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中銀デジタル通貨(CBDC)が各国政府や個人に与える影響=ドイツ銀行レポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ドイツ銀行がCBDCについて報告書発表

ドイツのメガバンク、ドイツ銀行が中銀発行デジタル通貨(CBDC)についての報告書を発表。CBDCが各国の中央銀行や政府、個人に与える影響を論じている。

結論部分では、CBDCのシステムが短期的に資本市場へ与える影響や、大規模な市場混乱時におけるシステムの信頼性について、「堅牢性について現時点では十分なテストが行われていない」ため疑問が残ると述べる。既存のプロセスやインフラとの相互運用性をどのように確保するかも、大きな課題になるという。

その一方、主要経済国がCBDCを立ち上げれば、資本市場の調整が予想される。他国も追随を余儀なくされる可能性があり、すべての当事者にとって重大な意義を持つことになるだろうと予測している。

報告内容は、以下の通り。

CBDCが中央銀行政策に与える影響

CBDCは、中間機関(商業銀行など)の役割を軽減し、政策の希薄化を抑制する可能性があるほか、「マイナス金利政策」について新たな選択肢をもたらすという。

すでにマイナス金利になっている国では、基本的に金利の引き下げ余地は存在しない。しかし、人々が預金口座より現金を保有するという選択肢を取り除いてしまうと、下限金利はさらに下げられる可能性がある。

「金利」はマイナスになればなるほど、消費者や企業にとっては、すぐにお金を借りて、それを使うことへのインセンティブが生まれる。

CBDCに直接課されるマイナス金利は、時間の経過とともに貨幣価値を低下させ、政策立案者に、望ましくないほど高い貯蓄率に対抗するための選択肢を与え得る。また中央銀行が、個人に直接、景気刺激の資金送金で需要喚起し、デフレ傾向に対抗することも可能になるとされる。

報告書によると、これは消費が鈍っている際に非常に有効な手段であり、条件付きで設定することもできる。時間制限の付与、特定の商品に対する消費手当、経常所得に連動した支払いなどが考えられるという。

CBDCが政府に与える影響

政府にとっては、CBDCにより資本のトレーサビリティが上がることが利点の一つになる。

CBDCは、規制当局や商業機関がすべての取引を追跡し、行動パターンやユーザーを特定することを容易にして、マネーロンダリングや脱税の取り締まりを効率的にする。

また、社会的な給付金を個人に分配する際にも、安全で正確、迅速な送金を行えるようになる。取引の透明性は、一般的にコーポレ ート・ガバナンスの向上にも貢献するという。

CBDCが個人に与える影響 

個人にとっては、利便性が得られる反面、「プライバシーが低下する」という問題も挙げられる。報告書によると、特にドイツのような西欧諸国では、デジタル決済方法に対する個人の懐疑心がいまだに高く、伝統的な現金決済がいまだに広く利用されている。

このためCBDCの導入は、政治的な抵抗に遭遇し、社会不安を助長する可能性もあるという。

個人が中央銀行にCBDC口座を持つようになった場合、民間貯蓄の収集者としての商業銀行の役割は大きく変化するかもしれないとした。

CBDCについては、欧州連合も検討を進めており、先月10日、欧州中央銀行のクリスティン・ラガルド総裁は、数週間以内にユーロ圏におけるCBDCの今後の方針について発表すると述べている。

CBDCを検討することは「ユーロ圏が世界的なデジタル通貨への移行と決済システムの変化から取り残されないため重要」であり、また民間のデジタル決済サービスの台頭に対抗するものになるとも語った。

関連:欧州中央銀行、ユーロ版CBDC(中銀発行デジタル通貨)で調査結果を発表へ

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