驚異的な成長率
経済学者・成田悠輔氏による、ビットコイン(BTC)の時価総額に関するX(旧Twitter)での投稿が注目を集めている。同投稿は3日間で284万回以上の表示を記録。暗号資産市場の急成長に対する注目度の高さを浮き彫りにした。
誕生からたった15年のビットコインの時価総額が300兆円を超えてる。東京のタワマンも、純金も、アップル株でさえ足元にも及ばない成長率。人類の歴史上もっとも利益率の高い資産でありスタートアップである。という奇跡がそこらの人にも政治家にもあんまり理解されてないことに驚く
— 成田 悠輔 (@narita_yusuke) December 27, 2024
現在のビットコインの時価総額は約308兆円(発行上限2100万BTCベース:12月30日時点)に達しており、これは世界の主要資産の中でも上位に位置している。特筆すべきは、この達成までの期間の短さだ。
主要資産との時価総額比較(2024年)
2009年1月4日、Satoshi Nakamotoによって最初のブロック(ジェネシスブロック)が生成されてから、わずか15年でこの規模に到達。世界の主要資産の時価総額ランキングにおいて、ビットコインは金(約1,769兆円)やApple(約386兆円)には及ばないものの、誕生からの期間を考えると驚異的な成長率を記録している(データは8marketCapを引用)。
ただし、ビットコインと株式の時価総額を単純比較することは適切でないとの見解もある。
株式会社の時価総額は、開示義務のある決算情報などから企業が持つ実物資産や将来の収益力、キャッシュフロー、IP(知的財産)といった価値の裏付けを反映しており、株主総会や決算説明会で今後の展望を共有するのに対し、ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)の時価総額は、純粋な需給バランスに基づいて形成されているためボラティリティ(価格変動性)が高く、直接的な裏付け資産を持たないという指摘だ。
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価格上昇を支える要因
ビットコイン価格は2024年に約600万円から1400万円まで大幅上昇(約133%)。総供給量を2,100万BTCに制限する希少性や、米国でのETF承認を受けた機関投資家の参入、各国での規制整備の進展などが追い風となっている。
2024年の主要イベント
時期 | 出来事 | 影響 |
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1月 | 米国でビットコインETF上場 | ブラックロックなど大手金融機関の参入本格化 |
9-11月 | FRB金融政策 | 利下げ観測からリスク資産に資金流入 |
11月 | 米大統領選 | 規制緩和期待などから相場を押し上げ |
イノベーションとしてのビットコイン
成田氏は、このような驚異的な成長を遂げているにもかかわらず、「人類の歴史上もっとも利益率の高い資産でありスタートアップである。という奇跡がそこらの人にも政治家にもあんまり理解されてないことに驚く」と現状に対して疑問を投げかけている。
スタートアップは既存の産業を破壊的に革新することが特徴だが、ビットコインも同様に、従来の金融システムに対する革新的な代替案を提示している。分散型で、国家や中央銀行に依存しない新しい価値保存・送金の仕組みを創出し、デジタル経済における重要な役割を担っている。
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