周年を迎え史上最高値を記録した。一方で、長期保有者の利益確定は昨年12月比で大幅減少している。
12:08
ビットコイン11万ドル台で推移、個人投資家の出遅れシグナルは持続性を示唆
ビットコインは11万ドル超の最高値圏で推移。ムーディーズによる米国債格下げを受け、ヘッジ手段としてのBTC需要が急増した。一方、SECはXRP・ライトコインETFの承認判断を8月に延期している。
11:10
米大手銀行が共同でステーブルコイン発行検討、仮想通貨業界に対抗=WSJ報道
JPモルガン、バンク・オブ・アメリカなど米大手銀行が共同でステーブルコイン発行を検討。トランプ政権下での規制緩和を利用し決済分野での競争力強化を目指す。
10:40
XRPレジャーで発行、欧州初MiCA準拠ユーロステーブルコイン
シューマン・フィナンシャルがMiCA準拠のユーロステーブルコイン「EURØP」をXRPレジャーで発行。ブラジルでもUSDBステーブルコイン展開へ。
10:00
アルトマン氏率いるOpenAI、iPhoneデザイナーのアイブ氏と提携 WLD価格25%高騰
生成AI企業OpenAIがAppleのデザインで知られるアイブ氏の企業IOを65億ドルで買収した。IOのチームが合流し、新たなAIハードウェアを開発予定だ。
09:35
Sui最大のDEX「Cetus」、320億円相当の仮想通貨が不正流出 トークン価格暴落
Suiのブロックチェーン上に構築されたDEXのCetusは、320億円相当の仮想通貨が流出したと公表。すでに問題を特定しており、調査レポートを後で公開すると説明している。
09:00
民主党議員、トランプ仮想通貨晩餐会を批判 大統領は実際に出席
民主党議員がトランプ大統領のミームコイン保有者向け晩餐会を「影響力売買」と批判し参加者リスト公開を要求。一方でトランプコイン価格は10%上昇するも上昇幅を全消し。
08:35
史上最高値のビットコイン、米国リスク高まり資金流入加速|仮想NISHI
*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI(
07:45
GENIUS法が「数兆ドルの米国債需要を創出」サックス仮想通貨特命官
トランプ政権のサックス特命官が米上院のステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」通過に自信を示し、米国債への数兆ドル需要創出を予想。超党派支持で26日までの可決目指す。
07:30
FIFA、アバランチ上に「FIFAブロックチェーン」を立ち上げ
FIFA Collectは、新たにローンチしたFIFAブロックチェーンにプラットフォームを移行。仮想通貨アバランチの技術を活用し、イーサリアム互換のブロックチェーンを開発した。
07:15
ビットコイン、『5月は保有継続』か 11万ドル突破でアナリストが戦略維持
ビットコインが23日に111,814ドルの高値を記録。スタンダードチャータード銀行のアナリストがトランプ政権下での50万ドル目標を維持し、従来の「セル・イン・メイ」に反する保有戦略を提唱。
06:10
55銘柄超の米国株トークン化取引『xStocks』、アジアなどで提供予定 クラーケンが運営
仮想通貨取引所クラーケンがBacked開発のトークン化株式「xStocks」を近日開始。Apple、Tesla等55銘柄超でソラナチェーンと統合し、米国外顧客向けに提供予定。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧