WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

2021年のデータ規制:漸進か、それとも躍進か|オントロジー(Ontology)寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

オントロジーが考えるデータ規制のこれから

私たちは、次世代の経済がどのように機能するかを決定づけるデータ規制に関して、最も活発な時代を生きています。銀行、製薬および労使関係など、ほとんどの業界には、数世紀にもわたる規制の先例が存在しています。

環境規制や通信規制にも、少なくとも数十年分の先例があります。大手テクノロジー企業が直面している規制に関する懸念の一つ、反トラスト法(独占禁止法)でさえ、20世紀の幕開けを節目として制定されたという見解に基づいて施行されているようです。

データ規制の変遷

データ規制が一から策定される、その過程を私たちは目の当たりにしています。データ規制は、個人のプライバシーという概念を根底に、9.11後に制定された国家安全保障に関する規制から、2016年大統領選の余波で見直されたデータ収集に至るまで、世界中で起きた出来事に大きく影響されています。また、考慮すべき技術的要素、とりわけ機械学習技術を活用した医療や、今まで以上に膨大な量のデータセットによる犯罪予測などは、規制対象となっています。

以前のデータ規制では、注目度の高い出来事に対して、決まりきった対応をしていましたが、テクノロジー分野および政府の両方が成熟してきた今、不適切な法律が制定される段階から先に進んでいます。2018年にEU一般データ保護規則(GDPR)が導入され、新しく前例のない、世界的なデータ保護に関する標準が設定されました。その後、2020年元日にカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)が施行されたことにより、米カリフォルニアのデータ規制は、ヨーロッパのデータ規制に大きく近づきました。

米国テクノロジーの本場、カリフォルニアのCCPAは、事実上、米国全体の規制と同然と言っても過言ではないでしょう。同様の法律は、カナダ、ニュージーランド、中国および南アフリカなどでも可決されています。これにより、新しい世界的なデータ規制の時代がやってきました。

2021年におけるデータ業界の展望

2020年が過去のものとなった今、増え続けるニーズに応えるためには、データ業界は今年1年間でどのように進化していくべきでしょうか?2021年は、データプライバシーに関する法律がついに試行運用され、効果を検証するための判例法が生まれる年になるかもしれません。

2020年は、新型コロナウイルスのパンデミックにより、GDPR違反の罰則執行が一筋縄では行きませんでした。英国では、公表されていた著名企業の罰金が、延期および削減されています。ブリティッシュ・エアウェイズには本来、1億8,300万ポンド(約264億6,000万円)の罰金が課されていましたが、最終的な支払額は2,000万ポンド(約28億9,000万円)でした。マリオットホテルも、1億ポンド(約146億6,000万)のうち、1,840万ポンド(約26億6,000万円)しか支払っていません。

両企業ともパンデミックで大打撃を受けた分野で活動しているため、経済的苦境が規制に大きな影響を与えました。しかし、規制当局は手緩い対応をしていると思われたくはありません。2021年にヨーロッパの規制機関が再度地位を確立し、同様の国際的規制機関が初めてその威力を誇示した暁には、このハネムーン期間は終わりを迎え、罰金額が増加すると予測できるでしょう。

各国はどのように対処するか

データ規制に関する議論のほとんどで、プライバシーに焦点が当てられていますが、データローカライゼーション(データのローカル化)も、今年予測されているトレンドの一つです。データローカライゼーションとは、ある地域または国内でのデータ保管を法律で義務付けることを指しています。これにより多国籍企業は、特定の国から得たデータを保管しておくための、ローカルな保管設備を用意しなければなりません。

この問題は、2020年にトランプ政権が、データローカライゼーションまたはデータ主権の名の下、TikTokの米国事業を売却するよう脅迫したことで、国際的ニュースになりました。政府が民間企業に干渉したことにより、国家ではなく企業を代理する「新冷戦」についての議論が生じました。この過程で、データ問題に明るい弁護士やロビイストの間で、データローカライゼーションが差し迫った検討事項として浮上しました。

この課題を解決するため各国政府は、米国の取り組みを反映し、国民のデータに対して特別措置を要求するでしょう。このことは、非民主主義的体制下で展開している国際的テック企業にも、かなりのプレッシャーを与えると考えられています。

英国EU離脱にまつわる取引交渉が延期され、米国および中国間の対立が深まっている現状に鑑みれば、データ主権がナショナリズムを支持する政治家の間で課題になっていることは、当然の結果です。雇用を守ることを目的として貿易制限が叫ばれているのと同様に、国民の情報および知的財産を保護するためにデータ規制が提唱されるでしょう。

特に人工知能関連企業が生み出された国では、経済的成功および国家安全保障の観点から、データを重要な資産と見る傾向が強まるでしょう。個人のプライバシー、ならびに経済および国家安全保障的要素を兼ね備えたナショナリズム間で増加する相互作用により、2021年の政策およびデータ規制が決定されます。

データ分散化の意義とは

最後に、分散的な方法でデータを繋げ、データに基づいた経済を発展させることは、その業界の発展にとって、非常に重要です。データ共有に採用されているブロックチェーン技術など、私たちはテクノロジーの台頭を目撃しています。そしてブロックチェーンもまた、データ規制に重大な影響を与えています。

最近の例を挙げると、英国では二つの病院が、Covid―19ワクチンの保管および接種記録に、分散型台帳を利用しています。実用的なユースケースが一般的になった場合、おそらくEUまたは米国を筆頭に、それが今後の規制に関する、何らかの契機を提供するかもしれません。

バイデン大統領が選出したSEC(米国証券取引委員会)長官は、「仮想通貨(暗号資産)は規制下にある」と過去に述べています。GDPRがプライバシー規制の世界標準を定めたように、2021年の初動が、世界的規制の方向性を決定する可能性があります。

私たちの経済および文化は、テクノロジーおよびデータによって形成されています。そしてそのようなテクノロジーおよびデータは、同様に規制方法によって形作られています。2021年はついに、テクノロジーおよびデータ、ならびに規制が、どのように展開するのかを目撃できる年になるかもしれません。

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/02 月曜日
14:55
米上場企業、5833BTCのビットコイン売却か担保化を検討 バイナンス事件受け
米ナスダック上場のネクスト・テクノロジーが、保有する約5,833BTCの売却または担保設定を取締役会で承認した。バイナンスの不正流出事件を受け、カストディリスクの高まりを理由に挙げている。
14:10
DeFiサイトなど15ドメインに不正リダイレクト 訪問者の資金抜き取り
Name.comは顧客ドメイン15件が不正にリダイレクトされたと発表した。DeFiサイトでのEVM系流出額は約13.8万〜20.2万ドルと推計されている。
13:05
SBI VCトレードのJPYSCレンディング残高、100億円を突破
SBI VCトレードは2日、円建てステーブルコインJPYSCのレンディング(貸コイン)残高が100億円を突破したと発表した。取扱残高も300億円を超えた。利用料の計算方法と、貸出中のJPYSCが分別管理の対象外となる点など、利用者が負うリスクを整理する。
11:40
カルダノ団体、Linuxの重大欠陥でプール運営者に更新呼びかけ
カルダノのガバナンス組織インターセクトが、Linuxカーネルの重大な脆弱性についてステークプール運営者(SPO)に更新と再起動を要請した。深刻度は10点満点中9.8。委任されたADAへの影響と主要ディストリビューションの修正状況をまとめた。
10:10
トランプ氏、北朝鮮関与なら対話の意向 バイナンス攻撃でFBIが関与発表
米FBIはバイナンスから63億ドル規模の仮想通貨が流出した件は北朝鮮系ハッキング集団の犯行だと発表した。トランプ大統領は関与が確認されれば北朝鮮と協議する意向を示した。
09:35
BTCPay Server、ホットウォレット不正流出の報告受けサーバー停止を要請
ビットコイン決済ソフトBTCPay Serverは2日、複数のサーバーでホットウォレットの資金が不正に抜き取られているとの報告を受け、運営者にサーバー停止を呼びかけた。原因や被害規模は明らかにしていない。
08:31
北朝鮮の仮想通貨窃取累計約1.9兆円、GDP45%相当=アナリスト
バイナンスから60億ドル超が流出した事件を受け、北朝鮮ラザルスによる仮想通貨の累計窃取額は118.7億ドルに達したとアナリストが試算した。北朝鮮のGDPの45%に相当する。FBIは今回の事件を北朝鮮の犯行と発表している。
07:44
バイナンス出金再開、9時間半で純流出約5700億円 預かり資産の2.1%
バイナンスは、ハッキング被害で停止していた出金を11月1日から段階的に再開した。約9時間半で出金は約46億ドル、入金は約10億ドルで、純流出は預かり資産の2.1%にあたる。新たなプルーフ・オブ・リザーブ(PoR)は近く公開される見込み。
11/01 日曜日
11:30
ビットコイン、急落し1200万円台に AI関連決算と雇用統計が焦点|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン(BTC)は、AI投資採算性への懸念とバイナンスからの大規模不正流出が重なり、1200万円台まで急落した。目先はAI関連企業の決算ラッシュと米雇用統計が相場の方向感を左右する焦点となる。
09:25
週刊仮想通貨ニュース(10/30)|バイナンス流出・BTC価格予測・リップルの発表のまとめ
今週は、リップルによる年間プロダクト収益のランレート発表、グーグルのセキュリティツール限定公開、ビットワイズによる仮想通貨ビットコインの価格予測、バイナンスの不正流出に関する記事が関心を集めた。
10/31 土曜日
14:02
仮想通貨犯罪追跡大手チェイナリシス、不正アクセス被害に
仮想通貨分析大手チェイナリシスが30日、顧客のユーザーIDや氏名などへの不正アクセスを公表した。10月には日本の佐川急便や米国のオラクル・ヘルスを含む数百件の個人情報漏えいも確認されている。
13:45
米クラリティー法案が再び焦点に、バイナンス被害で資産凍結の法的保護めぐり論争広がる
仮想通貨取引所バイナンスで約63億ドル(1兆円超)の被害が出たハッキングを受け、ルミス上院議員は、クラリティー法案が成立していれば不審な取引を凍結できたと主張した。これに反論も出ており、業界団体は取引所の連邦監督を議会に求めている。
13:10
テザー社、USDT準備金の超過分が1兆円超えに回復 6月末から約2倍に
ステーブルコインUSDTを提供するテザー社は、7~9月期の準備金保証報告書を公表した。9月末の超過準備金は79.5億ドルで6月末から約2倍になっている。
11:02
ハイパーリキッドの収益源多角化、USDC準備金利回りなどの割合増加=レポート
グレースケールによると、ハイパーリキッドのコア取引手数料は9割超から約6割に低下し、HIP3や準備金利回りなど様々な部門からの収益が前年から倍増している。
10:20
東証上場イオレ、保有151.21ビットコインを全量売却へ AIデータセンター投資に充当
東証上場のイオレは30日、ビットコイン151.21BTCの全量売却を決議した。売却見込額は18億3,100万円、売却損は約2億5,400万円の見込みで、代金はAIデータセンター事業関連投資に先行して充てる。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧