はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

背景にあるのは経済制裁、キューバで「ビットコイン送金システム」の需要が拡大

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「ビットコインで送金して法定通貨で届ける」

1962年から米国政府より経済制裁を受けるキューバで、ビットコイン(BTC)が制裁を回避して送金する手段として用いられている。その事例について地元メディアが報じた。

長期化する経済制裁を受け、すでに複数の金融機関がキューバでの事業を撤退している。仮想通貨利用した送金手段の詳細を明かしたのは、キューバ在住のプログラマー、エーリッヒ・ガルシア・クルス氏だ。

同氏によると、海外の送金主とキューバの受取人を結び付けるプラットフォームが存在しており、プロセスの途中で、BTCをキューバの法定通貨に変換して受取人に届くようにする仕組みが設計されている。

SNSでビットコインのオークション

手順としては、送金者が暗号資産(仮想通貨)ウォレットから「bitremesas.com」のシステムを介して送信する。送金ページは、QRコードによって送信者の電子ウォレットにリンクされている。

次に、海外からビットコインの送金があったことが、キューバのBTC愛好家ネットワークに通知される。すると彼らの間で、WhatsAppまたはTelegramといったSNSを介して入札開始。そのBTCを獲得するために手数料として失っても構わないBTC数が競われる。上限は額面の25%だ。

入札に勝った者が、送金の受取人にキューバの法定通貨で相当額を渡すことで取引が完了する仕組み。

キューバでは銀行口座を持たない人々も多いため、時には自転車で10キロ以上もの距離を走って現金を渡しに行くこともあるという。

キューバの仮想通貨ユーザーは推定1万人

クルス氏は自身の運用するYouTubeで、「世界経済にアクセスするにはビットコインが役立つ」と論じてきた。

キューバの人々は、制裁の影響で国際決済システムから排除されており、クレジットカードやデビットカードを持つことが出来ない。また新型コロナウイルスの影響により商業便の運航も停止するほか、ハイテク製品を入手する市場も低迷しており、ビットコインがこうした状況の解決策になるという。

同氏は以前、キューバ人は海外で仮想通貨を購入した親戚などを介してそれを入手する必要があり、そうした知り合いを持たない場合には、SNSやオンライングループを使うと、売り手を見つけやすいと語っていた。今回は、こうしたSNSを仲介とするキューバへの送金システムが構築された形だ。

仮想通貨に関する議論が行われるSNSチャンネル「キューバクリプト」の開設者は、キューバの仮想通貨利用者は昨年時点で約1万人と推定。今年4月にはキューバ初のP2Pビットコイン取引所「Qbita Exchange」も立ち上げられている。

関連:キューバのYouTuberがビットコイン啓蒙活動、コロナ禍で仮想通貨の注目進む

制裁回避のため仮想通貨マイニングを育成するイラン

米国による経済制裁回避策としてビットコインが浮上している国としては、イランの例も挙げられる。

キューバの場合は民間人が率先して仮想通貨を入手しようとしているが、イランの場合は、政府が積極的に仮想通貨マイニング産業を育成する方針を掲げる。

ロウハニ大統領は今年5月、マイニング産業に特化した国家戦略の策定を命じており、国の法定通貨を圧迫しない方法で自動車輸入を資金補助する手段として、採掘した仮想通貨を使うことも提案されている。

関連:イランの国有火力発電所、ビットコイン採掘業者に電力供給へ

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/19 水曜日
18:44
ストラテジーのセイラー会長、ウォール街参入による「ビットコイン弱体化」論を否定 
ストラテジーのセイラー会長がフォックス・ビジネスで、機関投資家の参入によりビットコインのボラティリティが大幅に低下していると発言した。2020年の約80%から現在50%まで縮小し、今後はS&P500の1.5倍程度に収束すると予測している。
18:25
アーク・インベスト、コインベースとサークル株を買い増し
ARK投資のキャシー・ウッド氏、コインベースとサークル株を計720万ドル購入。ステーブルコイン市場の成長を見据え、仮想通貨関連株への投資を拡大。
13:55
ブラジル、仮想通貨のクロスボーダー決済に課税検討 規制強化で抜け穴封じ=報道
ブラジル政府が仮想通貨を利用したクロスボーダー決済への課税を検討している。中央銀行は2026年2月から新規制を施行し、ステーブルコインを含む国際送金を外為取引として扱う方針だが、税収漏れ対策として金融取引税(IOF)の対象とする案が浮上している。
13:35
サークルが「xリザーブ」発表、USDC担保型ステーブルコインを展開可能に
サークルがブロックチェーン間でUSDC担保型ステーブルコインを展開可能にする相互運用インフラ「xリザーブ」を発表した。
13:15
米SEC、2026年度検査で仮想通貨監視を重点項目から削除 規制緩和加速
米SECが2026年度の検査優先事項から仮想通貨監視を除外。トランプ政権下で規制姿勢が執行重視から対話重視に転換。コインベースやリップルとの訴訟解決など、業界への軟化姿勢が鮮明に。
11:35
イーサリアム財団、レイヤー2を単一チェーンのように操作できる「相互運用レイヤー」構想
仮想通貨イーサリアムの財団が複数のL2を単一チェーンのように操作できる相互運用レイヤー(EIL)の構想を解説。現在開発中のEILへの参加を呼びかけている。
10:50
コインベース上のモナドICO、開始23分で65億円弱調達も販売ペース鈍化
コインベースで開始されたモナド(Monad)のトークンセールは、開始23分で64.5億円を調達したが、その後失速。高いFDV評価額やVC比率の高さが投資家の慎重姿勢を招いたとみられる。
10:33
全米初のビットコイン担保地方債、米ニューハンプシャー州が承認
ニューハンプシャー州が全米初のビットコイン担保地方債を承認した。1億ドル規模の債券でデジタル資産が140兆ドル規模の世界債券市場に参入する道を開く可能性が出た。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、ナスダック上場に向けた合併が延期に
ソネット・バイオセラピューティクスらの合併によるハイパーリキッド財務企業の上場が延期された。株主投票の賛成票が必要数に達していない形だ。
09:45
ビットコインとイーサリアムの現物ETF、資金流出が継続
仮想通貨ビットコインとイーサリアムの現物ETFは、資金が純流出する日が継続している。この点について、ソラナやXRPなどのETFに資金が循環している可能性が指摘された。
08:50
テザー、ビットコイン担保融資企業レドンに戦略投資
テザーがビットコイン担保融資のリード企業Lednに戦略的投資を実施した。Lednは設立以来28億ドル超の融資を実行し、2025年だけで10億ドル超と見込まれている。
08:00
GMOトラスト、Japan Smart Chainと提携し日本法準拠ステーブルコイン発行を検討
GMOトラストがJapan Smart Chainと提携 AltXリサーチは18日、日本向けレイヤー1ブロックチェーン「Japan Smart Chain(JSC)」において、…
07:15
資産運用大手6社、日本での仮想通貨投資信託の提供を検討
資産運用大手6社が、日本での仮想通貨投資信託の開発を検討していることがわかった。米国でビットコインの現物ETFが認可されたこともあり、日本でも仮想通貨投資信託の誕生に期待する声は多い。
07:05
クラーケンがシタデルから2億ドル調達し企業価値200億ドルに、IPO前に資金基盤強化か=報道
クラーケンがシタデル・セキュリティーズから2億ドルの戦略的投資を確保し企業価値200億ドルと評価された。9月の6億ドル調達に続きIPO前に資金基盤を強化している。
06:35
米通貨監督庁、銀行に「ガス代支払い用」の暗号資産保有を承認
米財務省通貨監督庁が国法銀行によるブロックチェーンネットワーク手数料支払いのための仮想通貨保有を正式承認した。トランプ政権下で仮想通貨に対する規制姿勢が転換している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧