はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米雇用統計控えビットコインなど小幅安、Galaxy Digital分析の下値目処は

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

1日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比280ドル(0.9%)安と4日続落となった。ジャクソンホール会議でのパウエル議長の発言以降、これを補強するFRB高官のタカ派発言が相次ぎ、金融引き締めの長期化とリセッション(景気後退)リスクへの懸念が強まっている。

9月も金融政策判断に影響を及ぼす重要指標が目白押しであるが、中でも2日の21時30分(日本時間)に控える米雇用統計をはじめ、13日のCPI(米消費者物価指数)、21日(日本時間22日)の米連邦公開市場委員会(FOMC)発表は市場関係者の注目度も高い。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.19%安の20,100ドルに。

BTC/USD 日足

軟調な金融市場を反映して冴えない動きであり、イーサリアム(ETH)も前日比2.39%安の1,555ドルと下落した。

大型アップグレードのThe Merge(ザ・マージ)を控え下値を買われる動きこそ見られるも、いかんせん金融マーケットの地合いの影響を色濃く受けており、改善しつつあった投資家心理はジャクソンホール会議を境に大幅悪化した。

それを裏付けるデータの一つが、デリバティブ(金融派生商品)市場における定量分析だ。

Arcane Researchが8月30日に掲載した月次レポートでは、暗号資産(仮想通貨)市場の先物取引がバックワーデーション(期近物が期先物に比べて高い逆鞘状態)で取引されており、Funding Rate(資金調達率)が2週間マイナス圏で推移する。

永久先物の建玉数やインバース型ビットコインETF(上場投資信託)の出来高も過去最高に達した。マクロ環境の悪化に伴いヘッジ需要が急速に高まっていることを示唆する。

ただし、中期目線では、Three Arrows Capital(3AC)やCelsius Network(セルシウス)の破綻で混乱に陥っていたレンディング市場の正常化を指摘。「仮想通貨特有の市場リスクは、今のところ解決されている」とも評した。

長期目線では、ジャクソンホール会議におけるジェローム・パウエル議長の発言要旨などから、来年にかけてもマクロ経済の逆風が吹くことを想定している。

その一方で、21億ドルの資産を運用するGalaxy Digitalの28日のレポートを引用し、再び200週移動平均線(200W MA)と実現価格を下回ったことを指摘。

「テクニカル分析、及びファンダメンタルズの観点から、中長期のビットコイン投資家にとって、積み立て投資(ドルコスト平均法)で保有量を増やすには絶好の押し目となり得ることが歴史的に証明されている」との見解を共有した。

関連:即実践できる、相場に左右されない積立投資|ドルコスト平均法とは

ビットコインはすでに、昨年11月の過去最高値(ATH)69,000ドルからおよそ-75%ものドローダウンを記録している。

BTC/USD 週足

BTC価格が200週移動平均線を下回った時期は、2015年の弱気相場をはじめ、2018年〜2019年のバブル崩壊相場の大底圏、2020年3月のコロナ・ショック、および2022年6月から現在までの数回しか事例がない。

galaxy.com

Galaxyのレポートでは下値目処について、サイクルの安値(17,708ドル)と300W MA(17,256ドル)をサポートラインに挙げ、短期および中期の上値目標としては、実現価格 (21,652ドル)、60日移動平均線の(22,016ドル)、および25,000ドル(レンジ上限)を列挙した。

Galaxyは総括として、「持続的なインフレ及びドル高による金融政策の引き締めと相まって、世界経済が崩壊すればビットコインのようなリスク資産を圧迫する」と警鐘を鳴らしつつ、「これまでのような過剰なレバレッジの解消やビットコインマイナー(採掘業者)による保有残高減少(売り圧力低下)など、BTC/USDに影響を与える内因性要因はおそらくピークに達しており、これ以上のダウンサイドリスクは限定的」との見方を示した。

ETHのステーキング

なお、イーサリアムネットワークでステークされたETH量は、前年比2倍以上増加し、総供給量の11%以上を占める。

Arcane Research

関心の高まりに伴い、ETHをステーキングした場合のAPR(年換算利回り)は約4%まで低下しているが、一方でネットワークにすでに数十万のバリデーターが存在する中で、大部分のETHがステークされておらず、成長途上であることを示している。

マージ直後にはステーキングの出金はできず、半年〜1年ほどの猶予期間があることが想定される。

関連:2部構成のイーサリアムマージ|9月6日予定の「Bellatrix」アップグレードとは

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/03 木曜日
18:23
Aptos LabsがYellow Cardと提携、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金開始 
Aptos LabsとYellow Cardが提携し、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金サービスを開始した。USDT・USDC対応で即時決済を実現し、数百万人のユーザーがステーブルコインをより迅速かつ手頃な価格で利用できるようになった。
18:10
ストラテジー社のビットコイン財務戦略:価値創造と潜在リスクの両面
米国のストラテジー(マイクロストラテジー)などビットコイントレジャリー企業の財務モデルを軸に、株式を通じた投資の仕組みやレバレッジ効果、税務上のメリットなどを解説。日本のメタプラネットなど類似上場企業の動きも取り上げ、再現性の条件やリスク要因を多角的に考察する。
17:26
スイスFINMA規制のAMINA銀行、リップル社RLUSDを世界初サポート
スイス金融監督局(FINMA)規制下のAMINA銀行が、リップル社の米ドル建てステーブルコイン「RLUSD」の取扱いを開始。時価総額660億円超のRLUSDをサポートする世界初の銀行として、機関投資家向けに保管・取引サービスを提供。
16:14
米仮想通貨取引所コインベース、「LiquiFi」買収でトークン発行支援事業強化へ
米コインベースがトークン管理プラットフォーム「LiquiFi」を買収。トークン発行者を初期段階から支援するプラットフォームであり将来的に機関投資家向けサービスにも統合予定だ。
16:02
オルタナ信託設立とProgmat・ALTERNAの協業深化
三井物産デジタル・アセットマネジメントは、デジタル証券特化の信託会社「オルタナ信託」を設立。Progmatと協業し、ST発行・管理基盤を導入。ST市場の効率化と拡大を目指す。
12:04
ビットコイン反発で11万ドルに接近、Bitfinex分析ではQ3の季節性要因を警戒
仮想通貨取引所ビットコインは前日比+2.6%の108,733ドルまで上昇。Bitfinexレポートによると、4月安値から50%反発後は10-11万ドルのレンジ相場に移行し、第3四半期の季節性要因で平均リターン6%の「最弱四半期」を警戒する。一方、米国初のソラナステーキングETFが取引開始し初日3,300万ドルの好調なスタートを記録。
09:50
「ビットコイン保有者の大多数が含み益、HODLが主流に」Glassnode分析
Glassnodeの週次レポートによると、仮想通貨ビットコイン投資家の大多数が含み益状態で、長期保有(HODL)が市場の主要メカニズムになっている。
09:31
米SIFMA、証券トークン化の規制作りでSECに要望書簡送付
米SIFMAはSECに対し、RWAに分類される株などの証券のトークン化に対する規制整備について提案を行った。オープンで透明性の高いプロセスを通して、ルールを作るべきだと主張している。
08:55
米テック富豪ら、仮想通貨向け銀行「Erebor」設立を計画=報道
ピーター・ティール氏らテック投資家が仮想通貨企業向け銀行Erebor設立を計画。全米銀行免許を申請、シリコンバレー銀行の後継を目指す。
08:20
米上場の中国系アパレル企業アデンタックス、ビットコインを最大12000BTC買収へ
ナスダック上場の中国系企業Addentaxが最大1万2000BTCの買収で基本合意。約13億ドル相当を株式交換で取得予定、5月発表の8000BTCから規模拡大。
07:55
ブラックロックのIBIT、手数料収入が「S&P500ETF」超え
ブラックロックの仮想通貨ビットコインの現物ETF「IBIT」は、同社のS&P500のETFよりも手数料収入を生み出していることがわかった。IBITはビットコインETFの資金フローを主導している。
07:30
ドル指数が2022年以来の安値に、ビットコインや金に与える影響と今後の見通し=Cryptoquant分析
Cryptoquantが2日に発表した分析によると、ドル指数が2022年来安値を記録する中、ビットコインは膠着状態が続く。長期保有者の含み益減少も指摘。
06:55
ビットコイン、2025年後半に20万ドル到達目標を維持=スタンダードチャータード銀
スタンダードチャータード銀行のケンドリック氏がビットコイン20万ドル予測を維持。ETFや企業購入の拡大により2025年後半に史上最大の上昇を見込むか。
06:10
リップル、米国銀行ライセンス申請 サークルに続く動き
リップルが米通貨監督庁に国家銀行免許を申請。RLUSDステーブルコイン規制対象化とサークルとの競争激化が注目される。
05:50
オープンAI、ロビンフッドの株式トークン化サービスとの提携を否定 未承認でトークン発行か
OpenAIがロビンフッドの株式トークンサービスへの関与を公式否定。未上場企業トークン化における先買権問題が浮き彫りに。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧