Huobi Japan代表取締役インタビュー
世界130ヶ国以上に暗号資産(仮想通貨)取引所や関連サービスを展開しているHuobiグループの日本子会社、Huobi Japanで代表を務める陳海騰(チン・カイトウ)氏にインタビューを実施。Web3.0、コインベース上場、Huobi Japanがどのように日本市場でビジネスを展開していくか、自身の考えを回答して頂いた。
価値交換のインターネットとは
フォビグループが提唱する考え方の一つでもありますが、プライバシー保護という前提ですべてのデータをブロックチェーンに載せることにより、価値交換が可能なインターネットが当たり前の時代が到来すると考えています。
Web1.0とは、ニュースや新聞などのコンテンツをインターネット上で見ることが可能にな状態を指しており、情報発信側から閲覧側へと情報が発信される形の、一方通行なインターネット空間です。
Web2.0は、双方向性のコミュニケーションが可能なインターネット空間です。ソーシャルメディアのような仕組みの中で人と人がつながり、自由に交流できるようになった状態です。
Web3.0は、たとえ実態のないデジタルデータであっても、その存在が保証されるデータをインターネット上で交換できる世界です。「インターネット上で価値を交換できる世界」ともいえるでしょう。
ブロックチェーン技術は、特定の企業ではなくブロックチェーンに参加したユーザーによって、個人情報などのデータを分散管理できるようにします。この仕組みにより、不正アクセスや情報漏えい、データ改ざんのリスクを軽減させることができ、信頼性の高いネットワークの構築が可能になります。
私は約15年前、インターネットの普及が本格化し始めたころに、検索エンジンの中国大手百度(現バイドゥ株式会社)の日本法人の代表に就任しました。Web2.0による情報共有・交換が従来よりも飛躍的に便利にできるようになったことで、人々のライフスタイルを変化させていくのを目の当たりにしました。
現在はフォビジャパンの代表として、Web3.0のインフラでもあるブロックチェーン技術を通じ、「価値の交換」に関わるイノベーションを日本の様々な企業と一緒に起こしていきたい。その思いで、今後も日本の暗号資産やブロックチェーン技術の普及・促進に貢献すべく、様々な可能性を追求し続けます。
コインベースの上場について
私にとって、仮想通貨業界にとって一番大きなニュースは、4月14日にアメリカの暗号資産交換業者コインベースがナスダック市場に上場し、時価総額は一時1120億ドル(約12兆円)を超えたことです。
コインベースは現在、1250人の従業員を抱え、5300万人の認証済みユーザーと機関投資家が利用しています。サービスを提供している国は、ゆうに100カ国を超えているグローバル企業です。
2012年に設立して以来、さまざまな形で事故や盗難などの困難を乗り越え、金融企業として健全なシステムを構築することができたからこそ、現在のような評価を市場から受けているのだと思います。
一部の既存の金融機関が暗号資産の取り扱いを始めたことは、このような状況も背景にあると思います。また、仮想通貨が一部の貴金属よりも良い投資対象だとみなされ始めています。
とてもいい循環ができてきました。我々の良いお手本になるのではないでしょうか。
フォビジャパンの日本市場について
フォビグループは2000万以上のユーザーを持ち、世界トップレベルのセキュリティレベルを誇り、8年で一度も、資産盗難の被害を受けたことがありません。
フォビジャパンは、2016年に日本で設立された暗号資産(仮想通貨)交換業者です。フォビグループの本社は中国ですが、アメリカや韓国、中東でもビジネスを展開しています。
フォビジャパンは「ローカライズ戦略」を掲げ、日本でのビジネス展開を進めています。
コンプライアンスのもとでプロダクト、サービス、顧客対応、新規コインの上場など、すべて日本市場に最適な形で提供したいと考えております。
例えば、20年からは、フォビグループ独自開発の暗号資産「フォビトークン」の取り扱いを開始しています。フォビトークンは現在、世界30カ所の取引所での取り扱いがありますが、日本での取り扱いは当社のみです。