4月第4週の市場動向
4月第4週の暗号資産(仮想通貨)市場。18日に5,000ドル(約54万円)暴落したビットコイン(BTC)は、23日にかけて大幅続落し、3月8日以来46日ぶりに5万ドル(約540万円)水準を下回った。
仮想通貨イーサリアム(ETH)は、急落後の23日に2,600ドル台を突破して過去最高値を更新するも、ビットコインが底抜けると連動して大幅下落するなど、ボラティリティの高さが目立つ。
ビットコインの急落を受け、仮想通貨市場全体の時価総額は2兆ドル(約220兆円)台から1.7兆ドル台まで縮小した。
ビットコインのドミナンス(市場占有率)は、2019年4月以来となる50%台まで減少している。年初時点では72%だったが、アルトシーズン再来と共に約4ヶ月で20%近く減少した。
アルト市場では、時価総額2位のイーサリアムが年初の10.7%から14.4%まで伸びたほか、時価総額3位のバイナンスコイン(BNB)は、年初の0.7%から4%まで5倍以上まで勢力を強めている。
一方、ビットコイン暴落の影響により、アルトシーズンで高騰したコインは軒並み反動安となっている。
時価総額TOP20の騰落率上位
- Solana(SOL):[40.30%]
- USD Coin(USDC):[0.01%]
- テザー(USDT):[-0.06%]
- バイナンスコイン(BNB):[-4.02%]
- イーサリアム(ETH):[-7.36%]
4月23日(金)夕方時点では、前週比で続伸したのはソラナ(SOL)のみ。週間騰落率は+24%だった。ビットコインをはじめ、イーサリアムなどのアル市場も全面安となった。
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4月20日は、米国の一部では大麻を吸う慣習とされる「フォー・トゥエンティ」と呼ばれており、これに合わせる形で「ミーム銘柄」とも称される仮想通貨ドージコインが関心を集めたとする指摘もある。ドージは3日間で60%近く急騰するも、その後の市場心理悪化の影響で暴落した。
SNS上では、米国を筆頭にTik Tokなどのインフルエンサーからドージコインに関する投稿が相次いだほか、電化製品店やスナック菓子企業もドージ関連のキャンペーンでトレンドに便乗する事例が見られた。
関連:ビットコイン続落でトレンド転換の難局に、ドージコインの話題性には企業の関心も
ビットコインのオンチェーンデータ
米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物のOI(未決済建玉)は以下の通り。
イーサリアムのオンチェーンデータ
ETH2.0 ステーキング額
ETH2.0へのステーキング額は、市場の価格に左右されることなく、堅調な伸びを見せた。
ステーキング額:398万ETH
DeFi(分散型金融)
DeFi(分散型金融)プロトコルのTVLは前週比で90億ドル(約9,700億円)近く減少したが、それでも過去の推移からすれば、依然として高水準を維持している。
TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロトコルへ預入れされた仮想通貨資産の総ロック額を指す。
関連:DeFi(分散型金融)とは? 特徴と仕組みを初心者にもわかりやすく解説
UNI、CAKE前週比推移
- Uniwap(UNI):31.93[-11.7%]
- PancakeSwap(CAKE):27.44[21.6%]
NFT上位銘柄:前週比
NFT(非代替性トークン)関連銘柄の騰落率は以下の通り。(24日時点)
- THETA(THETA):13.28[-33.8%]
- Chiliz(CHZ):0.4178[-44.5%]
- Enjin Coin(ENJ):2.13[-28.9%]
クリプト指標
日程 | 指標 |
---|---|
4/28 | Balancer 2.0 ローンチ予定 |
4/29 | ビットコインETF申請を受理、米SECが審査開始 |
4/30頃 | Cardano 「Alonzo」テストネットローンチ予定 |
4/30頃 | QTUM ハードフォークを伴うアップデート |
Balancer 2.0 ローンチ予定
2021年4月28日
Balancer V2はDeFiにおける流動性を高め、Gas(手数料)効率の向上やカスタマイズ可能なAMMロジックの構築を目的に開発が進められている。
当初は2021年3月頃のリリースを予定していたものの、2021年4月28日へと延期された。
また、Balancer V2のコントラクトはすでにイーサリアムのメインネット上で公開されている。
ビットコインETF申請を受理、米SECが審査開始
2021年4月29日
2021年4月6日、イーサリアムのスケーリング技術であるJumpNetのリリースを予定している。
米シカゴ・オプション取引所(Cboe)とVanEck社が申請する暗号資産(仮想通貨)ビットコインETF手続きが3/15、SEC(米国証券取引委員会)に受理され、審査段階に正式に入ったことがわかった。
VanEck社がETF申請をするのは三度目の試みとなる。これまでVanEckを含む過去のビットコインETF申請はすべて通っておらず、当時SECのClayton長官が市場操縦のリスクや機関レベルのカストディの欠如を非承認の理由としていた。しかし、当時のClayton長官は辞任し、現在長官候補であるGensler氏は仮想通貨の理解者であるため、SECに仮想通貨に対する新たな方針や政策をもたらす可能性がある期待感が高い。
今後のプロセスとしては、まずは45日間における「最初の可否判断」を控える。3月15日からの計算では、4月29日前後までに最初判断が公表される予定。
Cardano 「Alonzo」テストネットローンチ予定
2021年4月30日頃
仮想通貨カルダノ(ADA)でスマートコントラクト機能実装に向けて作業が進んでおり、IOHKのCharles Hoskinson CEOは4月末~5月月初にテストネット「Alonzo」をローンチする予定を発表した。
またメインネットへの実装は7月頃になると予測されている。
関連:カルダノ(ADA)にスマートコントラクト、Alonzoテストネット今春開始へ
QTUM ハードフォークを伴うアップデート
2021年4月30日頃
2021年4月30日(ブロック番号 845,000)頃、Qtumはブロック生成時間の短縮や軽微のバグ修正やアップデートを目的にハードフォークを伴う、アップデートが予定されている。
尚、ハードフォークによって新たな仮想通貨が発行される予定はない。
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