はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

欧州中央銀行、ユーロ版CBDC(中銀発行デジタル通貨)で調査結果を発表へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

数週間以内にCBDCについての調査結果を発表

欧州中央銀行のクリスティン・ラガルド総裁は、数週間以内にユーロ圏における中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)の今後の方針について発表すると明かした。

総裁は10日に開催されたドイツBundesbankとのイベントで、欧州連合は現在のところデジタルユーロを導入するかどうかの決定を下していないものの、その利点や、リスク、運用上の課題を調査しているとした上で、CBDCについてのタスクフォースの調査結果を数週間以内に一般公開し、公開協議を執り行うと発言した。

CBDCを検討する理由として、総裁はユーロ圏が世界的なデジタル通貨への移行と決済システムの変化から取り残されないため重要だと考えられると述べた。

銀行部門の空洞化や民間部門のソリューションの混雑など、CBDCを発行する上でのリスクも把握しつつ、タスクフォースはそうした課題についても検討しているとみられる。

また、CBDCへの取り組みについては、「私たちには、市民が選択権を持ち、他者の一方的な行動のために決済エコシステムから除外されないようにする責任がある」とした。

民間の決済サービスやデジタル通貨に対抗

各国のCBDC調査検討は、民間のステーブルコインであるFacebook主導の「リブラ」計画が台頭してきたことも後押しとなってきた。

また、CBDCについての取り組みが進展している国の一つにスウェーデンがあるが、同国は、中央銀行発行のデジタル通貨「e-クローナ」を導入する効果として、市場競争を維持することも挙げていた。

現在の決済市場は、規制されずに放置されると、独占や寡占状態に発展するリスクがあり、CBDCの採用は、銀行の取引口座市場、Visa・Mastercardなどの決済サービス、Swishなどの既存の支払いサービスの分野で競争を促進する効果があると想定する。

ステーブルコインに関わらず、デジタル化など金融部門の進化に伴い民間部門で独占が起こることも懸念していることが分かる。

CBDCは金融システムのコストを下げる効果も期待されているが、同時に、国外の決済システムに依存しない取引経路を用意し、国の決済システムの柔軟性と主権性を確保するための方策としても検討されている格好だ。

関連:スウェーデン中央銀行、CBDCの必要性や導入プランを詳細に検討

デジタルユーロ計画に参画の意向を示したイタリア銀行協会も、CBDCについて「民間によるリスクが高く、識別の難しいデジタル通貨の魅力を抑える効果がある」と、仮想通貨を含む民間のデジタル通貨をけん制する効果を指摘している。

関連:イタリア銀行協会、欧州中央銀行の「デジタルユーロ」に参加の意向

中国の「デジタル人民元」開発も注視

また、欧州の非営利シンクタンクが発表した、今後のCBDCを巡る各国勢力の動きを予測するレポートは、中国が開発を進めるCBDC「デジタル人民元」が、ユーロや米ドルなど他の通貨にとって潜在的脅威となることを説明。

2025年までに欧州がCBDCを持たなければ、国際的影響力の面でユーロは人民元に追い越されると危機感を表明している。

実証実験段階まで進んでいるデジタル人民元の存在も、中国以外の国がCBDCへ取り組む契機となっているようだ。

同レポートは、今後10年間で、デジタル米ドル、デジタル人民元、デジタルユーロなどが登場して競争し、小国はデジタルドルの使用と保管を選択することになるだろうと独自の予測を披露している。

関連:欧州シンクタンクが予測、中銀デジタル通貨(CBDC)の勢力図

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/08 土曜日
11:20
ストラテジー、新たな優先株発行で1100億円調達予定、ビットコイン追加購入へ
ストラテジーが10%利回りのSTRE優先株を1株80ユーロで発行し、7億1500万ドルを調達する予定。当初計画の2倍超となる775万株を発行し、資金はビットコイン取得に充てられる見込みだ。
10:12
ビットコイン再び10万ドル割れ、USDXデペッグがDeFiに波及し信用不安広がる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは5日以来、再び一時10万ドルを割り込んだ。ステーブルコイン「USDX」の担保不足によるデペッグ(乖離)が複数のDeFiプロトコルに波及し、市場全体に信用不安を広げた。
09:50
トランプメディア、第3四半期に84億円の赤字、保有ビットコインの価値は73億円減
トランプメディアが第3四半期に5480万ドルの純損失を計上し、3四半期連続の赤字となった。保有ビットコインの価値は4800万ドル減少したが、オプション収入で1530万ドルを獲得。
09:35
カザフ、最大10億ドルの仮想通貨準備基金設立へ 2026年初頭立ち上げ予定
カザフスタンが最大10億ドル規模の国家仮想通貨準備基金を2026年初頭までに設立する。押収資産と国営マイニング収益を原資としてETFや関連企業に投資する方針だ。
08:25
XRP保有企業エバーノース、約120億円の含み損に 仮想通貨財務企業に圧力
仮想通貨XRPを企業の財務資産として保有するエバーノースが約2週間半で7900万ドルの含み損を抱えている。メタプラネットなど他の仮想通貨保有企業も大幅な含み損に直面している。
07:20
片山金融相「3メガバンクのステーブルコイン共同発行を支援する」
片山さつき金融相は、3メガバンクやプログマらが行うステーブルコイン発行の実証実験を金融庁がサポートすることが決定したと話した。決済高度化プロジェクトの設置にも言及している。
07:10
米FRB理事がドルステーブルコイン市場の成長を評価、一方で合成型USDXは大幅デペグで0.6ドルに
米FRBのミラン理事がドル連動型ステーブルコインを巨大な成長分野と評価した。一方で合成型ステーブルコインUSDXが大幅デペグを起こしバランサー攻撃の影響で連鎖的な危機が広がっている。
06:20
コインベース、Asterなど上場検討
米大手仮想通貨取引所コインベースが複数の銘柄を同社の上場ロードマップに新たに追加した。
05:55
ジーキャッシュ連日高騰、時価総額100億ドル突破 1カ月で約4倍上昇
プライバシー仮想通貨Zcashが過去1カ月で3倍上昇し時価総額100億ドルを突破。アーサー・ヘイズ氏らの支持やグレースケール関連商品の人気拡大が上昇を後押ししている。
05:35
リップルのロング社長、IPOの予定なしと再度表明
リップル社のモニカ・ロング社長が株式公開の計画はないと再び明言した。同社は企業価値400億ドルで5億ドルの資金調達を完了し、十分な資本があると説明している。
11/07 金曜日
18:34
金融審議会・第5回会合、暗号資産レンディングの規制強化について議論 金商法適用案も
金融庁は7日の第5回金融審議会で、暗号資産レンディング事業を金商法の規制対象とする方針を示した。年利10%台のサービスで利用者がリスクを負う一方、事業者に管理義務がない点が問題視された。
18:16
米証券大手チャールズ・シュワブ、2026年に仮想通貨取引開始へ
米証券大手チャールズ・シュワブが2026年上半期にビットコインとイーサリアムの現物取引を開始。顧客資産約1800兆円を持つ同社の参入で仮想通貨市場の主流化が加速へ。
18:00
Polymarket(ポリマーケット)とは?仕組みや将来性をわかりやすく解説
Polymarket(ポリマーケット)とは、未来の確率をUSDCで売買する分散型予測市場。米大統領選で注目を集め、Google Financeにも統合。仕組み、特徴、課題、今後の展望をわかりやすく解説。
16:18
ロビンフッド幹部、ビットコイン財務戦略は「検討中」
米ロビンフッドがビットコイン財務戦略導入を検討。第3四半期の仮想通貨収益は300%超急増の約413億円を記録。上場企業のBTC保有トレンドが加速する可能性。
14:05
著名投資家ダリオ、FRBの量的緩和再開はバブル加速への引き金 更なるインフレリスクを警告
ブリッジウォーター創設者レイ・ダリオ氏が、FRBの量的緩和再開は従来と異なり「バブルへの刺激」になると警告している。現在の状況下でのQE拡大は、実質金利の低下や株価収益率の上昇につながり、テック/AI/グロース株や、金などの価格を押し上げる可能性がある。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧