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エルサルバドル大統領、世界で初めてビットコインを国の通貨として認める法案提出へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

国の法定通貨としてビットコインを

中南米に位置するエルサルバドル共和国のナジブ・ブケレ大統領が、ビットコインを「法定通貨」として採用するための法案を議会に提出する方針であることがわかった。米CNBCなどが報じた。

米時間4日から5日にかけて米マイアミで開催中された、過去最大級のビットコインカンファレンス「Bitcoin 2021」で発表された。法案は、早ければ来週中に提出される見込み。

現時点では議会や金融当局の承認が得られるかどうかを含め実現可否は定かではないが、同国の法律として可決・施行されることがあれば、ビットコインの法定通貨化は世界初の事例となる。法定通貨とは、日本円や米ドルなど国の法律によって認められた通貨のこと。

これに先駆けエルサルバドル政府は今年3月、ビットコインの国際送金サービスを提供するデジタルウォレット企業のStrikeと提携。同国のモバイル決済アプリとして国内1位のダウンロード数を記録するなど、高い需要を示していた。

今回の法案提出の意図について、エルサルバドル大統領は次のように述べた。

ビットコインを法定通貨にすることは、エルサルバドルのような(経済に困窮する)国々が、現金主体の経済から、個人の持つ携帯電話が銀行口座の代わりとなり得る、革新的かつ透明性の高い「デジタル経済」へと移行するための大きな一歩だ。

エルサルバドルでは、約7割の人々が銀行口座やクレジットカードを保有できていない。GDP(国内総生産)の約2割を国際送金が占めているが、到着までに数日を要し、手数料として1割以上取られることも珍しくない。このような状況は、ビットコイン及びライトニング・ネットワークを日常用途に落とし込むことによる、かつてない強力な体験と市場機会を示している。

エルサルバドル政府は、ビットコインを基盤とする新しい金融エコシステム(経済圏)の構築を支援するため、(BlockstreamのCEOなど)業界に携わる世界中のリーダーとも連携を始めた。

ビットコインのライトニング・ネットワーク初期開発者の1人で、Strikeのジャック・マーラーズCEOは次のように述べた。

ビットコインを保有することは、法定通貨のインフレーションによる潜在リスクから発展途上国を保護する手段のひとつを提供する。

ビットコインを法定通貨という枠組みの「基軸デジタル通貨」として採用することで、エルサルバドルは世界で最も安全かつ効率的で、国際的に統合されたオープンな決済ネットワークを提供することになる。

外務省の開示したデータ(2019年時点)によれば、エルサルバドルの人口は約664万人で、国の面積は21,040平方キロメートル(九州の約半分)。GDPは270億ドル(約3兆円)規模となっている。

エルサルバドルの大統領は、Twitterで「ビットコインの時価総額は約6800億ドル(約75兆円)に及ぶ。内1%がエルサルバドルに投資された場合、GDPは25%増加することになる。」などと言及、期待感を示した。

今回の極めて前衛的なエルサルバドルの事例は、自国通貨インフレや経済難に苦しむ他国がファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)などの観点から追従を検討する可能性がある一方、金融規制や外国為替を含めさまざまな障壁も想定される。

法律建て付けに議論の必要性

これに対し、bitFlyer Blockchainの加納代表は、「ビットコインが(国の)法定通貨として認められる日が来た」ことは歴史的にも象徴的な出来事だと歓迎の意を示しつつ、「外為法の外国通貨に該当する可能性が発生すると、事業者や利用者を含め暗号資産(仮想通貨)業界に大きな混乱を招きかねない」と懸念点を指摘。

これは(法的解釈の点において)弁護士がおそれていたことであり、エルサルバドルでBTCが法定通貨として認められた場合、「外国通貨」に当たるのかどうかを関係者は明確にするべきだと訴えた。

また、テザー(USDT)など米ドルの価値にペッグされたステーブルコインを例に、「ビットコインが法定通貨となった場合、エルサルバドル政府がBTCを準備金として保有する可能性がある」との見方を示した。

重要な論点を動画解説

エルサルバドルによるビットコインの法定通貨法案提出に関連し、特に重要な論点や世界各国で発生し得る議論について、国内大手仮想通貨取引所bitFlyer創設者の加納裕三氏が詳しく解説した。

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