ブロックチェーンゲーム「コントラクトサーヴァント」開発企業にインタビュー
今回はブロックチェーンゲーム「コントラクトサーヴァント」の開発を手がけるアクセルマーク株式会社の代表を務める尾下 順治氏と、ゲームプロデューサーの田中 和之氏に、ブロックチェーンゲーム業界になぜ参入したのか、その課題や展望についてインタビューを行なった。
アクセルマーク株式会社は、スマホ向けゲームの企画・開発・運営を展開するゲーム事業、アドネットワークを始めとした広告サービスを提供する広告事業、オンラインくじサービスを始めとしたサービスを提供するand Experience事業を展開しており、2008年に東証マザーズ上場。
これまでソーシャルゲーム事業を行なってきた上場企業が考えるゲーム業界の現状とブロックチェーンゲームの可能性を伺った。
既存のゲーム業界の変化とは
尾下氏)これまでのゲーム業界について、ソーシャルゲームはモバゲーやグリーなどが国内の市場を奪いあう状況が続いてきました。ところが気付いた時には海外の巨大なゲーム企業が続々生まれ、日本市場を狙っている状態です。
いわば日本のソーシャルゲーム企業は「進撃の巨人」でいう壁に囲まれた人間たちで、ある日ふと気付いたら壁の向こうから巨人が中を覗いているような状況です。
その中でゲームの未来というものを考えた時、ブロックチェーン×ゲームという領域に非常に可能性を感じて2年ほど前から取り組んできました。
田中氏)これまでゲーム業界には7年ほど関わってきました。ブロックチェーンゲームに関しては、1年半ほど前から本格的に取り組んでおり、初期のブロックチェーンゲームはスキャムが多かったり、まともにゲームとよべるようなものではない作品が多く、これでは市場が全然大きくならないのも当然かなという印象を持ちました。
そうした視点もあり、ブロックチェーンゲームに取り組むからには、まだブロックチェーンゲームを知らないユーザーや、これから興味を持って行って参入したいというユーザーに対し、ゲーム性の高い本物のブロックチェーンゲームを提供したいと思い取り組んでいます。
既存のゲーム業界からみて、DAppsゲームはどのような立ち位置か?
尾下氏)正直なところ、今のところ本当に分散化を実現したDAppsは無いと考えています。僕らも実用に耐えるブロックチェーンが無いということで、初めの頃からアセットの管理の部分でブロックチェーンを使う形を採用しています。
スマホゲーム業界は中国を筆頭にグローバルな競争が激化しており、次の市場を探す時期になっています。その中でグーグルのStadiaのようなクラウドゲーミングとブロックチェーンゲームには特に注目が集まっています。
今のオンラインゲームはF2P(Free to play:無料で遊び始められるゲーム)がほとんどで、その中でユーザーは課金をしてアイテムを購入するが、それは買ったつもりに過ぎず、あくまでゲーム会社が持っているものなので、ゲームがある日突然終了すれば手に入れたはずのアイテムや時間、情熱は取り上げられてしまうという感覚になります。
この課題を解決するためにブロックチェーンが必要になり、同時にブロックチェーンを使う理由でもあると考えています。ゲームを提供する会社が未来永劫ゲーム内のアイテムの保全を約束するというのは不可能だが、今自分たちの使っているイーサリアムブロックチェーンであれば、仮にゲームはなくなったとしても、そのアイテムを持っていた事実は未来永劫残すことができます。
NFTとIPホルダー
これまで「幽遊白書」や「キングダム」といったIPホルダー(ゲームやアニメのタイトルやキャラクターなどの知的財産所有者)と共にソーシャルゲームを産み出してきた経験からブロックチェーンゲームへのIPホルダーの参入の可能性やリスクなどを伺った。
IPホルダーとのコラボの可能性
尾下氏)IPホルダーのビジネスモデルで考えると、彼らがイノベーティブである必要性はあまりないと考えていますが、ユーザーとのエンゲージメントを高めるために、所有権をもってもらうような構造を作っていくなどは十分あるのかなと思っています。
これから新しく生み出されるIPとか、それらがブロックチェーンゲームファーストでIP化していくというのは十分あるのかなと考えていますが、やはり少し時間がかかると思います。
まだ法令でも明確に決まっているわけではなく、スキャムとちゃんとしたプロジェクトの見分けがつきづらいため、いまはIPがスキャムのツールとして使われてしまうリスクが高い状況です。この状況でIPホルダーがわざわざリスクを犯してくるというのは、まだ時期尚早なのかなと思います。
ただ新しいコンテンツの歴史って常に同じだと思っていて、F2Pのゲームも初めは、あんなのゲームじゃないとか、あんなビジネスモデルに100万も200万も使える構造はどうかと思うと言われていましたが、いま当たり前のようにIPホルダーが始めているといった状況なので、時間の問題なのかなと思っています。
ゲーム×投資
NFTの登場により、急速に拡大したゲームによる投資市場とプレイヤー。これらはゲーム業界に何をもたらし、またどんな課題があるのか、アクセルマーク社として挑む解決策を伺った。
ゲーム×投資は何を生み出すのか
尾下氏)ゲームでお金を稼ぐ手段が増えることで、ゲームを軸とした職業が生まれていくと考えています。今のゲームは勝ち抜いた一握りのプロゲーマーだけが食っていける世界だが、ゲームに関わることでお金を稼ぐ手段が当たり前になれば、ゲームに関係する職業というものの裾野を広げることができるのではないかと考えています。
どのような課題があるのか、どのように解決するのか
尾下氏)今はイノベーターやアーリーアダプターがユーザーのメイン層になっていますが、ここから如何にマジョリティ層に、大衆化を進めていくかは、すごく大事で、僕らが超えていく必要があり、解決していく必要があるところだと考えています。
より具体的にはウォレットと投資の2面で課題があります。
ウォレットに関しては、仕組みを理解しインストールしてもらうというハードルをいかに低くするかという課題があります。これに対してはウォレットアプリとDAppsを融合したり、あるいはLINEのようなプラットフォームからゲームにログインできれば、ウォレットの存在を意識せずに遊べるので大衆化が一気に進むと考えています。
投資に関してはさらに3つあり、まず、NFT(ノンファンジブルトークン)を既存の投資対象と同じように捉えてくれるかが大事で、投資の対象としてはアート作品の売買に近いものになります。アートの世界では誰が持っていたとか、その来歴(物語)が重要になり、NFTも例えば「俺のこのカードってあの伝説のプレイヤーが第1回大会でデッキに入れて勝ったあのカードなんだぜ」みたいなのが出てくるとゲーム内のアイテムを超えた価値が出るのでは無いかと考えています。
次に不動産であれば土地を貸し出せるように、自分の持っているカードをレンタルに出すことよって、お金を得ることができるみたいなこれまでの投資対象と同じように資産である、ということを強く理解してもらう必要があります。
最後に、情報の非対称性をなくすことがとても大事です。直近でリリースした「アセットアナライザー」では、過去の取引や値段の推移を可視化して一般の人が簡単にブロックチェーンに刻まれた情報を見れるようにしており、これにより大衆化は進むと思っています。
プレセールに関して
12月5日に発表された最新情報にてプレセールの詳細が明らかになった。決済仮想通貨はイーサリアム(ETH)を予定されており、日程は下記の通りだ。
プレセール期間:2019年12月18日(水)15:00〜2019年12月27日(金)15:00まで
プレセールの詳細
田中氏)プレセールはダッチオークション形式で行います。Mediumの方でも枚数等はお知らせしていますが、最終的調整した上で後日発表したいと思っています。
プレセールでは、プレセールでしか購入できないカードをレジェンダリー3種、エピック4種、レア5種という風に販売する予定です。
また、プレセールに参加されると抽選でエピックサーヴァントの「ジル」や、ゲーム内のアバターと交換できるチケットがもらえるキャンペーンも行う予定です。
再販はないので、その場でしか購入できない限定のカードとなっています。
『コントラクトサーヴァント』(略称:コンサヴァ)
ブロックチェーンゲームである『コンサヴァ』は、これまでにない”デッキ戦略”と、サーヴァントと呼ばれるカードの真の価値を見抜く“目利き”がユーザーに求められる陣形タクティカルバトルゲームです。
市場に存在するサーヴァントは全て異なる性質を持ち、同じステータスのサーヴァントは一つとして存在しません。ユーザーは選び抜いた8枚のカードでデッキを構成しバトルに備えます。その組み合わせは1兆2554億通り以上。
公式サイト: https://cscg.jp
Twitter: https://twitter.com/CSCG_JP
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCo6FpXC0RP6U0LRjx-ObxjQ
Discord: https://discordapp.com/invite/5yKwtnH
Medium: https://medium.com/contract-servant