CoinPostで今最も読まれています

デジタル・ユーロ(CBDC)は、銀行預金の最大8%を吸収する可能性がある=モルガン・スタンレー分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル・ユーロの経済的影響

欧州連合(EU)でCBDC(中銀デジタル通貨)が実装された場合の経済的影響を考察する金融大手モルガン・スタンレーの分析が公開された。ロイターが報じたところによれば、欧州圏の銀行預金額の内、約8%を吸収する可能性があるとの試算結果が出た。

これまで公開された情報では、CBDCを保有できる一人辺りの限度額は、3,000ユーロ(約40万円)に定められているという。この数値を基に、複数のシナリオを想定した分析結果を公開した。

仮にユーロ圏に在住する15歳以上の全ての市民が上限額の3,000ユーロをデジタル・ユーロに換金した場合の理論値では、欧州の銀行預金額が8%減少するという結果が算出されている。

モルガン・スタンレーのアナリストらによれば、ラトビア、リトアニア、エストニア、スロバキア、スロベニア、ギリシャなどの小国において、この割合はさらに大きくなる可能性がある。ただ、デジタル・ユーロに換金される額が欧州市民の平均残高の12%(≒約40万円)以下であれば、ギリシャなどでも預金額への影響は、10%に留まるとの結果が出ている。

また、デジタル・ユーロが導入された場合、預貸率(loan-to-deposit ratio)が現在の97%から105%に上昇する可能性も懸念される。

預貸率(よたいりつ)とは

Loan-to-deposit(LTD)比率は銀行の預金額に対する貸出額を示すもの。銀行の流動性を図る比率で、運営指標の一つとされている。

LTDが高過ぎる場合は流動性が不足している状態を示すため、有事の際に対応する資金不足が懸念される反面、低過ぎる場合は収益率が最大化されていない場合もあり、理想的な比率は80から90%。

▶️仮想通貨用語集

欧州の銀行の預貸率は、コロナ禍以前の2019年後半時点で105%だった時期もあるとされる。

CBDCのもたらす影響は

日本銀行を含む、世界各国の中央銀行がCBDCの実用性と有用性を検証する実証実験を進める中、イギリスの中央銀行にあたるイングランド銀行は先週9日、CBDCの導入を想定する研究結果を公開している。

モルガン・スタンレーは、仮に、商業銀行の預金額の20%が「新たな形態のデジタルマネー」(デジタル通貨)になったと仮定した場合、銀行の資金調達コストが押し上げられ、銀行金利は約0.2%上昇すると予測。

一部市民にとっては、より安価な資金源になり得ると分析し、デジタル通貨を導入する際にはEU同様、デジタル通貨に換金できる上限額を設定する可能性を示唆した。

関連:英中銀はCBDC導入に慎重姿勢、民間含むステーブルコイン決済にも銀行水準ルール提案

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。
05:50
モルガン・スタンレー、ブローカーによるビットコインETF勧誘を検討
最近の仮想通貨ビットコインETF資金流入状況に関しては昨日、ブラックロックのIBITが1月11日ローンチ以来初めて資金流入がゼロとなり、71日連続の流入記録が終了したことが確認された。
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧