はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

「弱材料目立った今週のビットコイン相場、パウエル議長発言に刮目を」bitbank寄稿の仮想通貨週次市況

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週の相場の動きは

今週のビットコイン(BTC)市場は、トルコでの仮想通貨取引禁止など悪材料などもあり、500万円台前半まで下落している。またアルトコインも大幅に下落しており、仮想通貨市場全体が弱気相場入りした格好だ。


目次
  1. 各市場の騰落率
  2. bitbank寄稿

各指標の騰落率一覧

4/23(金)終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。

CoinPostで作成

月初来騰落率

CoinPostで作成

年初来騰落率

CoinPostで作成

(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)

(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照、各銘柄の価格はTradingviewを参照)

4/17〜4/23のBTCチャート

CoinPostで作成

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週(23日正午時点)のビットコイン(BTC)対円相場は、週末の大量ポジション精算の急落からなんとか600万円周辺で底堅く推移するも、足元、保ち合い下放れとなり、500万円台前半まで安値を広げる展開となっている。

今週は、ペイパル参加の送金アプリ、ベンモの暗号資産(仮想通貨)売買・保管サービス開始や、シェアオフィス大手のウィーワークが仮想通貨決済導入を発表したが、①相場の上昇トレンドライン下抜けによるテクニカル的なポジション調整の売り、②トルコでの仮想通貨取引禁止や、その後、現地取引所Thodex CEOが顧客資産を持ち逃げした疑いが浮上するなど、テクニカルや業界動向でも弱材料が目立った。

また、22日にバイデン米大統領が富裕層に対するキャピタルゲイン税の2倍近くの引き上げを提案すると、米株のリスクオフが波及し、ドル建てで、18日安値で保ち合いの下限として意識された51,300ドル水準をも割り込んだ。

第1図:BTC対円チャート(1時間足)出所:bitbank.ccより作成

テクニカル的には、相場の一目均衡表の雲突入に加え、ボリンジャーバンドでは下降バンドウォークが始まった可能性が指摘され、さらなる下値リスクへの警戒が強まる。ただ、16日からの相場反転急落のトリガーともなったハッシュレートの下落だが、足元では元の水準に戻しており、目先ではテクニカル的な売りが一巡するのを待つ展開と見ている。

アルトコインの短期的な下げもかなり急勾配となっており、市場全体的にも底入れは近いだろうと見ている。

第2図:ビットコインハッシュレート(日次) 出所:glassnodeより作成

来週は、27日〜28日の日程で、米国の金融政策決定会合にあたる米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合が予定されている。3月分の消費者物価指数や雇用統計が市場の予想を上回り改善しているが、FOMCは現行の強い緩和策を継続することが予想される。

これは、経済指標は上振れている一方で、パウエル米連邦準備制度(FRB)議長は、米経済が回復に向けた「転換点」にあると発言していることや、その他当局者も現状が完全雇用と物価安定というFRBの目標から程遠いとの認識を示してきていることからもわかり、「転換点」を着実に実現させるためにも政策に変更は加えないだろうと考えられる。

ただ、テーパリング(量的緩和の段階的縮小)に関しては、会合後の記者会見で具体的な開始の「条件」を示す可能性もあり、その「条件」が現状の経済状態とどれほど乖離しているかで市場がリスクオン・オフに傾くだろう。

パウエルFRB議長の記者会見は29日午前3時から予定されており、流石にそれまでにはビットコインも売り一巡となっていることが予想されることから、同氏の発言には注意深く耳を傾けたい。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回レポート:株式上場目前の米最大手取引所コインベース、相場の方向感に注視|bitbankアナリスト考察

関連:ビットコインの高騰理由を解説、加速する資金流入に「3つの要因」

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/06 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ETH価格特化の新組織誕生や米国初のソラナ現物ステーキングETF上場など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン週次レポート:1600万円台を窺う展開、トランプ減税法案通過で相場底堅く推移|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコイン(BTC)対円相場は1600万円を窺う底堅い展開。トランプ減税法案上院通過で1520万円台で下げ渋り、ADP雇用レポート下振れによる早期利下げ観測で1570万円台に回復した。bitbankアナリスト長谷川氏は下降チャネル突破も11万ドル乗せに苦戦と分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BitwiseのBTC20万ドル到達予測維持に高い関心
今週は金融アドバイザーの推奨ポートフォリオ、Bitwiseのビットコイン20万ドル到達予測維持、アリゾナ州知事による押収仮想通貨の準備基金法案への拒否権行使に関するニュースが最も関心を集めた。
07/05 土曜日
13:40
トランプ一族の「World Liberty Financial」、WLFIトークンの取引開始を提案
World Liberty Financialが仮想通貨WLFIトークンの譲渡可能化を提案。早期支援者のトークンがアンロックされる見込み。
13:00
リップル社、シンガポールでXRPLの起業家育成プログラム開催へ 最大20万ドル資金提供
リップル社がシンガポールでXRP台帳基盤の起業家育成プログラムを開始する。RWAトークン化・DeFi・AI分野などに焦点を置き、最大20万ドルの資金提供を予定している。
10:20
1兆円相当ビットコインが移動も、構造的売り圧力は限定的か=Bitcoin Vector分析
14年以上動かなかった8万ビットコイン(約1.2兆円)が8個のアドレスから移動。仮想通貨取引所への売却ではなくOTC取引との見方も。
09:45
ロシア国営ロステック、トロンでステーブルコインRUBx発行へ 制裁回避狙いも
ロシア国営企業ロステックがルーブル建てステーブルコインRUBxを年内に発行する予定だ。決済プラットフォームRT-Payも立ち上げる。経済制裁回避の意図もあるとみられる。
08:20
Mercado Bitcoin、XRPレジャーで約300億円の資産トークン化計画
ブラジルの仮想通貨取引所Mercado BitcoinがXRPLで実世界資産トークン化を拡大。南米機関による最大規模の取り組み。
07:10
英上場ゴールド探査会社Hamak Gold、ビットコイン財務戦略導入で247万ポンド調達
ロンドン上場のHamak Goldが仮想通貨戦略転換を発表。カタール王族系投資ファンドも参加し株価6%上昇。
06:55
14年以上動かなかったビットコイン、合計1兆円相当が移動 警戒感高まる
14年以上動かなかった合計1兆円相当の仮想通貨ビットコインが、8個のアドレスから移動したことがわかった。当時からどのくらい価値が増えているのかも明らかになっている。
06:30
Ondo Finance、米SEC登録のOasis Pro社買収でトークン化証券市場に本格参入
RWAトークン化プラットフォームOndoが規制準拠のOasis Proを買収。米国投資家向けトークン化証券サービス拡大へ。
06:21
初心者向け|仮想通貨取引所のKYC手続きとは?スマホでできるeKYCの流れと注意点
口座開設の必須手順 暗号資産(仮想通貨)取引所を利用し始めるには、口座開設時に「KYC(本人確認)」と呼ばれる手続きが必要です。これは、ユーザーの身分確認や、利用目的の確認を通…
06:10
スウェーデン、違法収益による仮想通貨の押収を強化
スウェーデンのストレマー司法相が警察や税務当局に仮想通貨を含む犯罪収益の押収強化を指示。昨年11月導入の欧州最厳格な没収法により840万ドル相当を押収済み。
05:40
2800分の1の確率を突破 個人マイナーがビットコイン採掘に成功、5000万円獲得
個人ビットコインマイナーが7月4日にブロック903,883を単独採掘し、3.173BTC(約5000万円)の報酬を獲得。ネットワーク全体の0.00026%のハッシュレートで成功。
07/04 金曜日
17:43
マックハウス、仮想通貨事業でゼロフィールドと基本契約
アパレル大手マックハウスが暗号資産事業に参入。国内マイニングシェア1位のゼロフィールドと基本契約を締結し、ビットコイン購入とマイニングの両輪戦略で収益多様化を目指す。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧