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ESG投資家がプライバシーを最優先事項とすべき理由|オントロジー(Ontology)寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

投資家がプライバシーを優先すべき理由

持続可能な取り組みを行う企業は、低リスクかつ長期の利益を提供してくれると期待し、ESG(Environmental, Social and Governance/環境、社会および政府)分野を投資の選択肢として取り入れる投資家が増えてきています。このような背景から、データプライバシーおよびデータ管理が、今日組織が直面している、最も差し迫った課題の一つとなっています。

ブラックロックのCEOであるLarry Fink氏は、投資家は今後、持続可能性に焦点を当てた企業へ「構造的に移行(tectonic shift)」するだろうと予測しています。この移行は、Covid-19が世界的に流行したことによりさらに加速していると、Fink氏は考えています。世界最大の資産運用会社であるブラックロックは、市場を動かす絶大な力を持っています。しかし、この移行を予測しているのは、彼らだけではありません。大手投資銀行の多くが、将来への見通しが利かない時代においては、持続可能な企業への、リスクが軽減された投資こそが未来であると見込んでいます。

比較的初期段階にある投資では、有効なデータ管理プロトコルが十分に整備されていない可能性があるため、持続可能な企業への投資急増に伴い、プライバシーおよびデータ漏洩のリスクが高まっています。そのため、データプライバシーおよびデータ管理が、持続可能な投資への参加において、次に控えている大きなトレンドとなるでしょう。

投資を考えている企業を分析する際、投資家はその企業に関して様々なチェックを行います。その内容は、財務、内部および外部のプロセス、採用手続き、データ管理プロトコル、ならびにGDPR(EU一般データ保護規則)およびCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)など規制への対応等、枚挙に暇がありません。

サイバー攻撃およびデータ漏洩がかつてないほどに頻繁に発生している時代において、効果的なデータ管理対策を適切に講じることは、企業、とりわけ今後投資を受ける機会が増えるであろう企業のパフォーマンスにとって、極めて重要です。投資会社は、組織がどのようにしてサイバー攻撃または詐欺からシステムを保護しているのかを、見定める必要があります。このような攻撃に対するデータ保護対策の違いにより、投資が無駄になるか、持続可能性を核に高利益を生み出す企業になるかの分水嶺となります。

プライバシー強化技術(PET; Privacy-Enhancing Technology)および分散型IDソリューションなど、最新のデータ保護手段を取り入れ、トレンドの最先端に位置することにより、組織はその魅力、競争における優位性、および収益を増すことができます。持続可能な取り組みを行う企業はもちろん、現在今まで以上に人気を博している、ESGに焦点を当てた企業に追いつき、遅れを取り戻すと同時に、市場での地位を高めたい企業も、このようなメリットを享受できます。

持続可能な取り組みを行う組織への人気が、持続可能性を事業目標として押し出していない企業の人気を上回る日は、そう遠くないかもしれません。つまり、持続可能性に注目していない企業は、競争力を維持し、有望な投資家を惹きつける他の方法を見出さなければなりません。業界を牽引するような、データ管理プロセスを維持することは、この点で大きな助けになる可能性があります。

包括的なデータ管理手順を確保しておくこともまた、競合他社よりも優位に立ちたい企業にとって、経済的メリットになります。米Ponemon Instituteが2020年に発表した報告書によると、データ漏洩の平均被害額は386万ドル(約4億700万円)にも上ります。この被害額は、株価への影響も相まって、地位を最大限まで高めたい多くの企業にとって、壊滅的な打撃になり得ます。また、このような手順を保護しておくことにより、GDPRなどの規制遵守も簡単になります。GDPRに違反した場合、金銭面に大きな損害が生じます。

たとえば、Googleは2018年にGDPR違反として、5,700万ドル(約60億円)の罰金を課され、データ管理手順の修正を余儀なくされました。要するに、効果的なデータ管理は、企業の収益面だけでなく、評判にも大きな影響を与えます。これは、持続可能性を度外視する企業のイメージ悪化と似ています。イメージ悪化には、コストがかかります。

IDC(インターネットデータセンター)は、2025年までに175兆ギガバイト相当の新規データが、世界中で創出されると予測しています。在宅勤務により、オフィス内の物理的サーバーによって提供されていた、より高度なデータ保護手段から離れる人が増えるにつれて、今後企業のデータは、今までよりもはるかに大きなリスクに晒されるようになります。

自宅およびオフィス両方のハイブリッド型勤務形態、ならびにクラウドコンピューティングが一般的になり、これらに関連した脆弱性が生じると、ハッカーも出現します。リスクに晒されているデータが増えれば増えるほど、ハッカーの数も増えるという研究結果が出ています。悪意あるアクターは、今後もデータエコシステム内に存在し続けますが、予防策を講じることは可能です。持続可能な投資および投資銀行から、ブロックチェーン、医療および商業に至るまで全ての業界において、企業は、プライバシー向上技術および分散型IDソリューションを採用し、データ漏洩のリスクを最小限に抑えることにより、市場での地位を高めることができます。

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