はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインの採掘シェア、中国は5割に留まるか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

中国が5割のシェア

フィンテック企業のBitOodaがビットコインのマイニングに関するレポートを公開した。

それによると、中国はビットコインのマイニング産業において全世界で50%のシェアを保持している。BitOodaがフィデリティの応用技術センター(FCAT)から依頼を受けて作成したレポートは50ページにもおよぶ詳細な分析をしている。

レポートの1章では、ビットコインの半減期前後におけるハッシュレート推移より、ビットコインのマイニング産業は、合計で9.6GWにアクセスできるとの推定を得た。1GWは100万kWにあたる。

なお、推定は半減期の訪れで稼働を停止したマイニング機器をS9(旧世代)クラス、稼働し続けているマイニング装置をS17(現世代)クラスとして競合他社の製品も含め単純化している。

すると、半減期前のハッシュレート(S17+S9)から半減期後(S17)のハッシュレートを引けば、半減期前にS9クラスの占めていた割合も分かり、全体の計算が可能となるという仕組みだ。

また、1GWは原子力発電所一基分と説明されることが多く、単純化するとマイニング産業は原発約10個分の電力を利用可能ということになる。

実際にはこの電力の利用能力をフルに使用しているわけではない。レポートでは公開されているデータや業者などに聞き取りを行うなどして、全体の42%について、その地域などを特定することができたという。

出典:BitOoda

しかし、米国やカナダなどについては一定の割合について把握することができたが、中国に関してはその一部しか把握できていないとしており、特定された中での地域別の割合が、そのまま全体の地域別の割合を示しているわけではないことに注意が必要だ。

そして、把握できていない部分について推測した結果、中国は全体の50%を占めているという結論になったという。その結果が以下のグラフとなる。

その次に米国が14%と続き、カナダ、カザフスタン、ロシア、イランの4カ国がいづれも7〜8%ほどのシェアを持っていることが推定された。

出典:BitOoda

先日TokenInsightの集計したハッシュレートのデータによると、19年9月から20年4月までの間、中国のシェアが75.63%から65.08%に減少し、2位の米国は4.06%から7.24%へと増加していたことが判明した。BitOodaのデータとの比較では、中国のシェアは再び減少したことになる。

雨季の影響とは

中国のシェアが減少しているとはいえ、50%の割合は依然として影響力のある状況だ。そして中国で大きな影響をもたらす要素が雨季の存在だ。雨季が始まれば水量が豊富となり、水力発電が盛んな地域は電気代が大幅に安くなる。

特に中国南西部の雲南省や四川省がそれにあたり、国策によって多数建設されてきたダムには、5月から10月にかけて降った雨が流れ込む。

これによって発電量は増加、中国北部で乾季に支払う電気代(2.5–3c/kWh)と比べ、四川省や雲南省の雨季に支払う電気代は1/3ほど(1c/kWh以下)になるという。

一方で雨季において安い電気代がハッシュレートを上昇させるという考えには異を唱えた。これは、コストが下がることでマイナーが資本の蓄積に入るからだという。

出典:BitOoda

実際に雨季と乾季の間でのハッシュレートの変化には差が無い一方で価格には有意な差が見られる。

また、資本の蓄積によってマイニング機器が購入されることで、ビットコイン価格の高騰と、そこから機器が配送され設置される4〜6か月後にハッシュレートが上昇するという相関関係が見られた。

つまり、雨季にはコストが下がるため、資金確保のためにビットコインを売ることも少なくなる。これは売り圧の減少ということで価格上昇に繋がる可能性もあり、実際のデータとも整合的。

そして、貯まった資金で新たなマイニング機器などを購入、4〜6ヶ月後に実際に新たな機器の稼働が始まりハッシュレートが上昇するというサイクルになると考えられる。

参考:BitOoda

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/20 土曜日
13:22
イオレがビットコイン追加取得、累計保有量101BTC超に
日本上場企業イオレが約1億6640万円分のビットコインを追加取得。ネオクリプトバンク構想の初期トレジャリー運用の一環として実施され、2026年3月期中に120億円から160億円規模の取得を目指している。
11:55
ブラックロックのビットコイン現物ETF、年初来リターンはマイナスも流入額6位入り
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が年初来のETF流入で6位にランクインした。一方でリターンはマイナスとなっており背景にある投資家心理が注目される。
10:50
メタプラネット、米国預託証券プログラム設立
ビットコイン保有企業メタプラネットがドイツ銀行を預託銀行とする米国預託証券プログラムを設立し、19日より米国店頭市場で取引を開始する。米国投資家の利便性向上と流動性拡大を目指す。
10:33
ビットコイン提唱者ルミス米上院議員が再選不出馬、仮想通貨法案成立に注力へ
仮想通貨推進派として知られるシンシア・ルミス上院議員が2026年の再選不出馬を表明した。任期終了までに包括的な仮想通貨規制法案や税制改革の成立を目指す方針を示している。
10:05
「ビットコイン価格は2035年に2億円に到達」CF Benchmarksが強気予想
CF Benchmarksが2035年の仮想通貨ビットコインの価格を基本シナリオで142万ドルと予想した。ゴールド市場のシェアを獲得することなどを前提とし弱気・強気シナリオも算出している。
09:10
イーサリアム、Glamsterdamの次のアップグレード名は「Hegota」
仮想通貨イーサリアムでGlamsterdamの次に実施されるアップグレードの名称がHegotaに決定。2025年と同様、イーサリアムは2026年に2回アップグレードを行う可能性がある。
08:15
ビットコイン、弱気相場入りか クリプトクアントが需要減速を指摘
クリプトクアントが仮想通貨ビットコインの需要成長鈍化を指摘し、弱気相場への移行を指摘。ETFの純売却や大口保有者の需要縮小、デリバティブ市場のリスク選好低下などが要因として挙げられている。
07:10
コインベース、2026年の税制変更で予測市場がギャンブルより有利になると指摘
コインベースが2026年の見通しレポートで、トランプ大統領が署名したワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法により予測市場が従来の賭博より税制面で有利になる可能性があると指摘した。
06:50
アーサー・ヘイズ、FRBの新資金供給策RMPでビットコイン4年サイクル論が終焉と再度主張
著名トレーダーであるアーサー・ヘイズ氏がFRBの準備金管理購入プログラムを分析し、実質的な資金供給(QE)により仮想通貨ビットコインの従来の4年サイクルが崩れたとの見解を示した。ビットコインは2026年に20万ドルに向かうと予測。
06:20
仮想通貨の冬到来か、フィデリティ責任者がビットコインの2026年底値を6.5万ドル付近と予測
フィデリティのグローバルマクロ責任者ジュリアン・ティマー氏がビットコインの強気サイクル終了の可能性を指摘し、2026年の底値を6.5万ドルから7.5万ドルと予測した。機関投資家の参入により従来のサイクル論が変化しているとの見方が広がっている。
05:45
米FRB、仮想通貨企業向け「簡易版マスターアカウント」開設に進展か
米連邦準備制度理事会が仮想通貨関連企業を含む適格機関に決済サービスへの限定的なアクセスを提供する「ペイメントアカウント」案についてパブリックコメントを募集開始。
12/19 金曜日
17:38
税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記
政府・与党が2026年度税制改正大綱を決定。暗号資産取引に申告分離課税を導入し、税率は株式と同じ一律20%に。3年間の繰越控除制度も創設される。金商法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通し。昨年の「検討」から具体化が進み、web3業界の発展に向けた重要な一歩として評価されている。
15:33
米国法銀行初、SoFiがステーブルコイン「SoFiUSD」を発行
米ソーファイ・テクノロジーズが完全準備型の米ドルステーブルコイン「ソーファイUSD」を発表した。パブリックブロックチェーン上でステーブルコインを発行する米国法銀行として初の事例となる。
14:15
2025年の仮想通貨盗難被害額5300億円突破、北朝鮮関連グループの犯行目立つ=チェイナリシス
チェイナリシスが2025年の仮想通貨盗難事件についてレポートを発表。総額5300億円規模であり、Bybitハッキングなど北朝鮮関連グループによる犯行が目立っている。
14:13
サークル、インテュイットと提携 USDC で税金還付や企業決済に対応
ステーブルコイン大手サークルが金融テクノロジー企業インテュイットと複数年の戦略的提携を締結。TurboTaxやQuickBooksなどでUSDCを活用した税金還付、送金、決済サービスを展開し、年間15兆円超の取引に対応へ。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧