NEM財団理事長がCATトークンについてコメント
NEM財団の理事長を務めるAlex Tinsman氏は、新たなNEMブロックチェーンCatapultによる新通貨「CAT(仮)」の付与に関わる「オプトイン」・「オプトアウト」に関して、SNS上でコメントを行なった。理事長は、「オプトアウト方式」のほうがユーザーの通貨所有権の面で適していると考えていると発言した。
1/ My preference is opt-out because XEM holders view CAT tokens as their property & opt-out means a third party (trust) can’t hold anyone’s tokens without their consent. This is foundational to all crypto – if anyone is holding your coins for you, they aren’t your coins.
— Alex Tinsman (Inside NEM) (@Inside_NEM) November 4, 2019
「オプトイン」は9月のCatapultにおけるマイグレーション(チェーンの移行)の第一次発表で明かされたトークンの付与方案で、「オプトアウト」は、新たに提案された付与方式となる。
そもそも、「オプトイン」と「オプトアウト」とは何か、ネムの「マイグレーション委員会コミュニティ公式フォーラム」では、以下のように解説されている。
①オプトイン
従来のネム(XEM)所有者が、Catapultのローンチ前・後において、自主的にCATトークンを受ける意思表明を行うこと。オプトインを採決しない場合、CATトークンを受けないこととなる。
②オプトアウト
全てのXEM所有者が最初からCATトークンを付与される前提の選択肢だ。「オプトアウト」を自主的に選択することで、CATトークの付与を受け取らない表明が可能となる。のちに「オプトイン」に変更した場合も、CATトークンを受け取ることが可能。つまり、難しい条件面を加味しなくても全XEM所有者に新通貨付与が行われる状況がスタンダードになることを意味する。
マイグレーション委員会の発表によると、オプトイン・オプトアウトの二つの選択肢は、ネムの2つのブロックチェーン・トークンアロケーションのアプローチでのトークン付与方式であり、最終的には議論を重ねて1つのアプローチに絞ることが望ましいと考えているという。
理事長は「オプトアウト」に
最初にマイグレーション委員会からの提案された「オプトイン方式」は、取引所の判断によってユーザーが取引所でその機能を自主的に行う必要があるものだが、「オプトアウト」はスーパーノードグループおよびコミュニティ内の議論によって提案された新たな選択肢となる。
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Tinsman理事長は、ユーザーが独自に作成したオプトイン・オプトアウト図について、自身の見解を語った。
私の見解では、オプトアウトのほうが最も望ましい。
XEMの所有者がCATトークンを『自分の財産』と見なしているため、オプトアウトは、第三者企業(信託など)が所有者の同意がない限り、代わりに保管することを防ぐ方策にもなる。
その上で、「オプトインは、トークンが紛失するなど、第三者企業によるリスクをCATトークンの口座にもたらす可能性がある」と指摘した。
あくまでも理事長は「オプトイン」の利点を否定しているわけではなく、コミュニティとの「オープンな討論」の必要性を強調し、その中でオプトアウト方式が適していると述べた。
CATトークンに関する内容では、「NEMのすべてのデベロッパー・コミュニティ・ビジネスから支持を受ける位置付けであり、長期的には技術だけでなく、分散的技術に価値を与える人材や組織からも支持されると見込んでいる」とコメント。
オプトアウト方式では、コミュニティが、「誰も自分のコインに手を出す権利がない」との理念を確実に実現できるきっかけになり得ると、語った。
参考:Migration Committee Community Update #3.1 – Opt Out vs Opt In