モネロを規制準拠させる新たなツールを開発
秘匿性が高い仮想通貨モネロ(XMR)を規制に準拠させる拡張ツールが計画されていることが分かった。
モネロの開発を主導するTari Labsが、仮想通貨取引所が規制に準拠しながらXMRを上場することができる手引書をホワイトペーパーの形で発行する準備を進めていることを明かした。
同ホワイトペーパーは、「プライバシーコイン(匿名通貨)の基本事項と規制」と題され、Perkins Coie法律事務所により発行される予定だという。
ホワイトペーパーは、プライバシーコインに伴うリスクは大きいことを認めつつも、これらのリスクは強化されたコンプライアンスツールで軽減することが出来ると説明。規制に準拠できる仕組みを取引所にも理解してもらうことを目的としている。
Tari Labsの規制遵守顧問Louis Willacy氏は今回の動向について、「このホワイトペーパーは、プライバシートークンと関連するAML(資金洗浄対策)の懸念についての、これまでの中で一番包括的で信頼性の高い分析を展開しており、この取り組みへ参加したことを誇りに思っている」とコメントした。
仮想通貨取引所への再上場なるか
モネロは匿名性が高く犯罪が起きた場合に当局が追跡しにくい問題があるため、上場していない仮想通貨取引所もある。2019年には、エストニアに拠点を置く取引所BitBayや、仮想通貨取引所OKExの韓国部門がモネロの上場を取りやめた。(日本でも2018年にコインチェックが上場廃止措置を行なっている)
上場廃止の理由としてOKExは、国際的な金融規制団体である金融活動作業部会(以下FATF)の「トラベル・ルール」に違反すると判断したことを挙げている。
また、米大手取引所コインベースの事例でみれば、「規制当局のスタンスなどが理由で、XMRを上場できずにいる」としている一方で、一般的に匿名通貨と区分された仮想通貨DashとZcashの取扱いは行なっている。これらの銘柄については、匿名化を選択することが可能である点が、リスク管理の上でクリアした可能性が指摘されている。
ユーザーが取引の一部を公開する機能も
モネロには現在も、取引の一部をユーザーが公開する機能を備えている。
すべてのアドレスには、共有可能な「ViewKey」が備えられており、これを人に共有することで、ユーザーはそのアドレスのすべての着信トランザクションを表示するアクセスを許可できる。また支払いの証拠として提示できる「tx key」も存在する。
ホワイトペーパーで、どのような法的順守強化ツールが発表されるか明らかではないが、どの様な仕組みで規制に準拠するのか、業界の注目度も高いトピックだ。