はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

人工知能はブロックチェーン技術にどう応用されるか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーンとAIの統合
ブロックチェーンは既存の産業のあり方を根本から覆す可能性を秘めた新規技術です。現在、研究者はこの適用範囲をより広い領域にまで広げ、ブロックチェーン技術をビッグデータ、IoTといった先進的な分野、さらにAIにまで活用する方法について模索しています。
ブロックチェーンとAIの類似点
本記事では、人工知能とブロックチェーン技術について、データ共有、セキュリティ、信頼(トラスト)などの観点から共通点を考察し、両者の親和性が高いことを示しています。

ブロックチェーンにAIはどう使われるのか

ブロックチェーンは既存の産業のあり方を根本から覆す可能性を秘めた技術として広く喧伝されています。

ブロックチェーン技術の非中央集権化システムは現在多く使われている中央集権的なシステムとは相反するものです

非中央集権的なデータベースでは、一つの機関ではなく複数の第三者から合意が得られることにより、記録や承認といったプロセスが完了します。

他の中央集権的な技術と比較すると、ブロックチェーン技術はより安全で、素早く、透明性が高いといった特徴を有しています。

この技術のインパクトは、ビットコイン、イーサリアム、ライトコインといった仮想通貨という形で経済的に実証されています。

しかし、この技術の応用範囲は、広告、ヘルスケア、物流、セキュリティといった他分野にも及びます。

現在、研究者はこの適用範囲をより広い領域にまで広げ、ブロックチェーン技術をビッグデータ、IoTといった先進的な分野、さらにAIにまで活用する方法について模索しています

人工知能とは何か?

「人工知能」は、独立かつ効率的に稼働する機械を指す、包括的な言葉です。

音声パターン認識から自動運転車まで、AIが実現する技術は多岐に渡ります。

AIの目的は、大量に流れるデータを収集して知識を学び、自身をより賢いものへ成長させることができる、学習機能を備えた機械を提供することです。

AIとブロックチェーンの統合

ブロックチェーンは記録、承認、実行といったプロセスを正確なものにし、AIはある特定のパターンやデータセットを識別し、評価、理解することを手助けします。

AIとブロックチェーンは互いに共通する特徴を有しており、遠くない将来にシームレスな関係を形作ることでしょう。

AI・ブロックチェーンとデータ共有

非中央集権的なデータベースでは、クライアント間でのデータ共有がより重要なものとなります。

同様に、AIはビッグデータに大きく依存しており、そのデータ共有が必要不可欠です。

オープンなデータを解析すればするほど、AIの予測や評価の精度は高くなり、生成されるアルゴリズムはより信頼性を増します。

セキュリティ

ブロックチェーンネットワーク上で高価値の取引を扱う際には、セキュリティへの高いニーズが求められます。

このセキュリティは現存するプロトコルによって十分に補強することが可能です

また、AIが悪用されることにより壊滅的な事件が起こる可能性を減らすため、AIにおいてもハイレベルなセキュリティが求められます。

信頼の必要性

信頼(トラスト)の欠如によって、AIやブロックチェーンが除外されることは、技術進展を妨げる最も大きな脅威です

AIにおいて、コンピュータ同士が相互に情報交換するシステムを確立するために、一定水準の信頼が求められています。

また、ブロックチェーンネットワーク上でも、取引を実行させるために信頼が求められています。

データの公開市場

先述した通り、AI技術の進歩は無数にある情報源から得られるデータをいかに入手できるかに大きく依存しています。

Google、Facebook、Amazonなどの企業はAIの学習プロセスにおいて有効なものとなる莫大な情報源にアクセスできますが、これらのデータに他の市場参加者はアクセスすることができません

ブロックチェーン技術にはP2P通信の技術が導入されており、この問題を解決することができます。

ブロックチェーン上の情報はオープンで分散化されているため、ネットワークに参加する皆がデータにアクセスすることができます

現在のデータ寡占の状態はいずれ終焉を迎え、オープンでフリーなデータ公開市場がこれから普及していくことでしょう

大量データのマネジメント

データが利用可能になったとしても、それをどう管理、活用するかはまた別の問題となるでしょう。

現在得られるデータ量は1.3ゼタバイトと見積もられています。

大量のデータが分散型システムに蓄積されているために、従来の中央管理サーバーと比較して多くの利点が得られます

自然災害などの不測な事態が発生し被害を受けたとしても、データが一括で管理されていないため、それらは保存され続けます。

また、ハッキングのリスクも排除でき、データ改ざんへの耐性も高く保つことができます

AIモデリングと信頼性の高い予測

コンピュータシステムの基本原則のひとつにGIGO(Garbage In, Garbage Out)があります。

AIの分野は大量のデータに依存しており、ある個人、または会社が意図的にデータを改ざんすることで、その結果が改変されてしまうかもしれません。

また、役に立たないデータはセンサーの故障や他のデータ源からも意図せずに得られる可能性があります。

そこで、ブロックチェーンを用いた承認データベースを用いることで、有効性が実証されたデータセットのみに基づいた、正しいモデルが構築されるでしょう

ブロックチェーンでは、サプライチェーン上のデータにあるイレギュラーな欠陥データも検出することができます。

また、これらのデータはセグメントで管理されているため、トラブルシューティングや異常なデータセットの検知に要するストレスを削減することにも寄与します。

ブロックチェーン技術は「immutability(不変性)」という特徴を有しており、データの追跡、検査を追求することができます。

データ、モデル利用のコントロール

ブロックチェーン、AI技術が進展するために、データ・モデル利用のコントロールは非常に重要な側面となります。

例えば、Facebook、Twitterといった従来のインターネットプラットフォームでは、我々はアップロードしたコンテンツの権利をサービス提供者に譲渡しています

これは、歌手がレコード契約を結ぶ際と同様の扱いを受け、AIデータとモデルについても、同じ考え方が適用されます。

つまり、データがモデル構築のために作成されたものであるとき、そのデータへの制限と許可を決定するライセンスは作成者に紐づけられます。

そこで、ブロックチェーン技術を用いることでこのプロセスを簡便に進めることができます

ブロックチェーンネットワークでは、閲覧やデータ使用の許可権を資産として扱うことができます。

仮想通貨プラットフォームでコインが交換できるように、情報へのアクセス権もまた資産として交換が行えます。

HOW ARTIFICIAL INTELLIGENCE CAN BE USED IN A BLOCKCHAIN

Posted on 22 March 2018

参考記事はこちらから
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/07 金曜日
06:25
トム・リーのビットマインが210億円相当のイーサリアムを追加購入、2600億円の含み損抱えるも買い増し継続
ビットマインが6日にも約1.4億ドル相当のイーサリアムを追加購入。17億ドルの含み損を抱えながらも下落局面での買い増しを継続。
05:50
JPモルガン、ビットコイン価格予測を17万ドルに引き上げ その条件は=The Block
JPモルガンのアナリストがビットコインの今後6カ月から12カ月の価格予測を17万ドルに引き上げた。レバレッジ調整の進展と金に対する相対的な魅力の向上が理由だという。
05:30
アークのキャシー・ウッドCEO、2030年のビットコイン価格予測を大幅下方修正 150万ドルから120万ドルに
アークインベストのキャシー・ウッド氏が2030年のビットコイン強気予測を150万ドルから120万ドルに引き下げた。ステーブルコインの急速な普及が理由だという。
11/06 木曜日
16:25
ソラナ特化型戦略企業「SOLプラネット」が設立される
ソラナブロックチェーンに特化した戦略企業「株式会社SOLプラネット」が2025年11月4日に設立。外資系金融出身の野坂幸司氏がCEOを務め、企業向けにコンサルティングからインフラ構築まで一貫したサービスを提供する。
15:57
イギリス・カナダが米国に追随、ステーブルコイン規制を推進
イギリスとカナダが相次いでステーブルコイン規制計画を発表。イングランド銀行は米国と足並みを揃えた規制枠組みの導入を表明し、カナダも法定通貨担保型発行者への規制強化を打ち出した。
13:50
仮想通貨「最後の1000倍成長チャンス」はプライバシー分野、ゼロ知識証明技術が実用化された今が転換点
ソラナHeliusのMert Mumtaz CEOは、仮想通貨ではプライバシー領域が最後に残った課題であり、市場が未開拓であるため、「最後の1000倍」であり、大きなチャンスが期待できると主張した。
13:30
新規レイヤー1「モナド」、11月24日にメインネット稼働へ
モナド財団が11月24日にメインネットをローンチすると発表。毎秒1万件のトランザクション処理とEVM互換を実現する次世代レイヤー1ブロックチェーン。総額2億4000万ドルを調達し、約23万人へのエアドロップも実施。
13:20
仮想通貨が他のリスク資産に遅れを取っている理由は? 最新市場分析
大手マーケットメイカーのウィンターミュートが仮想通貨市場の最新レポートを公開した。ビットコインなどのパフォーマンスが株式など他のリスク資産より低迷している理由を分析している。
13:00
ソラナ・カンパニーが最大153億円の自社株買いを承認、仮想通貨財務企業の戦略転換が加速
ソラナ保有企業のソラナ・カンパニーが最大1億ドルの自社株買いプログラムを承認した。仮想通貨財務企業による株価対策が広がっている。
11:46
仮想通貨反発でビットコイン10万ドル台回復、トランプ大統領の「米国をビットコイン大国に」宣言再び
ビットコインが102,900ドルに反発も週初来7%安の下落基調。イーサリアムは7.6%高で市場をアウトパフォーム。トランプ大統領が「米国をビットコイン超大国に」と改めて宣言。政府閉鎖長期化で仮想通貨規制の進展に懸念も。
11:10
ウィズダムツリー、チェーンリンクと提携 ファンドデータをオンチェーン化に
ウィズダムツリーがチェーンリンクと提携し、トークン化プライベートクレジットファンドCRDTのNAVデータをブロックチェーン上に記録。機関投資家のDeFi参入を促す新たな取り組み。
10:50
ビットコイン財務企業FUTURE、下落相場も約53億円を資金調達
スイスの仮想通貨ビットコイン財務企業FUTUREは、約53億円の資金調達を完了したことを発表。出資者や支援者に著名な企業や人物が名を連ねており、今後の事業展開に注目が集まる。
10:05
仮想通貨企業戦略に暗雲、イーサリアム急落でトム・リーのビットマイン社が2600億円の含み損に
イーサリアムが3400ドルを下回り、トム・リー氏率いるビットマイン社は17億ドルの含み損を計上。企業による仮想通貨保有戦略の見直しが進んでいる。
09:45
ロビンフッド決算報告 仮想通貨取引収益が4倍に成長
投資アプリ「ロビンフッド」の2025年7~9月期決算を報告した。ビットコインなどの仮想通貨取引収益が前年比4倍増を記録し、予測市場も拡大中だ。
08:45
キリフダ、企業の売掛債権に1万円から投資できるトークン化債権サービス開始へ
キリフダは企業の売掛債権に1口1万円から投資できるトークン化債権マーケットプレイス「おカネのこづち」を年内公開する。企業の資金繰り支援と個人投資家の社会貢献ニーズを結びつけるプラットフォームだ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧