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ビットコインなど仮想通貨市場が大幅安、下落要因に4つの背景

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場とBTC(ビットコイン)

8日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン(BTC)価格は、前日比4.82%安の189.8万円(18200ドル)と大幅下落した

4つの下落要因

今回のビットコイン下落要因としては、主に以下の点が挙げられる。

  1. 心理的節目の達成感
  2. 保ち合い下抜け
  3. デリバティブ市場の需給
  4. アルト急騰と目先材料出尽くし

2万ドルの節目を目前にして反落したビットコイン。 今年10月以降の上昇相場では、米決済大手PayPalの事業参入をはじめ、上場企業や機関投資家の相次ぐ参入報道など極めて強いファンダメンタルズに支えられ、急落の度に即反騰してきた。

しかし、ここにきて風向きは変わりつつある。その要因となっているのが、のATH(All Time High)を更新した主要取引所における、機関投資家、及びクジラ(大口投資家)の利益確定売りだ。

直近強気相場で利益が膨らんでいることが予想されるなか、クジラの資金移動を示す取引所へのインフロー増加や、大手取引所における19,300ドル上の売り板の厚さなどが指摘されていた。薄商いとなる年末年始相場に向けた「税金確定売り」もあるものと思われる。

新型コロナで深刻な打撃を被る”実体経済”と乖離して、米ニューヨーク株式市場や東京株式市場が高値更新を続けるなか、大きな調整が訪れるようなことがあれば、ビットコインなど仮想通貨市場も巻き込まれるリスクは否めない。コロナ禍で物色されていたマザーズなど新興市場のグロース銘柄から大型バリュー株への資金移動も確認されており、すでに一部のヘッジファンドや個人投資家は市場から資金を引き揚げつつある。

関連:ビットコイン大量購入の米上場企業、Citiアナリストが評価引き下げ──2つの理由

クジラの撤退行動

データ分析企業CryptoQuantののKi Young Ju CEOは11月30日、目標ラインに達した”クジラ”の撤退行動を指摘。「短期的には弱気」だと分析していた。

根拠にあるのは、独自指標である「Exchange Inflow Mean(MA7)」だ。

過去3年間のオンチェーンデータを確認すると、過去7日間平均の入金額が0.5BTC未満に下落している局面は、まとまった資金を投じるクジラの減少と、個人投資家比率の増加を示唆する。

All Exchanges Inflow Mean

テクニカル分析

BTC/USDチャートを確認すると、10日間かけて形成した保ち合いを下方ブレイク。反発局面でロールリバーサル(①)しており、短期的なトレンド転換を示唆している。

一方、18,000ドルの心理的節目で300ドルほど反発しており、リスクファクターを鑑みながら目下18,500ドル上を回帰できるかが焦点となりそうだ。12月安値の18,000ドルで押し目との見方が強まれば大幅反発の目もあり得るが、底抜けた場合17,400ドル、あるいは16,300ドル付近のサポートライン(下値支持線)まで一段安となるおそれもあり、そうなれば新規市場参加者のパニック売りが警戒される。

どこで下げ止まるかは判断が難しく、日足・週足確定ラインなど慎重に見極める必要がありそうだ。

デリバティブ市場の過熱感も

クリプトアナリストの仮想NISHI氏は、7日の市場動向について、アクティブ未決済建玉(OI)やFundingRate(資金調達率)の増加、先物市場のBasis上方乖離に言及。デリバティブ市場における過熱感の拡大を指摘した。

19,000ドルを超える高値圏で揉み合う中、デリバティブ市場でのロング増加を示唆しており、保ち合いを底抜けたことで狼狽売りが加速した可能性がある。

ベーシス(Basis)とは、現物価格と先物価格の価格差のこと。BitMEXの元CEOアーサー・ヘイズ氏によれば、ベーシスの乖離局面では「熟練の投資家が現物を買い、先物を空売りしプレミアムを稼ぐ傾向」になりやすく、テクニカル的な山場を迎えた後のベーシスの上方乖離は天井シグナルのひとつを示す。

bitFlyerなど国内取引所でも、デリバティブ先導の上方乖離が膨らんでおり、デリバティブ市場の沈静化は、反転の目を伺うにあたり一つの目安となるだろう。

ここ数ヶ月間で、仮想通貨市場の投資家心理は一変した。

ETH(イーサアリアム)やXRP(リップル)が高騰するなどアルト市場への資金流入も目覚ましく、その反面、短期的な過熱感から大口の利益確定売りを促した可能性がある。

イーサアリアムは大型アップデートETH2.0の「ビーコンチェーン稼働」という歴史的節目をすでに迎え、相場が一服。XRP関連ではSparkトークン付与の「権利確定日(スナップショット)」が12日に迫る中、材料出尽くし売り(セル・ザ・ファクト)に押されることも懸念される。

国内事業者12社は4日、リップル(XRP)保有者へのSparkトークン付与を予定するFlare Networks社と基本合意に至ったものの、「22年6月12日までに日本暗号資産取引業協会(JVCEA)と金融庁に上場承認された場合、Sparkトークンを請求し、XRP保持者に分配する。」との条件が盛り込まれており、規制当局との兼ね合いで、国内マーケットではすぐに取り扱うことができない可能性が生じている点には留意したい。

関連:リップル(XRP)保有者へのSparkトークン、国内事業者12社がFlare Networksと基本合意

中・長期の展望はポジティブ

一方で、コロナ禍における世界経済の立て直しが、今後数年間に渡る主要トピックとなることは市場コンセンサスとして定着しつつある。米ドルや日本円などの法定通貨が、大規模量的緩和におけるインフレーションで徐々に価値を失うなか、金同様の代替資産性が認められつつあるビットコイン市場には追い風だろう。

今後さらなる調整局面が訪れた場合、買い場探しの機運が強まるものと思われる。

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