
XRP戦略で提携
米国の大手暗号資産(仮想通貨)カストディ企業BitGoは2日、XRPに特化した財務戦略を行うVivoPower Internationalとの提携を発表した。
VivoPowerはナスダック上場の再生可能エネルギー企業。5月末に、XRP財務戦略を開始するために1億2,100万ドル(約172億円)を調達したと表明していたところだ。
調達した資金は、XRPの購入と保管、税務運営、XRP台帳(XRPL)のDeFi(分散型金融)エコシステムへの投資と開発支援、既存債務の返済と運転資金に使うとしている。
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VivoPowerは、この戦略を実行する上で、BitGoの年中無休OTC取引デスクを通じたXRPの取引と、カストディプラットフォームを通じた資産の保管を行う。VivoPowerのケビン・チン取締役会長兼CEOは、次のようにコメントした。
VivoPowerは、業界を主導する仮想通貨財務戦略を展開することで、株主の皆様への価値向上に尽力している。
このミッションは、BitGoのような最高クラスのデジタル資産リーダーとの提携を通じて達成していく予定だ。BitGoの実績と、機関投資家レベルのカストディ・取引インフラは、当社の財務戦略を安全に実行していく上で最適な選択肢である。
カストディとは
投資家の代わりに資産を保有・管理することを指す。カストディを行う企業を「カストディアン」と呼ぶ。
BitGoのマイク・ベルシェCEOは、次のように述べている。
VivoPowerのデジタル資産への取り組みは、BitGoのエコシステムを取り巻く機関投資家の勢いが高まっていることの証だ。
企業が、デジタル資産分野に自信を持って参入するために必要な、円滑な執行から業界をリードするクラスのカストディまで、包括的なプラットフォームを提供できることを誇りに思う。
仮想通貨XRPを提供するリップル社と米証券取引委員会(SEC)の裁判は最終局面にあるところだ。
両当事者は和解申請を行ったが、米連邦地裁のトーレス判事は5月16日、この内容を「手続き上不適切」として却下している。和解案は、リップル社に対する差し止め命令の解除や罰金減額を盛り込んでいた。
トーレス判事は、こうした内容が「公衆やXRP機関投資家の利益になる」という説得力のある主張をする必要があるとしている。
なお、裁判はまだ最終終結していないものの、米国最大のデリバティブ取引所を運営するCMEグループは5月19日より、XRPの先物取引を提供開始した。