はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

国連組織UN Womenが人道支援の為のブロックチェーン技術コンペを開催

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

国連でも注目されるブロックチェーン
今週、UN Womenは国際連合本部にてブロックチェーンの「技術コンペ」を開催。身分証明や送金に関して、参加者からさまざまな解決案が示されました。
身分証明や資金支援での活用
ブロックチェーンによる身分証明を行うことで、人身売買や行方不明者の問題解決を目指しており、人道支援の際に、金融機関を介さずブロックチェーンによる直接送金を行うことで、「コストを98%削減」できると言及されています。

ブロックチェーンに期待される重要な役割

「UN Women」は今週、国際連合本部にてブロックチェーンの「技術のコンペ」を開催。参加者は、UN Womenが掲げている構想に協力するため、さまざまな解決案を提示しました。

世界中の人々が、仮想通貨の本質や機能に対して夢中になる中、国際連合は、ブロックチェーンを使用した人道的な側面で、世界中の人々を救う第一歩を踏み出しています。

食糧難の国や、被災国への援助で飢餓のない世界を目指す「国際連合世界食糧計画」から「国際連合情報通信技術局」まで、いくつかの国連組織がブロックチェーン技術を使用することで、どのようにして各課題を解決できるか模索し続けています。

女性の人権問題

なかでも国際連合組織の一つである『UN Women』は、ブロックチェーンを使用することでの女性に対する暴力の撤廃など、人権獲得に向けて精力的に活動しています。

これは決して理想主義だけで行動してるわけではなく、もっと現実的に「女性の人道的な権利の獲得」こそが、世界的な発展の原動力になると考えているのです。

現在も、世界各地の女性や少女が危機的状況にさらされており、実際に被害を受けている状況も特筆すべきことではありますが、UN Womenのブロックチェーン計画には、さらなる理由が込められています。

ブロックチェーンと人道主義

またUN Womenは、今後想定される世界情勢のシナリオで、国連による「2030年までのロードマップ」のなかで、ブロックチェーン技術が決め手になり得るかについて言及しました。

国際連合にはいくつかの内部組織がありますが、その中でも「UN Women」は、21世紀になってから設立された唯一の組織です。

彼らの任務は時代に即したものであり、危機的状況にある女性及び、少女に人権を獲得させることを通じて、より広義的な目標である「飢餓や貧困の根絶」に向けて、第一歩を踏み出すことを目的としています。

UN Womenにて、事務次長補及び、政策・プログラム担当事務局長を兼任する「Yannick Glemarec」氏(以下、Glemarec氏)は、今週行われたUN Womenのブロックチェーンシュミレーションラボの開会の挨拶にて、その事実を示唆しました。

氏によると、UN Womenは国連による「2030年ロードマップ」策定に向けた前提条件として、「男女平等を高める必要性」と「男女平等の認知」という”2つの認識”を目的としているとのことです。

35ページで構成されている計画書の中では、女性の権利及び、男女平等に対する懸念について、実に30回以上も言及されています。

計画の中では、以下のように記述されています。

「男女平等や女性及び、少女の権利獲得は、全ての目標において非常に重要な役割を担っています。

人類の可能性を最大限に発揮し、持続的発展を追求するためには、人類の半分を占める女性が、権利や機会を満足に受けられなければ成し得ることはできません。

よって、全ての女性は男性と同等の「教育/経済的資源/政治参加」の権利を受けるべきであり、いかなる場合でも、「雇用/リーダーシップ/意思決定」においても同等の扱いを享受できなければなりません。

私たちは、男女格差を無くすため積極的な投資を行い、男女平等に取り組む機関をサポートし、「世界/地域/国家」レベルで女性の権利獲得に取り組みます。

そして、男性及び、少年が関与するものも含む、女性及び、少女に対する全ての差別及び、暴力行為をなくします。性別的な観点を体系的に計画に組み込む事は非常に重要なのです。」

つまり国際連合は、「女性の権利獲得によって、人道主義に反する懸念が大幅に緩和、あるいは完全撤廃されるのではないか」という仮説を検証しているのです。

UN Womenによる研究

UN Womenの人道的危機対応を指揮している「Caroline Rusten」氏は、ETHNewsに対して以下のように述べました。

「これは販売会社及び、国際連合にとって、重要な学びの場であり、ネットワークイベントでもあります。

そして、私たちが人道的背景においての解決策を探す一つの方法でもあり、提供者をイベントに招待することで、さまざまな解決方法のドライテストを行うこともできるのです。」

このシュミレーションラボで提示された解決策は全てブロックチェーン関連のものであり、「身分証明や送金に関する解決策」がメインでした。

身分証明とブロックチェーン

国際情報通信技術局の事務局長である「Atefeh Riazi」氏は、なぜ国際連合が「身分証明」に焦点を当てているかについて、次のように言及しました。

「技術者としてブロックチェーン技術を見ると、身分の証明を保証することができるのです。」

「もしあなたが国籍不明の難民だったとしても、所在を問わず”身分証明”を携行することが出来るようになります。」

これは、テクノロジーが長い間、民間で使用されていたことを考慮すると、非常に画期的な出来事です。インターネットの登場で、情報共有スピードを爆発的に普及させることが出来ましたが、ブロックチェーンは、価値の共有に重点を置いているのです。

実際、身分証類をブロックチェーン上に保管するような人道的シナリオでは、身分だけでなく、資格情報やスキルについても恒久的に証明することができるようになります。さらに、『生体認証』をブロックチェーンのシステムにスキャンしておくことで、行方不明者や人身売買された女性を特定することができるため、数多くの女性移民者が悩んでいる悲惨な状況を緩和させることができるでしょう。

送金とブロックチェーン

国際連合世界食糧計画(以下、WFP)のイノベーション推進者であるJames Green氏(以下、Green氏)は、身分証明に次いで、国際連合という組織の解決策が現金にシフトしていることに対して意見を述べています。

「私たちのブロックチェーンプロジェクトは、”基盤作り”と呼ばれている。」と述べ、「WFPによる現金送金方法が変化し始めた」と語りました。

Green氏によると、WFPは人道的支援や地域経済の発展のため「$10億を送金」したと述べています。

伝統的な”食品支援”は、どうしても腐敗や盗難のリスクがありました。Green氏は、「金融機関を介さず、必要な人にブロックチェーンで送金することで、実に98%ものコスト削減に繋がった」と語りました。

さらに、送金されたお金は、盗難の心配もなく、WFPによって認可された場所でしか使用できないため、遠隔の地に堅牢なマクロ経済を自立させ、個人を国際市場に結び付けることに役立つのです。

総括

国際連合及びUN Womenは、正しい道を歩んでいると考えています。

「男女平等」の思想は、人々にとって当然の権利ではなく、望むべく理想であり、理解されるべき自然の道理なのです。

その本質を追求することによって、本当の意味での「男女平等」が実現され、社会的・経済的な可能性を秘めていると考えています。

高度に発達した商業から、発展途上の農村に至るまで、ブロックチェーンは「人々の信頼の在り方」を再定義しようとしています。もし、ブロックチェーンが21世紀にかけて確固たる地位を確立し、国連Womenも批判しようがないところまで発展した未来があったとしたら、「世界が人間性を再定義し、活性化させるための革命が目前にある」と言っても過言ではありません。

2018年のテーマ

UN Womenは、3月8日に世界中の人々と国際女性デー(International Women’s Day)を祝う予定で、2018年のテーマは「今こそ行動を:女性の生活を向上させるために農山漁村及び、都市部で活躍する活動家たち(“Time is Now: Rural and urban activists transforming women’s lives”)」としています。

UN Women, The Blockchain, And The Future of Humanitarianism

Feb 3, 2018 by Jordan Daniell

参考記事はこちらから
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/03 木曜日
12:04
ビットコイン反発で11万ドルに接近、Bitfinex分析ではQ3の季節性要因を警戒
仮想通貨取引所ビットコインは前日比+2.6%の108,733ドルまで上昇。Bitfinexレポートによると、4月安値から50%反発後は10-11万ドルのレンジ相場に移行し、第3四半期の季節性要因で平均リターン6%の「最弱四半期」を警戒する。一方、米国初のソラナステーキングETFが取引開始し初日3,300万ドルの好調なスタートを記録。
09:50
「ビットコイン保有者の大多数が含み益、HODLが主流に」Glassnode分析
Glassnodeの週次レポートによると、仮想通貨ビットコイン投資家の大多数が含み益状態で、長期保有(HODL)が市場の主要メカニズムになっている。
09:31
米SIFMA、証券トークン化の規制作りでSECに要望書簡送付
米SIFMAはSECに対し、RWAに分類される株などの証券のトークン化に対する規制整備について提案を行った。オープンで透明性の高いプロセスを通して、ルールを作るべきだと主張している。
08:55
米テック富豪ら、仮想通貨向け銀行「Erebor」設立を計画=報道
ピーター・ティール氏らテック投資家が仮想通貨企業向け銀行Erebor設立を計画。全米銀行免許を申請、シリコンバレー銀行の後継を目指す。
08:20
米上場の中国系アパレル企業アデンタックス、ビットコインを最大12000BTC買収へ
ナスダック上場の中国系企業Addentaxが最大1万2000BTCの買収で基本合意。約13億ドル相当を株式交換で取得予定、5月発表の8000BTCから規模拡大。
07:55
ブラックロックのIBIT、手数料収入が「S&P500ETF」超え
ブラックロックの仮想通貨ビットコインの現物ETF「IBIT」は、同社のS&P500のETFよりも手数料収入を生み出していることがわかった。IBITはビットコインETFの資金フローを主導している。
07:30
ドル指数が2022年以来の安値に、ビットコインや金に与える影響と今後の見通し=Cryptoquant分析
Cryptoquantが2日に発表した分析によると、ドル指数が2022年来安値を記録する中、ビットコインは膠着状態が続く。長期保有者の含み益減少も指摘。
06:55
ビットコイン、2025年後半に20万ドル到達目標を維持=スタンダードチャータード銀
スタンダードチャータード銀行のケンドリック氏がビットコイン20万ドル予測を維持。ETFや企業購入の拡大により2025年後半に史上最大の上昇を見込むか。
06:10
リップル、米国銀行ライセンス申請 サークルに続く動き
リップルが米通貨監督庁に国家銀行免許を申請。RLUSDステーブルコイン規制対象化とサークルとの競争激化が注目される。
05:50
オープンAI、ロビンフッドの株式トークン化サービスとの提携を否定 未承認でトークン発行か
OpenAIがロビンフッドの株式トークンサービスへの関与を公式否定。未上場企業トークン化における先買権問題が浮き彫りに。
05:35
米SEC、BTCやXRP投資のグレースケール仮想通貨投信のETF転換承認を再検討
米証券取引委員会がグレースケールの仮想通貨信託「Digital Large Cap Fund」のETF転換承認決定を再検討。NYSE Arca上場承認が一時停止状態に。
04:24
仮想通貨のサイバー攻撃にどう備える?|実例から学ぶ取引所の対策と自己防衛法
暗号資産のサイバー攻撃リスクと、取引所のセキュリティ対策、個人で実践できる防衛策を初心者向けにわかりやすく解説します。
07/02 水曜日
18:40
BITPOINT、カルダノ(ADA)保有者向けNIGHTエアドロップを検討開始 
ビットポイントジャパンがMidnight財団と国内初連携。カルダノ(ADA)保有者やステーキング参加者に「NIGHT」トークンのエアドロップ参加機会を提供。2025年7月開始予定の「Glacier Drop」メカニズムの詳細と参加条件を解説。
13:45
トランプ大統領、イーロン・マスクに対する批判を再び展開、 『大きく美しい法案』巡る対立が再燃
「大きく美しい法案」をめぐり、トランプ大統領とイーロン・マスク氏の対立が再燃している。マスク氏の痛烈な法案批判に対し、トランプ氏は、マスク氏が率いる企業の政府補助金受給について政府効率化局(DOGE)で調査すべきと発言し、かつて盟友だった両氏の関係は緊迫感を増している。
13:20
アリゾナ州知事、押収仮想通貨の準備基金法案『HB2324』を拒否権行使
アリゾナのホブズ知事が犯罪捜査で押収した仮想通貨管理法案を拒否。地方自治体の協力阻害を懸念と声明。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧