相場の盛り上がりに連動
国内暗号資産取引所のTAOTAOは、2019年5月から今年3月までの取引所の各種データを公開した。ここ数か月の相場の変動幅からか、口座数、取引量などは伸び率が加速、各データに関しても3月の価格急変の影響が色濃く出る結果となった。
まず、取引口座数は3月までで、累計が7000口座を超えた。この数値は開業以来、取引を一度でも行ったアクティブな口座数を示している。それに伴い、レバレッジ取引、現物取引を合計した出来高は、3月までの累計が5544億円になり、5000億円を突破したという。
現物、レバレッジ取引別
特にレバレッジ取引に関しては、今年2月に単月で取引額が1000億円を初めて超える結果となった。
レバレッジ取引とは自身の証拠金をもとに、その何倍か(TAOTAOでは4倍)の規模で取引を行うもの。必要な資金に対し大きな利益を狙えることから人気の取引方法となっている。
なお、3月は700億円台にとどまったが、CEOの荒川氏によると、3月中頃の相場急落後に取引がかなり減少したとのことだ。レバレッジ取引の未決済建玉(OI)も2月をピークにして、3月は昨年9月以来となる9億円以下にまで減少していた。
レバレッジ取引と比べると出来高は低いものの、現物取引に関しても出来高は順調に拡大し、昨年12月の1億円から今年3月で9億円と、9倍の伸びをしめしている。
レバレッジ取引口座の損益状況を公開
TAOTAOは本レポートでレバレッジ取引の損益状況についてのグラフも公開した。今年3月で、利益が出ている口座は全体の18.9%となり、793口座で利益が出ている状態となっている。
また、利益を出している口座はグラフ中で概ね16~25%程度を推移しており、高いリスクを伴うレバレッジ取引では、大多数が損を抱えている実態が改めて示された。
データはレバレッジ取引を行った口座に対し、既に決済された実現損益と、未決済の建玉の評価損益を加えたものになる。
レバレッジ取引での損益状況を推測する情報などはこれまでにも例があるが、取引所側が確実なデータとして顧客の損益状況を公開するのは、非常に珍しい試みといえる。
参考:TAOTAO