はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

BIP-110めぐり意見対立鮮明、スパム対策の是非がビットコインの本質を問う展開に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 支持派「健全な金融インフラを守るため」
  • 反対派「価値保存としての信頼を傷つける」

ビットコイン改善提案BIP-110の意図

ビットコイン(BTC)のトランザクションに含まれる非金融データの制限をめぐり、コミュニティ内の意見対立が再び激化している。

議論の焦点となっているのは、開発者Dathon Ohm氏が提案したビットコイン改善提案BIP-110だ。BIP-110は、約1年間の期間限定ソフトフォークとして、ブロックチェーン上に記録される「非金融的な任意データ」(画像、動画、テキストなど、いわゆるスパムと認識されるもの)を厳しく制限することを目指している。

具体的には、次のような対策が提案されている。

  • OP_RETURNの上限を復活
  • 個々のデータプッシュを原則256バイト以内に制限
  • 新規出力スクリプトのサイズ制限

この提案は、昨年10月にリリースされたビットコインのオープンソースソフトウェア「Bitcoin Core」の最新アップグレード(v30.0)で、それまでのOP_RETURNの上限が事実上撤廃された後に浮上した。

OP_RETURNは、ビットコインのスクリプト言語で使用されるオペコードで、トランザクション出力に任意のデータを載せると同時に、その出力を無効化する機能。ビットコインブロックチェーンにタイムスタンプや追加情報などのメタデータを埋め込むことができる。

このアップグレードで上限が80バイトから10万バイトへと大幅に引き上げられたことにより、ビットコイン取引に金融とは無関係の大量データが埋め込まれるようになりかねないと危惧する声が上がり、当時も大きな議論を巻き起こした。

ビットコインを「健全な金融インフラ」として守るべきだという主張を持つ開発者やマイナーらは、トランザクションに厳格なデータ制限を適用できる代替ノードソフト「Bitcoin Knots」の利用を始めた。

このソフトを維持管理する Luke Dashjr氏は、2023年以降、インスクリプションを「スパム」と呼び、ビットコイン上の任意データ制限を強く支持してきた。同氏はOceanマイニングプールのCTOも務めており、BIP-110への支持を表明している。現在、BIP-110を支持しているノードは、全ノードの約3〜9%と報道されている。

3月に入り、OceanプールによってBIP-110への支持を示す最初のブロックが生成されたことで、ビットコインのデータ制限議論は激化した。

BIP-110の支持者らは、大容量のインスクリプションや、 OP_RETURN ペイロードを含む無制限のデータが、ビットコイン本来の健全な金融インフラとしての役割を脅かし、ノード運営者に過剰な負担をかけると主張している。

関連:「Bitcoin Core v30.0」リリース、データ制限の引き上げでコミュニティの意見が対立

反対派の主張

BlockstreamのCEOアダム・バック氏は、BIP-110は信頼できる通貨としてビットコインの評判に対する攻撃だと主張し、強く反対する立場を貫いている。

これは、ビットコインの価値保存手段としての信頼性やセキュリティの信頼性に対する攻撃であり、コンセンサスが得られないまま変更を強引に押し通そうとするリンチ集団的な試みだ。スパムは単なる迷惑行為に過ぎず、ブロックサイズの範囲内に全て収まっている

反対派は、BIP-110による修正は、スパムよりもビットコインの信頼を失わせることになると述べている。

そんな中、スロバキアのビットコイン開発者Martin Habovštiak氏は、66KBのTIFF画像を単一トランザクションとして、ビットコインブロックチェーンに埋め込むことで、BIP-110に異議を唱えた。

同氏は2月26日、Xで当該トランザクションの詳細を発表した。66KBの画像には、BIP-110の中心的支持者であるDashjr氏が泣く様子が描かれている。投稿には、あらゆるビットコインフルノードで独自に検証可能な手順を、ステップごとに解説した詳細資料へのリンクも添付されている。

Habovštiak氏は、このトランザクションで、BIP-110が制限対象としているOP_RETURNオペコードやTaproot、OP_IFなどを一切使用せずに非金融データを埋め込むことに成功したと説明。これにより、BIP-110で提案された制限が別の方法で回避可能であることを証明したと主張している。

さらにDashjr氏がこの手法は「連続的ではない」と指摘すると、Habovštiak氏は即座に反論。BIP-110の制約を遵守した別バージョンのトランザクションを作成・公開した。その準拠版の方が、当初のものよりもデータ容量を大幅に増加させる結果となったことから、「BIP-110は、ビットコイン・ブロックチェーン上に保管されるデータ総量を逆説的に増やす可能性がある」と批判している。

また、Habovštiak氏はこの実験は一度限りの概念実証であり、ビットコイン上でNFTのような利用を助長しないよう意図的にコードを非公開にしていると述べている。同氏自身もブロックチェーンスパムに反対している立場だが、Knots陣営の「虚偽」に動機づけられ、この実験を公開したと次のように述べた。

私がスパム以上に嫌っているものがある。それは虚偽だ。私はこれまで何度もこの件について議論しようとしてきた。Witness領域に収まるように連続した画像をエンコードして示したのにもかかわらず、Bitcoin Knotsの支持者たちは同じ主張を何度も繰り返している。

関連:ビットコイン急騰7万ドル突破、イラン情勢緊迫で「安全資産化」進む|仮想NISHI

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/04 水曜日
09:30
コインベースCEO、自社アプリのSocialFi機能「うまくいかなかった」と認める
コインベースのアームストロングCEOは、BaseアプリのSocialFi機能が期待通りに機能しなかったと明かした。今後は金融機能を優先し、セルフカストディ版コインベースアプリへの転換を図る方針だ。
09:22
ヴィタリック、イーサリアムを「聖域テクノロジー」の中核に 政府・企業の監視強化に対抗
イーサリアム共同創設者ブテリン氏が「聖域テクノロジー」構想を提唱。政府・企業の監視強化やAI台頭など現代の課題に対し、イーサリアムを外部圧力に堅牢な分散型エコシステムの中核として再定義すべきと訴えた。
09:15
米CFTCが予測市場の規則策定へ、近日中ガイダンス公表予定
米商品先物取引委員会(CFTC)ゼリグ委員長が3月3日のミルケン研究所イベントで、予測市場に関するガイダンスの近日発出と事前規則策定通知(ANPR)の公表を表明。連邦レベルでの規制枠組み整備が本格化する見通しだ。
08:25
仮想通貨市場は米国のイラン攻撃で不安定な状態=ウィンターミュート
ウィンターミュートは、仮想通貨市場は価格変動が大きく、依然として不安定であるとの見方を示した。ビットコインの値動きなどに触れた市場分析レポートを公開している。
07:50
トランプ大統領、銀行界の「仮想通貨改革」妨害を批判 クラリティー法案の早期成立を要求
トランプ米大統領は、銀行業界が「クラリティー法案」を人質に取っていると批判した。仮想通貨産業の国外流出を防ぎ、米国を「仮想通貨の首都」にするための法整備を加速させる姿勢を強調。
07:30
ビットマイン、1兆円以上の含み損を抱えるもイーサリアム買い増しを続行
トム・リー氏率いる仮想通貨財務企業ビットマインが、1兆円の含み損を抱えながら直近1週間で1億200万ドル相当のイーサリアムを追加取得した。総保有額は約89.7億ドルに達しており、ETH供給量の5%取得という長期目標に向けた買い増しを継続。
06:55
米政府が0.33BTCのビットコインを移動、「Villanueva」没収ウォレットから
米政府が「Miguel Villanueva」から没収した約2万3000ドル相当のビットコインを移動させた。3つの新規アドレスへ分割送金されており、政府による資産管理の動向に注目が集まっている。
06:35
JPモルガンのダイモンCEO、ステーブルコイン利回りに銀行並み規制を要求 妥協案にも言及
ダイモンCEOは今週のインタビューで、ステーブルコイン報酬を提供する仮想通貨企業に対し銀行と同等の規制適用を求めた。コインベースとの対立が深まるなか、米国の仮想通貨市場構造法案の審議が難航。
06:10
米大手マイナー2社、ビットコイン売却へ方針転換 理由は?
ビットコインマイニング大手のMARAとコア・サイエンティフィックが、保有するビットコインの売却方針を明らかにした。AIインフラへの投資や運営資金の確保を優先し、従来の「抱え込み」戦略から脱却。
05:45
VanEck CEO「ビットコインは底値圏形成中」、4年サイクルの現在地を解説
米ETF運用会社VanEckのヴァン・エックCEOがビットコインの4年半減期サイクルに基づく底値形成の論拠と、現在の市場状況を整理。
05:00
植田総裁が表明──日銀、ブロックチェーン活用の当座預金決済実験に着手
日本銀行の植田和男総裁が3月3日、ブロックチェーンを活用した当座預金決済のサンドボックス実験を進めていると表明した。銀行間決済や証券決済への応用を検討しており、3メガバンクのステーブルコインとの連携も視野に入れる。
03/03 火曜日
18:00
3メガバンクが語る、AI活用とステーブルコインの展望|MoneyX2026
3メガバンクが金融の未来を議論。SMBCは500億円規模のAI投資を推進、みずほはバブル世代退職を見据えたDX加速を強調。ステーブルコインの規格統一やAIエージェント時代の法的課題も論点に上がった。
17:24
金融庁、仮想通貨「SANAE TOKEN」の違法性めぐり調査を検討か=報道
金融庁が仮想通貨「SANAE TOKEN」の関連業者への調査を検討していることが3日に判明。発行企業は必要な登録を行っておらず、高市首相本人も関与を全面否定している。
16:48
ステーブルコインで買い物する時代へ、3社が語るリテール実装の現在地|MoneyX2026
MoneyX2026でステーブルコインのリテール決済が議論された。Visa対応カード、羽田空港でのQRコード決済、手数料ゼロのウォレット決済など実装事例が報告され、通貨主権や普及戦略をめぐる議論が展開された。
16:17
ヘイズ氏、中東介入長期化なら金融緩和でビットコイン上昇の可能性と指摘
ヘイズ氏は中東介入の長期化が財政負担や景気不安を高め、FRBによる金融緩和を誘発する可能性があると分析。その結果、ドル流動性の拡大がビットコイン上昇につながるシナリオを示した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧