はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨市場の日本人投資家の選好は? グローバル市場と比較分析|Bitgetリサーチ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

下記は、Bitgetのリサーチチームが出した日本市場に関するレポートの要約です。

日本の暗号資産市場を分析

豊かな歴史と文化を持つ日本は、技術革新や金融分野で世界的な評価を得ており、その強固な金融システムと最先端のフィンテックソリューションによって、世界経済における重要な地位を維持しています。

暗号資産取引高の法定通貨別シェアの面でこそ、仮想通貨バブルと呼ばれた2017〜2018年頃と比較すると円建て(JPY)取引のプレゼンス後退は指摘されるものの、Web3および暗号資産(仮想通貨)領域では、全体的な流通量と浸透度合いにおいて、日本は世界有数のポジションと評されています。

日本人のイノベーションマインドは、ローカライズされた革新的なブロックチェーンゲーム事業やNFT(非代替性トークン)などの技術的な取り組みといった形で、上場企業の携わるWeb3関連事業にも及んでいます。

一方、日本では過去にマウントゴックス(Mt.Gox)やコインチェックで過去2回に渡る大規模ハッキング事件が発生した結果、日本政府および金融庁はいち早く暗号資産(仮想通貨)の規制面を整備し、セキュリティ対策や顧客保護の仕組みは他の先進国よりも早い段階で確立されています。

日本の市場規模は

米ブロックチェーン分析会社Chainalysisの2023年度調査レポート「Geography of Cryptocurrency Report」によれば、日本は世界第18位です。イギリス、カナダと並び、フランス、ドイツ、オランダなどの主要な西欧諸国を上回っています。

日本の仮想通貨普及指数の内訳を見ると、CeFi(中央集権型金融)の取引量では世界22位、DeFi(分散型金融)の普及率は18位を示している一方、個人間で仮想通貨を取引するP2P(ピア・ツー・ピア)取引における出来高水準では49位と世界平均を大きく下回っています。

こちらの図は、2022年7月から2023年7月の期間において、アジア各国における暗号資産プラットフォーム別のシェアを示したものです。韓国と比較すると日本はCEX利用率がやや低く、DEX利用率が高いことがわかります。

また、日本の推計市場規模(23年11月〜24年4月)は、トルコとインドネシアの間に位置づけられ、税制的に優遇されている韓国の約3分の2の規模にあたります。

出典:bitget資料

日本の投資家には独自の傾向が見受けられ、シバイヌトークン(SHIB)のような第一世代のミームコインやXRP、ADAのような確立されたブルーチップトークン(優良銘柄)に強い関心を維持しており、1日あたりのアクティブトレーダーは、約35万人に上ります。

日本には、ビットフライヤー(bitFlyer)、コインチェック(Coincheck)、ビットバンク(bitbank)といった老舗の有力取引所があり、これら3つで国内のCEX市場シェアの42%以上を占めます。

特に中高年のトレーダーは、海外の仮想通貨取引所よりも、安心感のある国内のローカル取引所を強く選好する傾向があるようです。

一方、 日本国内の取引所では金融庁および自主規制団体JVCEAが承認した暗号資産しか扱えず、承認プロセスも時間がかかります。また、デリバティブ取引のレバレッジはかつて最大16倍でしたが、規制を重ねて最大2倍まで制限が厳しくなりました。

その結果、先物取引やアルトコイン取引に積極的な経験豊富な日本人トレーダーは、日本国内よりも海外の大手取引所を選好します。

さらに、日本のユーザーの多くは長期保有者ですが、その主な理由は、日本の税制では暗号資産の利益に対して最大45%に達するため、短期的な利益よりも長期的な投資リターンを重視していることにあります。

日本人投資家の人気銘柄は

過去1年間の検索キーワードの上位を分析したところ、日本のユーザーが頻繁に検索した用語は次のとおりでした。

  • SHIB
  • DOGE
  • Solana
  • XRP
  • ADA

過去3か月間(2月28日~5月28日)の日本における上位の検索用語の例は次のとおりです。

  • PEPE
  • QUBIC
  • AEVO
  • NOT

このデータから次のことがわかります。

(1) 日本のユーザーは、DOGEやSHIBなど第一世代のミームコインに高い関心を持っています。

Shiba InuやAkitaなど、犬をテーマにしたミームコインを好む傾向が反映されている可能性もあります。複数の取引所の内部データによると、BABYDOGEも日本のユーザーが好んで取引するミームコインの一つです。

しかし、BOMEやSLERFのような最新の人気ミームコインは、検索トレンドには見当たりません。

(2) 日本のユーザーは、XRPやADAのような初期のブルーチップトークンに引き続き熱中しています。

海外の大半の国では、これらのトークンは過去1年間のトレンド検索リストには登場していません。また、日本の金融大手SBIホールディングスグループとRipple社(リップル)の提携の影響もあり、日本でのXRPへの高いトラフィックが維持されています。

日本ユーザーの人気プラットフォームは

日本のユーザーは、NFT取引、オンチェーンタスクプラットフォーム、オンチェーン取引、Web3ゲームに高い関心を示しています。

シミラーウェブのデータによれば、最もアクセス数の多い上位10サイトのうち、2サイトがNFT取引プラットフォーム(OpenSeaとMagic Eden)であり、日本のユーザーのNFT取引に対する強い熱意を示しています。

また、Web3タスクプラットフォームやDEXデータ・取引サイトも人気が高く、トークンなどの各種エアドロップ(無料配布)キャンペーンへの参加やオンチェーン資産の取引への関心が高いことがわかります。

さらに、日本市場ではいくつかのローカルプロジェクトが注目を集めています。たとえば、「和製イーサリアム」とも呼ばれるCardano(ADA)は、日本でかなりの関心を得ています。その創設者であるCharles Hoskinson氏は、Cardanoを裏付けるテクノロジーとビジョンを広めるために、日本で複数のセミナーや活動を行いました。

元ソニー社員でジャスミー株式会社の代表取締役社長である佐藤一雅氏によって設立されたIoTプラットフォームJasmyCoin(JASMY)も「AIとIoT」というストーリーを掲げており、今年の第2四半期にはトークン価格が3倍に上昇したため、かなりのトラフィックを記録しました。

Astar(ASTR)やOasys(OAS)など、日本発祥のチームが率いる他のプロジェクトも、日本国内での高い認知度と取引需要があります。

dApps(分散型アプリケーション)などのインタラクションについていえば、日本には従来型のゲーム産業において強固な基盤があるため、ローカライズされたブロックチェーンゲームプロジェクトが数多く存在します。

これらの多くは、ゲーム内のアイテムや資産をトークン化し、NFTやその他のデジタル資産を生み出します。そのため、日本のユーザーはオンチェーンでのDEX(分散型取引所)の取引、NFTの送金、スマートコントラクトに他国ユーザーよりも精通しています。

人気ウォレットは

デジタルウォレットの利用状況を見ると、日本ではMetaMask、Bitget Wallet、Phantom、Trust Wallet、Coinbase Walletの5つが上位を占めています。

MetaMaskは、イーサリアムのエコシステムにおいて最も早く登場したウォレットの1つであり、大きな先行者利益を享受しています。ほとんどのEVM互換チェーンエコシステムプロジェクトは、MetaMaskに優先的に対応しており、日本のみならず世界でも非常に人気があります。

Bitget Walletは、日本でのダウンロード数で、MetaMaskに次ぐ2位に急浮上しました。100を超えるブロックチェーンに対応し、スワップ向けに革新的な流動性集約アルゴリズムを提供し、よりスムーズな取引体験を実現しています。

最近ではソラナチェーンに対応できるよう機能を拡張し、オンチェーンアノマリーアラートと市場トレンドに関するスマートレコメンデーションサービスを取り入れたことで,活況を呈するミームコイン市場でオンチェーン分析を活用し、優位性を得ることができるようになりました。

Solanaエコシステムが人気を博す中で、Solanaネットワークで最も人気のあるネイティブウォレットであるPhantom(ファントム)が3位に位置付けられています。日本におけるPhantomウォレットの人気は、Solanaエコシステムの力強い回復、活況を呈するミームコイン市場、エコシステムがもたらすビジネスチャンス、将来のエアドロップへの期待など、いくつかの要因によってもたらされています。

2024年下半期の日本市場の動向については、コンプライアンス政策が国際的に広がっていることや仮想通貨資産ETFが米国で上場したことにより、日本でも仮想通貨に投資する機関投資家や個人投資家が増え、仮想通貨を取引する1日のアクティブユーザーは、2024年の35万人から年末には約50万人に増加することが予想されます。

参照:BitGetレポート

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/02 水曜日
16:57
三菱UFJ信託銀行、電子決済手段としては国内初のステーブルコイン発行へ=報道
三菱UFJ信託銀行が近日中に「電子決済手段」としてのステーブルコイン事業を開始する。カーボンクレジット取引から始め、貿易決済への拡大も視野に。
14:30
ソニー・シンガポール、オンラインストアでステーブルコインUSDC決済に対応
ソニー・シンガポールが仮想通貨取引所と提携し、オンラインストアでステーブルコインUSDCによる決済サービスを開始。シンガポール初の仮想通貨決済対応家電ブランドとなり、ソニーグループの分散型技術戦略と連動した取り組みとなった。
13:25
エリック・トランプ氏「仮想通貨事業参入のきっかけは不当な銀行口座閉鎖」
トランプ大統領の次男エリック氏は、大手銀行による突然の口座閉鎖が仮想通貨事業参入のきっかけとなったと明かした。同氏は、ブロックチェーン技術により今後10年で金融や銀行の在り方は大きく変わると予想している。
12:56
メタプラネット、ビットコイン追加購入で累計4,206BTCに
メタプラネットが4月2日に仮想通貨ビットコインを160BTC、約20億円分追加購入し、累計4,206BTCに保有量を伸ばした。2025年末1万BTC・2026年末2万1,000BTCを目指し、独自財務戦略を進める。
12:05
ビットバンク、村上信五さん起用の新CM放映開始へ
国内暗号資産取引所の大手ビットバンク株式会社は4月2日、バラエティ番組の司会などで活躍する村上信五さんを起用した新CM「Everybody bitbank」シリーズの放映を4月3日から開始すると発表した
11:44
米グレースケール、バスケット型仮想通貨ETF申請 XRP・ソラナ・ADA含む5銘柄で
米グレースケールがビットコイン他複数の仮想通貨に投資する「デジタル・ラージキャップ・ファンド」のETF転換をSECに申請した。承認されれば一般投資家にも開放される見込みだ。
11:00
「決済用ステーブルコインは利子提供不可」米ヒル議員が強調 コインベースらの嘆願却下
米下院金融委員長が決済用ステーブルコインの利子提供は認められない計画だと強調。コインベースなど仮想通貨業界からの要望を却下した。法案にも禁止条項が盛り込まれている。
10:30
国内上場のenish、1億円相当のビットコイン購入へ Web3事業強化で
株式会社エニッシュが1億円相当のビットコインを4月1日から4日にかけて取得すると発表。ブロックチェーンゲーム開発を手がけながら、Web3領域での事業展開強化と財務戦略の一環としてビットコインを活用へ。
10:15
バックパック、FTX EUの顧客へのユーロ返還手続きを開始
仮想通貨取引所バックパックは、FTX EUの顧客にユーロを返還するための手続きを開始。FTX自体は現金での返還をすでに開始しており、仮想通貨の買い圧につながるのではないかとの見方も上がっている。
08:20
バリュークリエーション、2度目の1億円分のビットコイン購入を実施
東証グロース上場のバリュークリエーション株式会社が3月31日、1億円で7.8BTCの追加購入を発表。3月17日の初回購入から2週間で2回目の投資を実施した。
08:15
ビットコイン一時50万円上昇、米経済指標とトランプ関税政策が影響|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは前日比で一時50万円の上昇となった。現在、市場の最大の注目材料はトランプ大統領による関税政策であり、ビットコインはリスク資産である米国株価指数との相関性が非常に高くなっている。
07:50
『ビットボンド』提案、トランプ政権のビットコイン準備金戦略、年間10兆円の財政削減効果も
ビットコイン政策研究所が「ビットボンド」提案を発表。米国債の金利負担軽減と仮想通貨ビットコイン保有増加を同時実現する戦略で、2兆ドル規模で導入した場合、年間700億ドルの節約効果と推算。
07:20
ビットコイン購入準備のゲームストップ、2200億円調達済み
米ゲーム小売大手ゲームストップが15億ドルの無利子転換社債発行を完了し、ビットコイン購入計画を進行。マイクロストラテジーの戦略に類似する企業の仮想通貨投資の新たな展開に。
06:55
三井住友FG、アバランチらとステーブルコインを共同開発
三井住友FGは、ステーブルコインの開発を行うことがわかった。仮想通貨アバランチを開発するAva Labsら3社と協業し、26年度を目処にした発行を検討している。
06:35
トランプ家支援のAmerican Bitcoin、二社統合モデルでIPO計画
トランプ家支援のAmerican Data CentersとビットコインマイナーHut 8が設立した合弁会社American Bitcoinが上場計画を発表。エネルギー・インフラとマイニング事業を二社統合モデルで展開していく。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧