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米国初、セキュリティトークンでIPO実施へ 米証券取引委員会(SEC)が承認

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

INXのセキュリティトークン承認、IPO実施へ

INX Limited(以下、INX)がIPO(新規公開株)形式で発行するセキュリティトークンについて、米国証券取引委員会(SEC)が申請書を承認したことが分かった。

今回の資金調達はIPOの申請としてForm F-1で提出されている。SECの判断を受け、INXは8月25日にトークンオファリングを開始、トークンセールの公式サイトでは秒読みが始まった。

0.9ドル(約95円)単位で最大1.3億分のINXトークン(ERC20)を販売。1億1700ドル(約124億円)の大規模資金調達となる見込みだとしている。

INXの開発する「INX Trading Solutions」は、機関投資家と個人投資家両方に向けたサービスで、セキュリティトークンと仮想通貨の両方を上場・取引できるようにすることを目的とする。

新規事業として有価証券トークンと非有価証券トークンで、2つの取引プラットフォームを設立することを計画しているという。

トークンセールの要件

INXトークンの保有者は、INXの営業活動による正味調整累積キャッシュフローの40%の比例配分を受け取る権利があり、同社の取引プラットフォームでの支払いとして、このトークンを使用する場合には、取引手数料が最低10%割引になる。

最小オファリング要件として750万ドル(約8億円)の総オファリング収益が設定されており、一年以内にこの額が調達できなければ、どのINXトークンも販売手続きが完了せず、返金される見込みだ。

この条件が満たされるまで、すべてのトークン予約代金はメトロポリタンコマーシャル銀行に迅速に送信され、そこで保管されることになる。

今回のセキュリティトークン・オファリングからの収益は、取引プラットフォームの継続的な開発と運用、および継続的な運用安定性を得るための現金準備資金(最大6800万ドル)の確立に利用されることになるという。

なお、書類によると、INXトークンは現時点では売買できる取引所がなく、今後米国の投資家はINXを取り扱う登録した証券取引所もしくは私設取引システム(ATS)のみで取引することができる、と説明した。

INXプラットフォームの特徴

INXのCEO、Alan Silbertは、仮想通貨ファンド大手「グレースケール」のCEOを務めるBarry Silbertの兄弟である。またナスダック元副理事長David Weild、モルガンクリークキャピタルCEOのMark Yuskoなど業界の著名人が幹部やアドバイサーに名を連ねている。

INXによると、同社プラットフォームは以下のことを念頭に置いて構築されるという。

  • 当初から法律や規制を強力に順守
  • セキュリティと規制を考慮して構築された堅牢な独自技術
  • 多国籍資本市場と関連分野での強靭な運用能力

セキュリティトークンによりIPOを行うのは米国初の事例だ。これまでSECに登録した仮想通貨トークンには、StacksやPropsなどもあったが、これらはユーティリティトークンで、セキュリティトークンではなかった。

ユーティリティトークンは製品やサービスを保有者に提供することを趣旨としたものだが、セキュリティトークンは証券であり、外部資産をその価値の裏付けとするもので、投資することで利益を生み出し得ることなどにより定義される。

INXはセキュリティトークンとして初めてSECに登録される仮想通貨になる。

今回のIPOが成功した暁には、INXは有数の上場仮想通貨関連企業になる見通しだ。

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