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「中銀デジタル通貨はデジタル株式への布石」中国の証券規制当局元トップが見据える未来

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル資本市場の発展とは

中国の証券監督管理委員会(証監会、CSRC)の元トップである肖 鋼(Xiao Gang)氏は、著作の中で、デジタル通貨の自然な産物として将来的にデジタル株式というものが考えられると、自身の見解を明かした。

著作「China capital market reforms(中国資本市場改革)」において、鋼氏は一貫して資本市場の急変とそれに伴う規制変更の必要性を訴えている。

それによれば、中国の証券会社はITへの投資が不足しており、ITソリューションをITジャイアントに頼っているという現状がある。

一方で、デジタル通貨への研究が世界的に進む中で、今後予想されるのは、現在では管理する機関も異なる通貨と株式の境界線が今後は曖昧なものになっていくということだと鋼氏は述べた。

より具体的にはプログラム可能なデジタル通貨が、デジタル株式の発行機能を備えていくということを意味する。

例えば、仮想通貨の一つであるイーサリアムは、価値の支払い手段として普段の買い物などに使用することも可能だが、一方では、有価証券のデジタル化(STO)のためのプラットフォームとして見ることもできる。

イーサリアムのような、既存の枠組みで捉えがたい概念が中銀デジタル通貨(CBDC)の分野においても浸透していくとみられる。

DVPの即時決済という観点

デジタル通貨と証券については、DVPの即時決済実現に必要となるという議論も存在する。DVP(Delivery Versus Payment)とは、証券決済において証券の引き渡しとその支払いを相互確証的に行うことをいう。代金が支払われても証券が渡されないといったことを防ぐ目的がある。

ショッピングサイトにおけるエクスロー制度も似たような考えの制度といえる。エクスロー制度では、支払われた代金をサイト側が一時的に預かる(この点でDVPとは違いがある)。

そして、消費者に購入した商品が届くことで初めて販売者にも代金が届けられる。こちらもDVPと同様に、代金を支払っても商品が届かないといった詐欺を防ぐ仕組みだ。

つまり、デジタル株式が実現したとしても、通貨がアナログな状態では、代金を管理する信用される第三者的な存在が必要となってくるが、デジタル通貨を用意してブロックチェーン上で行えば、第三者は必要ない。

必然的にデジタル通貨(通貨をデジタル化すること)への需要が出てくることになる。株式と仮想通貨の間でアトミックスワップが実現すれば、効率性などでメリットがあると考えられる。

新たな規制が必要

鋼氏はまた、株式の発行や決済などがデジタルで行われるデジタル資本市場において、新たな規制枠組みが必要となるとした。

それによると、従来の規制は定性的で文書による形式だったが、市場の発展に対応するため、規制の自動化が必要だとする。

具体的には、従来の規制ロジックをスマートコントラクトへと翻訳し、リアルタイムで株式の取引ネットワークに導入することで、違法な取引などの監視を自動化するということになる。

これによって、コスト削減の効果や、市場の急速な発達にも対応できるようになることが期待される。

肖 鋼氏は、ついこの前にも第19回中国金融40フォーラムの講演の中で、仮想通貨を含めたデジタル資本市場の発展を前にして、現在の規制では対処できず、デジタル改革を行っていく必要があるとの発言を行っていた。

なお、同氏の務めた証券監督管理委員会(証監会)の主席は中国政府の中でも昇進が期待される重要なポストとされる。

参考:eeo.com.cn

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