仮想通貨売却益は120億円に
香港証券取引所に上場する中国企業「Meitu(美図)」は4日、これまでに取得した暗号資産(仮想通貨)をすべて売却したと発表した。
11月と12月の複数回に分けて、ビットコイン(BTC)を合計940枚、イーサリアム(ETH)を合計31,000枚売却し、取得時からの差額収益で7,963万ドル(約120億円)を得ている。
純利益の約80%を特別配当の支払いに使用。残りは一般運転資金として活用し、グループの事業拡大に注力していくと続けた。
美図は、2021年に企業資産の分散化を目的としてビットコインとイーサリアムを購入している。今回、同社はこのすべてを売却しており、手元には残していない。
同社は以前、ビットコインに加えてイーサリアムを購入した理由についてdApps(分散型アプリ)のローンチを視野に入れていると述べていた。今回イーサリアムもすべて売却したことから、この計画は進めないことにした可能性もある。
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売却した理由について、美図は主力事業に傾注するためとして、次のように説明している。
当グループの主力事業であるプレミアム・サブスクリプションモデルによる写真、動画、デザイン製品分野において、近年強い成長の勢いが見られる。このため当グループはこの事業にさらなる投資を行う意向だ。
取締役会は、今回の売却は、取得した仮想通貨から大きな利益を実現する機会になったと考えている。この売却により、グループ全体の流動性が向上した。
美図は、主にスマートフォンやパソコンで画像や動画を編集するアプリ等を提供する企業だ。
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「ビットコインは売らない」と米マイクロストラテジー会長
ビットコインを戦略的に財務資産として大規模に購入している企業の筆頭には、米マイクロストラテジーが挙げられる。
マイクロストラテジーのマイケル・セイラー会長は11月、ビットコインを売却せずに保持しておく姿勢を改めて示した。その後今月2日も、15,400 BTC(時価2,280億円相当)を平均価格95,976ドルで購入したと発表している。
これにより、同社のビットコイン保有数はビットコイン総供給量の約1.9%に達した。セイラー氏は、ビットコインの長期的な可能性を信じてこの戦略を取っており、同社株式はビットコインへの、レバレッジの効いた間接投資手段とみなされているところだ。
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米大手マイニング企業MARA Holdings(マラソン)も、最近はマイクロストラテジーのように、転換社債の発行により調達した資金を活用したビットコイン購入を実施している。
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日本の上場企業では、メタプラネットもマイクロストラテジーの戦略をモデルとしたビットコイン購入戦略を展開。11月には、新株予約権を発行した資金により、約91億円をビットコインの購入に使う予定だと発表している。
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