はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

分散型オラクルプロジェクトNESTがアップデート、更なる分散化へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

NESTがv3.6へアップデート

イーサリアムブロックチェーンを基盤に、分散型の価格オラクルネットワーク(Distributed Price Oracle Network)開発を行うプロジェクト「NEST」が、27日からv3.6へのアップデートを開始。分散型ガバナンス実装を初めとした新規機能および変更がプロトコルに加えられ、プロジェクトの分散化へ向け、大きく前進した。

分散型ガバナンスの実装

今回発表されたv3.6へのアップグレードで最も重要な点が、分散型ガバナンスの実装だ。

NEST DAOガバナンスの始動により、開発者の特権が廃止され、NESTプロトコル上で発行されているERC-20トークン、NESTトークンの保有者は、ガバナンス投票に参加できるようになった。51%以上の投票者の承認を得た変更および更新提案は、即座に署名なしでプロトコルに反映される。プロトコルの変更を提案したいユーザーは、Githubに改善案を提出し、実際にコードを書かなければならない。

その他、以下がv3.6へのアップグレードにより導入された。

  • 配当金システムが完全に廃止され、プロトコル収入を全てNESTトークンの再購入に利用
  • nトークン(任意のERC20トークン/ETHの価格オラクルが開かれた際に発行されるトークン)のクオテーション(NESTにおいてマイナーが価格を提示する行為)規模が10ETHへ変更、マイナーが支払う手数料が0.1ETHの倍数かつ最大で225回へ変更
  • クオテーションの正当性を検証する期間が25ブロックから20ブロックへ変更
  • NestNodeトークン(NESTの初期投資および支援者が保有しているトークン)報酬がクオテーション・プロセスから分離、自動化コントラクトを実装

NESTはv3.6へのアップグレードに関して「イーサリアムでさらなる価値を生むために、エコシステム外部からDeFiプロトコルへ参加するように推奨していきたい」と公式ブログで述べている。

今後の開発計画

NESTは、v3.6ローンチに先立ち実施されたAMA(Ask Me Anything/なんでも聞いて)にて、v3.6ローンチ以後の開発計画について語った。

NESTのグローバル展開を担う組織NEST LABSの代表、Tina Zhang氏によると、21年のNEST開発におけるキーワードは、「demand(=需要)」だという。NESTだけでなく仮想通貨業界全体が、一般の人に広く受け入れられるよう、NESTの価格情報フローに基づいた金融プロダクトの開発に注力し、イーサリアム経済圏を支える価格プロトコルになることを目指していくと、同氏は説明した。

具体的には、以下の開発が計画されている。

  • NESTプロトコルに基づいたAMM(Auto-Market-Maker/自動マーケットメイカー)、CoFiX 2.0のローンチ
  • Parasset(NESTの価格情報に基づき原資産となるトークンと1:1で並列して発行される資産)のローンチ
  • レンディング(貸付)プロトコル「Tank」、および無期限契約プロトコル「Fort」の開発
  • ガス代節約およびマイナーの乱数性に関する課題解決
  • NESTプロトコルの価格情報フローに基づいた金融プロダクトの実例をリサーチ

非協力ゲーム理論に基づいた経済システム

NESTは自身のプロトコルを、単なるオラクルではなく「非協力ゲーム理論に基づいたシステム(non-cooperative gaming system)」と形容している。非協力ゲームとは、複数の利害関係者の戦略や行動を分析するゲーム理論において、参加者同士が提携せずに、個々の利益の最大化を目指して行動することが予測されているゲームを指す。

その描写どおり、NESTが提供するオラクルシステムでは、ある資産のブロックチェーン外の価格を提示する価格提供者(「マイナー」と呼ばれる)が、相場からかけ離れた不適切な価格を提示した場合、マイナーが提示した価格および実際の価格間での差額を利用し、誰でもアービトラージ取引を行い価格を調整できるため、マイナーを信用せずとも正しい価格が入手できる設計になっている。

NESTは自身のブログにて、非協力ゲームという観点から見たブロックチェーンの発展を、以下のように表した。

ビットコイン(BTC)は、非協力ゲーム理論に基づいて改ざん不可能なデータ(価値転送)を可能にした。イーサリアム(ETH)は、非協力ゲーム理論に基づいて改ざん不可能なロジック(スマートコントラクト)を可能にした。NESTは、非協力ゲーム理論に基づいて改ざん不可能な取引レート(価格情報フロー)を可能にしている。この点から考えると、他のオラクルは単なる価格データ商品であり、価格のアウトプットのみを行う単一プロダクトだが、NESTプロトコルはエコシステムであり、非協力ゲーム理論に基づいた真のシステムだ。

関連:分散型価格オラクルネットワーク、NESTとは

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/15 木曜日
17:44
リミックスポイントが決算発表、経常赤字5.4億円に 来期の暗号資産は強気シナリオ想定
リミックスポイントが25年3月期の決算を発表。暗号資産(仮想通貨)評価損が影響し、5.4億円の経常赤字となった。一方、来期はビットコインETF資金流入やトランプ政権政策を背景に、業績の大幅回復を見込んだ。
17:16
NXPCとは|MapleStory N対応の仮想通貨を解説|買い方・将来性
Nexon発のMapleStory Nで使用される仮想通貨「NXPC」の仕組みや買い方を初心者向けに解説。メイプルストーリーのWeb3版ゲームの経済システムからウォレット設定まで徹底ガイド。
14:00
「イーサリアムにおける重要な転機」BTCS社、ETH保有増やすために最大84億円調達へ
ナスダック上場のBTCS Inc.が84億円規模の転換社債発行で仮想通貨イーサリアム購入戦略を強化。第一弾の調達ではバリデーターノード運用拡大とステーキング収益増加を目指す。
13:15
米民主党、トランプ一族の仮想通貨事業に関する「疑わしい活動報告」提出を財務省に要請
米下院の民主党幹部が財務省に対し、トランプ一族のDeFi事業「WLF」とミームコイン「TRUMP」に関する疑わしい活動報告(SAR)の提出を要請した。民主党は、要請の根拠として「贈収賄、汚職、利益相反」への懸念を挙げた。
13:00
パンテラCEO、ビットコインが米株式市場を凌駕する理由を解説
仮想通貨VC大手パンテラキャピタルの創設者がToken2049で講演。米政権の好意的な政策や市場の割安感から、ビットコインが株式市場を上回る成長をいずれは遂げると分析。
12:00
JPモルガン・Ondoなど、RWAトークン化のクロスチェーン決済実験に成功
チェーンリンク、JPモルガン、Ondo Financeが共同でトークン化米国債ファンドのクロスチェーン決済テストを実施した。DvP取引の効率化とリスク低減を実現するとしている。
11:53
アジア富裕層が仮想通貨投資を拡大、アルトコイン市場は節目を超える
暗号資産(仮想通貨)ビットコインは10万ドル台を堅持し、過去最高値まであとあと6%の位置に迫る。アルトコイン市場も840億ドルの抵抗線を突破し、底打ち反転のシグナルも。UBSの調査ではアジアの富裕層が従来の資産から仮想通貨へ資金を移している現状が指摘された。
11:20
ウクライナ、国家のビットコイン準備金創設へ=報道
ウクライナが国家戦略としてビットコイン準備金創設を進める模様。トルコでのロシア・ウクライナ首脳会談の動きと併せて解説。
11:15
カルダノ創設者ホスキンソン、3700万ウォレットに仮想通貨エアドロップ計画を発表
チャールズ・ホスキンソン氏がConsensus 2025で8つのブロックチェーンをまたぐ「Glacier Drop」を発表。ベンチャーキャピタル排除の新エアドロップ戦略で仮想通貨コミュニティの統合を目指す。
10:30
セイラーのストラテジー社、「ビットコイン戦略でナンバーワンの上場企業へ」=アナリスト
アナリストのジェフ・ウォルトン氏はFTの特集で、ストラテジー社が仮想通貨ビットコインを基盤に市場で最強の企業になると予測。
09:50
リミックスポイント、ビットコインを追加購入 暗号資産保有総額は111億円超に
リミックスポイントがビットコインを5億円分追加購入。イーサリアムやリップルなども含めた暗号資産(仮想通貨)の総保有額は111億円を突破。Web3領域の投資事業を加速。
09:45
イーサリアム価格急騰の3つの要因とは、資産運用会社が分析
仮想通貨イーサリアムの価格急騰の背景には、ステーブルコインとトークン化、Layer 2の進展、投資家のショートポジション解消などが影響。市場動向と成長要因を詳しく解説。
09:31
BTC以外の仮想通貨に分散投資するメリット、Bitwise幹部が考察
ビットコイン以外の仮想通貨にも分散投資を行うメリットをBitwise幹部が考察。インターネット業界の株価の歴史を例に挙げ、大多数の投資家がアルトコインも保有すべきだと主張している。
09:25
メタプラネット1Q決算、ビットコイン投資で135億円の含み益
メタプラネットが2025年第1四半期決算を報告。5月時点で保有ビットコイン量が6,796BTCに到達し含み益へ転換している。株主数も増加中だ。ビットコイン財務戦略の最新状況を解説する。
08:41
テザー社、AI開発プラットフォーム「QVAC」を発表 ビットコインとUSDT決済も対応
テザー社が分散型AI開発プラットフォーム「QVAC」を発表。ユーザーのデバイス上でAIが動作し、クラウド接続不要。AIエージェントがビットコインやUSDTで自律取引が可能。2025年第3四半期リリース予定。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧