はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米金融大手フィデリティ、未曾有の時代が「保険」としてのビットコイン投資を後押しする=レポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

価値保存としてのビットコイン投資

米金融最大手フィデリティのデジタル資産関連子会社、FDA(Fidelity Digital Assets)が機関投資家に向けたビットコイン投資検証シリーズの第一弾として、ビットコインの価値保存機能に焦点を当てたレポートを発表した。

「ビットコイン投資の命題:価値保存手段としての期待感」と題されたレポートでは、ビットコインの特性とともに、現在の金融環境や世代間の富の移転など、中長期的な視点からビットコイン投資の展望を論じている。

様々な機能を合わせ持つビットコイン

FDAはビットコインを理解することの難しさの一因に、その多面的な機能があると述べている。価値の保存だけでなく、交換媒体としてまた代替資産としての要素もあるため、多くの誤解や混乱を生み、議論の対象となってきた。

しかし、ビットコインの素晴らしさは、その成功が単独の役目を果たすことに限定されていないことであり、エコシステムが成熟するにつれて、多くの機能を同時に果たす可能性があると主張している。

このレポートの主題である価値の保存機能についても同様で、現時点では、ビットコインがその役割を果たす性質を備えながらも、まだ広く受け入れられていない発展途上にあると多くの投資家は捉えていると指摘。つまり「価値保存」予備軍のような立ち位置であり、成熟するにつれ、その機能が強化され価値が創造されるだろうと述べている。いわば、20億人以上のユーザーを抱えるフェイスブックがブレークする前の時期(ユーザー5000万人)のようなものだという。

希少性

価値保存機能を持つ資産に求められる特性の中で最も重要な役割が、長期にわたり価値を保持し、実質的な価値の下落を防止する「希少性」だが、ビットコインの最も斬新な革新的特性の一つが、まさに希少性だとレポートは指摘している。

ブロックチェーン上の発行量が限定された固有資産がビットコインであり、その希少性は創設時よりプロトコルにコード化されており、金融政策の独立性は分散型ネットワークとPoW(プルーフ・オブ・ワーク)システムによって堅持されている。

ビットコインに対する需要

価値保存資産であるためには、ビットコイン独自の特性に対する持続的な需要があるかどうかも重要になってくるが、レポートでは次のような中長期的な視点を提供している。

1. 世界レベルでの金融・財政政策と脱グローバル化

パンデミックの経済的影響を軽減するために、現在、世界規模で多くの政府・中央銀行が、未曾有の金融・財政刺激策を実施している。コロナ以前から多くの投資家は、長引く超低金利〜マイナス金利政策や法定通貨の供給量増加が、世界の経済システムに及ぼす影響を懸念していたが、昨今の前代未聞の金融緩和によるマネーサプライの増加は、希少性の高い資産の価格上昇につながる可能性が高いと指摘されている。

実際、米中関係の悪化などにも後押しされ、金相場は高騰し、史上最高値を更新している。

さらに、レポートでは、パンデミック対策としてのロックダウンや国境の封鎖などにより、グローバルなサプライチェーンへの依存リスクが露呈したため、脱グローバル化へと舵が切られ、グローバル化の恩恵の一つであったインフレ抑制の力が弱まる可能性も指摘している。

「印刷できない資産」として、従来は金をはじめとする貴金属や不動産が注目されたが、潜在的なインフレや低金利に対する「防衛策」として、成長が期待されるビットコインに投資家の目が向く可能性が高いとレポートでは主張している。その一例として、著名投資家のPaul Tudor Jonesが、明確な根拠を示してビットコインに投資した事実を示し、投資トレンドの重大な転機と表現した。

2.世代間の富の移転

さらに、長期的に見ると、高齢層から若年層への富の移転が起きることは必至だと指摘。ビットコインと「親和性の高い」ミレニアル世代の多くが、不安定な経済状況下では金よりも仮想通貨が優れた投資だと考えていることからも、緩やかではあるが、ビットコイン投資への重要な追い風になるとレポートは主張している。

ボラティリティの影響は

ビットコインの価値保存機能を否定する理由の一つとして、しばしば価格変動性が指摘されるが、レポートではボラティリティは、特に初期の段階でビットコインに注目を集め、開発と革新を促す「希望の兆し」であると主張している。実際、ビットコインの急激な価格上昇は、多くの投資や人材を市場に呼び込み、新たなプロジェクトやインフラの整備につながり、市場の成熟を促してきた。

熟練した投資家にとって、ボラティリティは絶好のチャンスにもなり得る。

また、レポートでは、機関投資家向けの活動が拡大し、洗練された投資取引や投資商品が登場するにつれて、ボラティリティは相対的に低下していくだろうと予測している。

出典:Fidelity Digital Assets

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/02 水曜日
16:57
三菱UFJ信託銀行、電子決済手段としては国内初のステーブルコイン発行へ=報道
三菱UFJ信託銀行が近日中に「電子決済手段」としてのステーブルコイン事業を開始する。カーボンクレジット取引から始め、貿易決済への拡大も視野に。
14:30
ソニー・シンガポール、オンラインストアでステーブルコインUSDC決済に対応
ソニー・シンガポールが仮想通貨取引所と提携し、オンラインストアでステーブルコインUSDCによる決済サービスを開始。シンガポール初の仮想通貨決済対応家電ブランドとなり、ソニーグループの分散型技術戦略と連動した取り組みとなった。
13:25
エリック・トランプ氏「仮想通貨事業参入のきっかけは不当な銀行口座閉鎖」
トランプ大統領の次男エリック氏は、大手銀行による突然の口座閉鎖が仮想通貨事業参入のきっかけとなったと明かした。同氏は、ブロックチェーン技術により今後10年で金融や銀行の在り方は大きく変わると予想している。
12:56
メタプラネット、ビットコイン追加購入で累計4,206BTCに
メタプラネットが4月2日に仮想通貨ビットコインを160BTC、約20億円分追加購入し、累計4,206BTCに保有量を伸ばした。2025年末1万BTC・2026年末2万1,000BTCを目指し、独自財務戦略を進める。
12:05
ビットバンク、村上信五さん起用の新CM放映開始へ
国内暗号資産取引所の大手ビットバンク株式会社は4月2日、バラエティ番組の司会などで活躍する村上信五さんを起用した新CM「Everybody bitbank」シリーズの放映を4月3日から開始すると発表した
11:44
米グレースケール、バスケット型仮想通貨ETF申請 XRP・ソラナ・ADA含む5銘柄で
米グレースケールがビットコイン他複数の仮想通貨に投資する「デジタル・ラージキャップ・ファンド」のETF転換をSECに申請した。承認されれば一般投資家にも開放される見込みだ。
11:00
「決済用ステーブルコインは利子提供不可」米ヒル議員が強調 コインベースらの嘆願却下
米下院金融委員長が決済用ステーブルコインの利子提供は認められない計画だと強調。コインベースなど仮想通貨業界からの要望を却下した。法案にも禁止条項が盛り込まれている。
10:30
国内上場のenish、1億円相当のビットコイン購入へ Web3事業強化で
株式会社エニッシュが1億円相当のビットコインを4月1日から4日にかけて取得すると発表。ブロックチェーンゲーム開発を手がけながら、Web3領域での事業展開強化と財務戦略の一環としてビットコインを活用へ。
10:15
バックパック、FTX EUの顧客へのユーロ返還手続きを開始
仮想通貨取引所バックパックは、FTX EUの顧客にユーロを返還するための手続きを開始。FTX自体は現金での返還をすでに開始しており、仮想通貨の買い圧につながるのではないかとの見方も上がっている。
08:20
バリュークリエーション、2度目の1億円分のビットコイン購入を実施
東証グロース上場のバリュークリエーション株式会社が3月31日、1億円で7.8BTCの追加購入を発表。3月17日の初回購入から2週間で2回目の投資を実施した。
08:15
ビットコイン一時50万円上昇、米経済指標とトランプ関税政策が影響|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは前日比で一時50万円の上昇となった。現在、市場の最大の注目材料はトランプ大統領による関税政策であり、ビットコインはリスク資産である米国株価指数との相関性が非常に高くなっている。
07:50
『ビットボンド』提案、トランプ政権のビットコイン準備金戦略、年間10兆円の財政削減効果も
ビットコイン政策研究所が「ビットボンド」提案を発表。米国債の金利負担軽減と仮想通貨ビットコイン保有増加を同時実現する戦略で、2兆ドル規模で導入した場合、年間700億ドルの節約効果と推算。
07:20
ビットコイン購入準備のゲームストップ、2200億円調達済み
米ゲーム小売大手ゲームストップが15億ドルの無利子転換社債発行を完了し、ビットコイン購入計画を進行。マイクロストラテジーの戦略に類似する企業の仮想通貨投資の新たな展開に。
06:55
三井住友FG、アバランチらとステーブルコインを共同開発
三井住友FGは、ステーブルコインの開発を行うことがわかった。仮想通貨アバランチを開発するAva Labsら3社と協業し、26年度を目処にした発行を検討している。
06:35
トランプ家支援のAmerican Bitcoin、二社統合モデルでIPO計画
トランプ家支援のAmerican Data CentersとビットコインマイナーHut 8が設立した合弁会社American Bitcoinが上場計画を発表。エネルギー・インフラとマイニング事業を二社統合モデルで展開していく。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧