個人投資家には全額投資をしないことを推奨
AAXのロシア、CIS地域のマネージャーであるAnton Gulin氏は、GameStop株を始めとした個人投資家による熱狂に対する考察記事を公開した。
掲示板Redditのユーザーを中心とした熱狂は仮想通貨にもおよび、その対象となった銘柄のXRPやDOGEは激しい上昇と下落を経験している。
機関投資家の増加など手堅い材料もあるが、仮想通貨の価格の予想は難しいため、一度に全額で購入することは避けることを推奨した。
GameStopに始まった現象
GameStopの株式の狂乱は、人気掲示板RedditのWallStreetBetsスレッドから始まった。
記事によると、ビデオゲームストアのGameStopは産業のオンラインへの移行によって売上高の減少に悩まされ、2015年から2020年にかけて在庫とともにほぼ90%減少したという。
そのため、GameStopはヘッジファンドによるショートの対象となってきたが、Redditユーザーはそのヘッジファンドとの戦いでショートスクイーズ)を引き起こし、結果としてヘッジファンドのショートポジションが急上昇の燃料となった。
結果としては、ヘッジファンドは多くの損失を負ったことになる。Citron CapitalはGameStopのショートポジションのほとんどを100%の損失で手仕舞いし、メルヴィン・キャピタルは資金のほぼ30%を失っている。
その後、GameStopは人気の株式取引アプリであるロビンフッドにおけるロングポジション機能の停止などを受け、株価が下落した。2月19日に行われた米下院の公聴会でロビンフッドのブラッド・テネフCEOは取引を制限したことを謝罪している。GameStopのひと段落により、Redditユーザーの次なる関心は暗号資産(仮想通貨)など他市場にも飛び火したとされる。
1月末には、メッセンジャーサービスのテレグラムに「2月1日にXRPを購入してホールド」という部屋が建てられ、参加人数は期限前までに上限となる20万人に到達している。
しかし、XRPは指定された時間までに急落し、マージンポジションの清算は5億800万ドル(約530億円)のトレーダーの損失を生み出した。また、XRP価格の上昇については、XRPを放棄した大口保有による大量買いによって引き起こされたとの推測があるという。
そのほか、インターネットミームを基にした仮想通貨DOGEもRedditトレーダーの波を受け高騰したと考えられている。きっかけのひとつとして、WSB Chairmanというニックネームで活動するツイッターユーザーの巻き起こした議論においてDOGEが浮上したという。
数日で1000%近くも上昇したDOGEは、周知のことながら米国の起業家、イーロン・マスク氏によるツイートの影響も大きい。マスク氏はDOGEに関するツイートを複数回投稿しており、価格の急騰を招いている。
どう仮想通貨を購入すべきか
暗号資産(仮想通貨)を巡っては大手企業の参入も増えている。2月の初旬には、VISAが銀行によるデジタルマネーサービス参入を可能にするサービスを発表。大企業や機関投資家の参入はボラティリティの低下や価格の操作によるリスクなどを低減させる。
アナリストの中には、現在の価格レベルですら過小評価されているとする専門家もいる。資産運用会社Guggenheim Partnersの投資ディレクターは、長期的には、最初の暗号通貨の見積もりが40万ドル〜60万ドルに達する可能性もあり得るとの考えを明かした。
そんな中、AAXでは、暗号資産への新規ユーザーの増加に注目しているという。AAXによると、ロシア及びCIS地域を中心として、21年1月のサービスへの登録数、預金増加は前年12月に比べ310%増加したとのことだ。
そこで、AAXのアナリストは、こういった状況の中で正しく市場に参入するため、参入価格を平均化することを推奨した。これによって価格の下落はより良い機会になる可能性がある。
また、暗号資産の価格の推移を正確に予測することは不可能だと警鐘を鳴らす。一度に全額を投入しないことで、後に購入する機会を持つことができる。
考察では、21年の第1四半期に55,000ドルに達する可能性を非常に高いと見積もっていたが、20日時点でビットコインは55,000ドルを突破。また、マクロ環境を考慮しても厳しい弱気相場になると信じる理由はあまりないとアナリストらは結論づけている。
AAXとは
AAXは2018年に設立された仮想通貨取引所で、マルタに本拠地を置く。ロンドン証券取引所グループ(LSEG)のテクノロジーを採用した世界初のデジタル資産取引所で、LSEGの堅牢でスケーラブルな技術により、高いパフォーマンスと信頼性を提供する。
OTC取引、スポット取引、先物取引を用意、厳選された幅広い仮想通貨やデジタル資産を取り扱っており、安全性・流動性・高速取引も提供している。
Twitter:AAX
Blog:AAX.com