はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

過熱するDeFi市場はICOブームの再来か? Xangleが第2四半期データを分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

DeFi市場の定量分析

仮想通貨(暗号資産)に特化した情報開示プラットフォーム「Xangle」が、勢いを増すDeFi(分散型金融)市場のオンチェーンデータの定量分析結果を公開した。第2四半期のビットコインとイーサリアムの相場比較、およびイーサリアムネットワークのオンチェーン指標を分析する中から見えてきたのは、「DeFiブーム」の到来を予感させるものだった。

イーサリアムネットワークの躍進

Xangleの最新レポート、「2020年第2四半期におけるDeFi、イーサリアムとERC-20オンチェーンのデータ分析」では、まず、ビットコインとイーサリアムの価格動向を比較した。

新型コロナウィルス のパンデミック化による影響で、3月に大きな打撃を受けた仮想通貨相場も第2四半期には順調に回復。オンチェーン指標が示す活動も活発化しているが、ビットコインとイーサリアムの当期の価格上昇率を比較すると、それぞれ38%と67%で、イーサリアム価格の上昇が顕著となっている。

イーサリアムネットワーク(ETHとERC-20トークン)のオンチェーン指標でも、ハッシュレート(+7.4%)およびオンチェーンでのトランザクション数(+61.7%)の上昇、また取引手数料においては687.9%上昇するなど、第2四半期を通して活発な活動が見られた。

Xangleは、当期のイーサリアムネットワークにおける三つのオンチェーン指標(新規ウォレット数、アクティブアドレス、新規ウォレット比率)を、イーサリアムが最高価格を記録した2017年〜2018年の強気相場の指標と比較し、分析した。



XangleリサーチアナリストのJehn Kim氏は第2四半期のオンチェーン指標は、「驚くべき」活動を見せており、7月末になってもその熱は冷めやらぬようだとコメントしている。さらに、注目すべき数値として、次の2点を取り上げた。

  • イーサリアムのハッシュレートは6月に4回、7月に5回、90日間における新たな高値を更新し、7月30日現在で、196TH/s(前月比+3%)となっている。
  • トランザクション数と送金高は7月28日、52週間における最高値を記録した。

上位ERC-20トークンの活発な活動

レポートでは、DeFiトークンの中でも著しい価格上昇を見せた9つのERC-20トークン(注1)のオンチェーン指標をビットコインとイーサリアムと比較している。月別のアクティブアドレス平均数では、4月と比較して6月には617倍となったCompoundのガバナンストークンCOMPをはじめ、4.3倍のLEND(Aave)、3.3倍のLRC(Loopring)など、それぞれ1.1倍と1.2倍のビットコインとイーサリアムを大きく上回る成長率を見せている。

(注1)COMP、 LEND、 KNC、 MKR、 BNT、 LRC、 SNX、 ZRX、 REP

価格の面では、4月1日の終値に対し、COMPが1000%を超える驚異的な急騰を見せたのをはじめ、LENDが530%、BNT(Bancor)が490%の伸びを記録した。

DeFi市場全体でで見ると、DeFiサービスに預けられた総資産「TVL(Total Value Locked)」が2018年1月と比較すると、今年6月30日時点で2524%増加していることがわかった。



DeFiプロトコル分析サイト、「DeFi Pulse」のデータによると、7月に入ってもTVLは100%増加しており、今もなお、大きな注目を集める分野となっている。Kim氏は、数多くの新たなDeFi関連トークンの導入や、活発な既存のプロジェクトの様相は、2017年のICOブームに類似しているとの見解を示した。

投資家へのメッセージ

COVID-19以降、さらなる低金利を更新する時代に突入し、投資機会を得ることが一層困難になる中、DeFiは新たな投資ニーズの一つの答えとなっているのではないかと、Kim氏は述べている。しかし、投資家は、特定の投資先が「法外なリターン」をもたらしている理由とその方法を理解するために、さらなる調査をするべきであり、また、一部には透明性の欠如に伴うリスクがあることも、十分承知しておく必要があると、警告している。

DeFi市場は投機的に過熱しているとの指摘もあり、業界関係者からの懸念の声も聞かれている。イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリンは、多くの投資家がスマートコントラクトのリスクを過小評価していると述べている。

レポートでも、仮想通貨業界の著名人からの意見を掲載し、投資家へ熟慮を促している。

「Defiが、ブロックチェーン及び仮想通貨市場の発展と普及のための原動力となれるかどうか、まだ結論は出ていない」

これが、現時点でのXangleの答えのようだ。

出典:2020年第2四半期におけるDeFi、イーサリアムとERC-20オンチェーンのデータ分析

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
13:45
トランプ大統領、イーロン・マスクに対する批判を再び展開、 『大きく美しい法案』巡る対立が再燃
「大きく美しい法案」をめぐり、トランプ大統領とイーロン・マスク氏の対立が再燃している。マスク氏の痛烈な法案批判に対し、トランプ氏は、マスク氏が率いる企業の政府補助金受給について政府効率化局(DOGE)で調査すべきと発言し、かつて盟友だった両氏の関係は緊迫感を増している。
13:20
アリゾナ州知事、押収仮想通貨の準備基金法案『HB2324』を拒否権行使
アリゾナのホブズ知事が犯罪捜査で押収した仮想通貨管理法案を拒否。地方自治体の協力阻害を懸念と声明。
11:45
パクソス、ステーブルコインUSDGを欧州全域でローンチ サークルとの競争激化
パクソスが米ドル建てステーブルコインUSDGをEU全域で発行開始した。MiCA規制に準拠している。合計30か国に展開しており、ステーブルコイン時価総額ランキングでは15位だ。
11:10
ナスダック上場DeFi Development Corp、1億ドル転換社債発行 ソラナ蓄積戦略を拡大
米初のソラナ準備金戦略企業DeFi Development Corpが1億ドル転換社債の私募発行を発表。調達資金でSOL購入継続、バリデータ運営による複利成長を目指す。
10:50
上場企業のビットコイン購入量24万BTC超えも、価格には反映されず その理由は?
2025年上半期に世界の上場企業が仮想通貨ビットコインを24万5510BTC購入しETF保有数の2倍超。前年同期比約5倍増でマイクロストラテジー戦略が拡散、企業準備金としての位置づけが確立された。
10:30
米SEC、仮想通貨ETFの上場基準を策定か 審査迅速化に期待
米証券取引委員会が、ビットコインなど仮想通貨ETF向けの汎用上場基準策定を検討していると伝えられる。19b-4様式省略により審査迅速化が期待される。
10:20
ETH1万ドル到達は『義務』と表明、イーサリアムに新組織誕生
仮想通貨イーサリアムに、イーサリアムコミュニティ財団という新たな組織が誕生。公式サイトで、イーサリアムの価格に特化した組織であると説明している。
07:55
NYSE上場DDCが760億円調達完了、ビットコイン準備金戦略を本格始動
アジア食品ブランド運営のDDC EnterpriseがNYSE上場企業として最大規模の仮想通貨専用資金調達を実施。Anson Fundsらから総額5億2800万ドルでビットコイン準備金構築へ。
07:25
XRP戦略推進へ、ナスダック上場のWebusが1億ドル調達合意
ナスダック上場のWebusがリップル・ストラテジー・ホールディングスと1億ドルの資金調達契約を締結。仮想通貨XRPを活用した事業戦略推進により株価が日中130%上昇も最終的には8%反落。
07:15
「ビットコインが25年に20万ドルへ到達するとの予測は維持」Bitwise
仮想通貨運用企業Bitwiseは、2025年の10の予測に対する中間評価を公開。ビットコインが20万ドルに到達するとの予測は維持することなどを記載した。
06:50
ストラテジーのビットコイン循環戦略、NAV超プレミアムを正当化か=TD Cowen分析
ストラテジーの株価は純資産価値(NAV)を大きく上回って推移。継続的な株式発行が1株あたりのBTC保有を押し上げる構造が、投資家の注目を集めている。アナリストはその持続性とリスクに着目している。
06:12
ビットコイン利確が加速 第3四半期は過去最弱の季節性=アナリスト分析
仮想通貨ビットコインの利確が進む一方、市場は方向感に欠ける展開。第3四半期は過去最弱の季節性もあり、アナリストは地政学リスクや米金融政策の不透明感に警戒を示している。
05:50
トランプ大統領の「大きく美しい法案」上院可決も、仮想通貨少額免税案は見送り
トランプ政権が推進する大型予算法案に、仮想通貨の少額免税や報酬課税見直しの修正案は含まれず。ルミス上院議員は今後の再提出を示唆し、業界団体もロビー活動を継続する構え。
05:37
米SEC、ビットコインやXRPに投資するグレースケールの仮想通貨ファンドETF化を承認
米証券取引委員会(SEC)は、グレースケールのバスケット型ファンドのETF転換を加速承認。構成資産の約8割をビットコインが占めており、今後の仮想通貨ETF全体に追い風となる可能性も。
07/01 火曜日
16:00
UXLINKが実現目指すWeb3の大衆化、CEOが語る成長戦略|WebXスポンサーインタビュー
5500万人のユーザーを擁するWeb3成長支援プラットフォーム「UXLINK」。WebX 2025への参加を控え、同社CEOが日本市場への期待を述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧