- アジア圏で規制報道相次ぐ
- 中国は以前から取引所禁止は行なっていましたが、投資家は海外取引所やOTC取引で継続して取引を行なっていたため、今回の報道の影響は大きく、市場全体の時価総額のマイナスは37兆円規模となりました。
- ドミナンス(市場占有率)ではBTCとETHが上昇
- 市場全体で価格が暴落していますが、仮想通貨の中ではBTCとETHの下落率が他の通貨より低く、ドミナンス上では上昇傾向にあります。
アジア圏で規制報道相次ぐ
仮想通貨の大暴落から反発して回復を望む声も大きかったのですが、今回のアジアショックは想像以上の売り圧力となりました。
事の発端は韓国の法務部長官が突如言及した取引所閉鎖方案に関するものでしょう。
この発言は、法務部が独自に行なったものだとした上で、韓国政府の公式見解として『禁止はせず、不法取引などを適正な形で対処するために法整備を進める』と発表しました。
しかし韓国市場が圧倒的なプレミア市場(世界平均価格からの乖離が見受けられる市場)であるため、世界価格を押し上げる存在であったことから法務部の発言の影響力は絶大なものでした。
この法務部の発言に対する韓国政府の公式見解に市場が安堵した直後、市場の回復を待たずに、中国政府の禁止事項強化の報道が行われた事で、価格下落に拍車をかけた形となりました。
しかしこれらのネガティブニュースは、中国の禁止強化で止まらず、本日も多くの報道が仮想通貨市場を駆け巡っています。
連続して続くものなのか、もしくは政府間の動きが裏で繋がっていて行われているのかはわかりませんが、今年に入ってからより各政府もしくはアメリカの各州の動きが活発になっている印象を受けます。
本日の大きなニュースとしては、仮想通貨時価総額20位に入っていたビットコネクト(BCC)を提供していた取引所が、米テキサスとノースカロライナ州から停止通告書を受け、取引所の閉鎖と貸付業務停止を行うと発表しました。
この発表と、仮想通貨市場の下落の影響を合わせて受けた形となり、約94%の下落を記録し、大暴落となりました。
仮想通貨市場の推移
市場全体の時価総額の推移として、最高値を更新した1月7日の約8300億USD(約92兆円)から本日の約5000億USD(約55兆円)で約41%の下落を記録、今回の暴落で仮想通貨市場から抜けたお金は日本円換算で約37兆円となりました。
時価総額を基準にした市場占有率(ドミナンス)を見ると下落率の比較を行うことができます。
この大暴落が市場全体で起こっている中、ビットコインとイーサリアムは比較的他の通貨の下落率より低いことからも、ドミナンス自体は上昇していることがわかります。
オレンジ:BTC /グレー:主要通貨以外の通貨 /濃い青:ETH
市場全体から抜けているお金が多い中でも、多くの取引所で基軸通貨とされるビットコインやイーサリアムに移動する動きが起こっていることがわかります。
ビットコインのドミナンスに関しては、XRP(リップル)が大幅な高騰を記録し時価総額がビットコインの2分の1になるまで成長を遂げた時点で、過去最低値(32%台)を記録しています。
現在でもビットコインと他のアルトコインの格差は縮まって来ていますが、このような暴落時には価格が下がっている中でも基軸として採用される通貨が強い傾向にあることが見て取れます。
今後の市場
このような市場全体の下落は今までも数多く起こっており、人によっては冷静に市場を分析し投資に向けて動いている人も多いかもしれません。
新規投資家の参入が相次いでいた時期での大暴落は、今後にも影響が懸念されますが、現在起こっている各国の規制は仮想通貨市場の発展には必要な事であり、不正取引やマネーロンダリングの排除は世界規模での課題と言えます。
4月のG20の会議は世界規模の仮想通貨規制の話し合いの場として注目されていますが、それまでに各国で独自の法整備はより正確な形で行われていくのではないかと予想されています。