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中国人民銀行、デジタル通貨の国際ルール設定を提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「CBDCを国際決済に使う上での規則が必要」

国際決済銀行(BIS)が開催した「イノベーションサミット2021」に、中国人民銀行デジタル通貨研究所のMu Changchun所長が登壇し、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)の国際的なルールを定めることを提案。デジタル人民元の仕組みについても説明した。

Changchun所長は、ある法域の通貨主権や金融安定性を保つことが、CBDC発行の一つの理由だとして、ある国の発行するCBDCが他の国のCBDCを妨げることがあってはならないと述べた。金融安定性の文脈では、ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)や米ドル依存などから一国の通貨主権を守る手段としてもCBDCに触れている。

その上で、資本管理や外貨交換システムなど、関連する制度における国際的な規則を守って運用されることが必要だと話す。国際的なユースケースや監督体制、情報共有などについての規則策定にも言及した。

さらに、各国CBDC間での相互運用性の重要性についても触れている。CBDCによる国際決済システムを構築する上では、様々な通貨のデジタルウォレット間で互換性を考慮することが必要になるという。

取引が法的遵守して行われているか規制当局が監視できるように、財務データとデジタル通貨の流れは同期している必要があるとも指摘。分散型台帳技術(DLT)などによる監視力のある外貨交換プラットフォームも構築可能だと続けた。

今後の課題は、デジタル通貨の合理的な供給方法を見出し、それを国際通貨システムの一部として、持続可能性のある安定的な仕方で運用することだとしている。

デジタル人民元の開発理由

Changchun所長は、デジタル人民元の開発理由を幾つか挙げた。

まずビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など仮想通貨の人気が高まる中、国の通貨主権について懸念が生じたことが開発理由の一つだという。

さらにアリペイなどモバイル決済市場が重要な金融インフラとして成長していたことがある。こうした決済インフラに、もしも金融的・技術的なトラブルが起これば金融安定性に悪影響を及ぼしかねない。このため、リテール決済システムをバックアップするようなシステムが求められていたと所長は説明。

また決済システムの効率性を向上させユーザーの能力を強化することや、銀行口座を持たない人々が多い遠隔地や貧困層に基礎的な金融サービスを提供することも、デジタル人民元開発の目的として挙げた。

デジタル人民元のシステム設計は?

システム設計の上では、あらゆる小売業者がデジタル人民元決済を受け付けるために、様々な決済プラットフォーム間にあるバリアを乗り越えなければいけないと話している。

その上で、アリペイなど既存の民間決済プラットフォームとデジタル人民元は共存・協力していくという。

またトークンと銀行口座という両方の形でハイブリッドに流通し、高齢者や障がい者でも便利に利用できる機能を備えたものにしたいとも展望した。

Changchun所長によると、こうしたシステム設計の下で、様々なセクター(銀行や、AI企業、モバイル端末企業、ICチップ関連企業、アルゴリズムをつくる企業など)がデジタル人民元の開発に関与している状況だ。

中国ではデジタル人民元の実証実験も盛んに行われており、上海や北京などの都市で市民がデジタル人民元を配布され、店舗などでショッピングを行うキャンペーンが実施されてきた。

関連:中国・上海のデパートでデジタル人民元の決済実験、国際女性デーに=報道

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