はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

テザーの通貨発行とビットコインの価格上昇には相関関係がない?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインの価格操作で揺れるテザー疑惑
法定通貨と同じ為替変動をする通貨として広く取引に利用されているドルペッグ通貨のテザーについて、発行元の米ドルによる裏付けがないとの疑惑が飛び交っています。匿名レポート『The Tether Report』では、テザーが発行されることによりビットコインの価格が急騰するという主張について統計的な記述がなされています。
テザーの発行数とビットコイン価格上昇の相関係数
University of Groningenに在籍するデータサイエンティストの研究によって、ビットコイン価格上昇とテザーの発行数の相関係数が調べられ、「両者の間には何の相関も見られない」という研究結果が得られました。

「1USDT=1ドル」の固定レートのもと、法定通貨と同じ為替変動をする通貨として広く取引に利用されているドルペッグ通貨のテザー(Tether、USDT)について、「発行元の米ドルによる裏付けがない」との疑惑が飛び交っています。

さらに、匿名のツイッターユーザーや、有志による匿名レポートによって、テザーの発行とビットコイン価格の連動性について、多くの議論がなされています

しかし、University of Groningenの博士過程に在籍する学生が、自身の行なった統計解析に基づき「テザーの発行とビットコイン価格には関連がない」と主張しました。

統計的視点から見るテザー発行とビットコイン価格の関連性

2月3日、University of Groningenに在籍するデータサイエンティストのOleksandr Ivanov氏によって、テザー発行とビットコイン値の関係性を統計的な観点から考察した論文が発表されました

多くの投資家が、テザーの発行とビットコインの価格上昇には何らかの関連性があり、昨年のビットコイン高騰の陰には、テザー発行源による「価格操作の思惑」が隠れていると考えています。

また、匿名レポートの『The Tether Report』では、テザーが発行されることによりビットコインの価格が急騰するという主張について統計的な記述がなされていました。

しかしIvanov氏は、いかなる場合でも、その相関性はゼロに近いだろうと主張しています。

私は、この疑問に統計的な視点からアプローチしました。

もしテザーによる価格操作説が正しければ、同時期におけるテザー発行数の変化とビットコイン価格の変化に「正の相関」がなければならないでしょう。

と彼は分析しています。

2017年のビットコイン価格変動率の推移

2017年のテザー発行数増加率の推移

テザーの発行数とビットコイン価格の変化には相関が見られない?

Ivanov氏は、Coinmarketcapのサイトから2017年のビットコイン価格とテザー発行数の推移データを引用しました。

このデータから、ビットコイン価格の変化率と、テザー発行数の変化率を日ごとに計算しました

次に、ビットコインの日毎の価格変化率を縦軸に、テザー発行数の日毎の増加率を横軸にプロットし、グラフを作成しました。

すると、多くの点が原点付近に密集し、テザー発行数が大幅に増加した日に対応する少数の点がプロットエリアの右側にまばらに散見する傾向が得られました

面白いことに、多くの点がビットコイン価格変化率についてゼロ以下のところに分布していることがわかります。

以上のデータについて回帰分析を行ったところ、ビットコインの日毎の価格変化率とテザー発行数の日毎の増加率の相関係数は-0.17168と計算されました。

さらに、p値(その統計数値の優位性を示す数値。値が大きいほどその統計指標の信頼性が低くなる)は0.001と求められ、統計的な優位性も実証されています。

ゆえに、「ビットコインの日毎の価格変化率とテザー発行数の日毎の増加率には、相関が見られない」とIvanov氏は結論づけました。

Ivanov氏はさらに、テザー発行数とビットコイン価格の関係について、変化区間をさらに長く取り、同様に相関係数を計算しました

相関係数はいずれのケースにおいても0に近い値が求まり、彼の研究結果は「ビットコイン価格上昇とテザーの発行数間には何の相関も見られない」という意見を支持する結果となりました

ただし、Ivanov氏は彼のデータがテザーによる価格操作の否定を決定づけるには至らないとも述べています。

Study Finds Little Correlation Between Tether Printing and Bitcoin’s Price

February 5,2018

参考記事はこちらから

画像引用元:Forklog by Oleksandr Ivanov

ビットコインニュース一覧
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/03 水曜日
17:03
XRP ETF、13取引日で8億ドル(約1240億円)到達 仮想通貨史上2番目の速さ
XRP現物ETFが上場13日で8億ドル超の流入を達成し、ビットコインETFに次ぐ史上2番目の速さを記録。ソラナETFを大きく上回るペースで、アナリストは最大1兆円超の市場規模を予測。
16:25
バイナンス(海外)、15種類の現物取引ペアを停止へ 12月5日実施
バイナンス(海外)は流動性レビューに基づき、12月5日に現物取引ペア15種を停止すると発表。停止は特定ペアのみで、対象トークンの上場廃止を意味しない。取引ボットも同時に終了予定。
15:14
ゲンスラー前SEC委員長「仮想通貨は投機的」 ビットコイン除く全トークンに警告
ゲンスラー前SEC委員長がブルームバーグのインタビューで、ビットコインを除くすべての仮想通貨を「極めて投機的」と評価。退任後も投資家保護の重要性を強調し、規制の観点からビットコインのみをコモディティとして区別する姿勢を維持している。
15:00
HashPortウォレット、Pontaポイントでステーブルコインの購入が可能に
HashPortは12月1日、HashPort WalletでPontaポイントをBase上のUSDCやcbBTCに交換できる「オンランプ」機能と、暗号資産をau PAYギフトカードに変換する「オフランプ」機能を開始した。
13:40
カルシが米CNNの公式パートナーに、予測市場のリアルタイムデータを報道に統合
米予測市場プラットフォームのカルシがCNNと提携し公式予測市場パートナーになった。カルシのリアルタイムデータがCNN番組全体に統合され、政治的・文化的イベントの確率情報を報道に活用する。ソラナ上でのトークン化予測市場も開始した。
12:45
ストラテジーCEO「米ドル準備金でビットコイン売却回避」、配当戦略を語る
米ストラテジー社CEOが今後の準備金や配当戦略を詳細に説明した。米ドル準備金で当面の配当資金を確保し、ビットコイン売却を回避する。レンディング参入の可能性も示唆した。
12:14
イーロンの「Xマネー」決済システム開発で人材募集 ソラナが支援表明
イーロン・マスク氏のX Moneyが決済プラットフォームの技術責任者を募集。ソラナが協力を表明し、仮想通貨統合の可能性に注目が集まる。WeChat型スーパーアプリ実現への動きを解説。
10:32
「資産トークン化が金融のあり方を変革」ブラックロックのフィンクCEOらが論説
ブラックロックのフィンクCEOらが現実資産(RWA)トークン化の可能性を様々な観点から解説した。トークン化の2つの大きな利点や規制当局の役割などにも言及している。
10:15
Trust Wallet、予測市場へのアクセス機能をローンチ
仮想通貨ウォレットのTrust Walletは、予測市場にアクセスできる機能をローンチ。まずはMyriad、ポリマーケット、カルシの3つの予測市場に対応する。
09:49
クラーケン、Backed買収 米国株のトークン化取引を拡大
仮想通貨取引所クラーケンがスイスのBacked Finance買収を発表。トークン化株式サービス「xStocks」は半年で取引高100億ドルを突破。RWA市場は2028年に2兆ドル規模へ成長見込み。
07:25
欧州10銀行がユーロ連動ステーブルコイン発行へ、2026年後半に開始予定
INGやBNPパリバなど欧州10銀行がユーロ連動ステーブルコイン発行を計画中。新会社キバリスを設立し2026年後半の発行を目指す。
07:15
バンカメ「資産管理サービスの顧客は仮想通貨投資を検討すべき」
バンク・オブ・アメリカは、資産管理サービスの顧客に対しポートフォリオの最大4%を仮想通貨などのデジタル資産に配分するように推奨していることがわかった。ビットコイン現物ETFも投資対象にする計画だ。
06:45
トム・リーのビットマインが継続的にイーサリアムを押し目買い、3日間で110億円相当
ビットマインが市場下落局面でも3日間に110億円相当のイーサリアムを追加購入した。同社は約373万ETHを保有し総供給量5%保有の目標に向け62%まで進捗。
06:25
米CME、ビットコインの恐怖指数VIXなどの新ベンチマークを導入
米CMEがビットコイン、イーサリアム、ソラナ、XRPを対象とした仮想通貨ベンチマーク指数を導入した。ビットコインのボラティリティを追跡する指数は株式市場のVIXに相当し、機関投資家のリスク管理ツールとなる。
05:55
チェーンリンク初の現物ETFがNYSEで取引開始、グレースケール「GLNK」
仮想通貨チェーンリンクの初の現物ETFが3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始した。グレースケールがGLNKとして上場し運用資産は1700万ドル超となっている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧