仮想通貨市況
6日の仮想通貨(暗号資産)市場で、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)が前日比10%高と高騰している。
1月4日に50万円幅暴落を機に、地合いの悪化も一時懸念されたビットコイン市場は、その後の大幅反発で、押し目買い(買い戻し)意欲の旺盛さを確認。米グレイスケールのファンド資産の一部がBTCやETHなどに再投資されることが発表されると更に騰勢を強めた。
グレイスケールは日本時間5日22時、提供する投資信託「Digital Large Cap Fund」からXRP(リップル)を除外し、ビットコイン、イーサリアムなど4銘柄に再投資する方針を発表した。
1/ Following the Quarterly Review (12/31/20), we are pleased to announce the updated weightings for Grayscale Digital Large Cap Fund (“DLC Fund”)
— Grayscale (@Grayscale) January 5, 2021
Digital Large Cap Fundは、時価総額上位の銘柄で組成される投資信託で、BTC・ETH・XRP・BCH・LTCの5銘柄をルールに則った組成比率で運用するファンド。今回、同ファンドが運用するXRPの全ポジションを清算し、当該4銘柄に再投資した。
対象となったファンドの最新運用額は、2.8億ドル前後(287億円)。除外前のXRPの運用比率が1.46%。同社の資産分配が時価総額が拡大するBTC・ETH市場への影響はキッカケとなり、機関投資家の相次ぐ参入報道でグレイスケールの影響が意識付く中で、同社の発表を市場が好感した。
Digital Large Cap Fundの組成銘柄の最新割合はBTC(81.63%)、ETH(15.86%)、LTC(1.43%)、BCH(1.08%)とビットコインやイーサリアムに高い比重が置かれており、6日に高騰した4銘柄の中でも、特にBTCとETHが高パフォーマンスを示している。
一方、下落に転じたXRP市場は、米SECの訴訟から、下落基調の波を抜け出せずにいる。
市場は、訴訟の進展の不透明性を嫌気するほか、相次ぐ取引所のXRP取引停止報道を受け、マーケット流動性の一時的な低下を懸念している。
XRPの保有状況が変化しているのは個人投資家だけではない。データサイトCoinMetricsのデータによると、100万XRP以上を保有する大口アドレス数が過去2週間で約8%減少した。
12月22日の1,705から、1月4日の1,562と、約2週間で143アドレス減となった。タイミングは、SECがリップル社を提訴した時点(12月23日)と傾向に一致する点がある。
なお、XRP市場の取引ポイントになり得る動きとしては、XRP基軸採用のBitrueのSparkトークンの事前取引(IOU)がある。
将来的にFLRトークンと1:1で交換可能なIOUの取引を対XRPペアで提供を6日より開始する予定で、他の取引所に移管できるXRPへ利確する動きが見られる可能性も指摘される。
リップル訴訟に関する国内外仮想通貨取引所のXRP対応は、以下の記事で一覧で確認できる。