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オーストリアのゲーミフィケーション・プロジェクト「HotCity」とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

環境問題に活用されるIgnis

Jeluridaが開発するArdor(アーダー)ブロックチェーン上では、「Ignis(イグニス)」のような、完全に分散化されたパブリックチェーンが実装されている。

Ignisチェーンには機能制限がなく、Ardorプラットフォーム上の全ての機能が利用できるパーミッションレス型ブロックチェーンとして稼働している。そうした特性を生かし、「Cycle4Value」のような環境配慮型の類似プロジェクトや同様の研究事例が複数進行中だ。

本稿では、ゲーミフィケーションによる報酬モデルを実装し、環境問題への対処とサステナビリティ実現に向けた実証試験が行われているブロックチェーンユースケースの一つとして、「HotCity(ホットシティ)」を紹介する。

ゲーミフィケーションとは

ゲーミフィケーションとは、ゲームプレイの要素をゲーム以外の分野に取り込み、ゲーム感覚で楽しみながらユーザーのモチベーションや効率性をあげる手法のこと。

仮想通貨用語集

関連:墺政府機関も参画する実証実験「Cycle4Value」とは

HotCityとは

HotCityプロジェクトは、オーストリア工科大学(AIT)、オーストリア研究振興機関(FFG)などを中心とするコンソーシアムが開発。彼らの掲げるコンセプトは、都市計画におけるデータ収集のゲーミフィケーション化だ。従来、特定が困難とされていた産業および商業用排熱の、新しいアプローチによるビッグデータ取得を目指す。

市民が自発的に、かつ楽しくプロジェクトに参加できるよう、情報提供のプロセスにゲーム的要素を取り入れ、貢献した市民がIgnisチェーン上で発行されたトークンやデジタルポイントを報酬として獲得できる仕組みとなっている。

都市計画データの自発的収集を促す

ブロックチェーン技術を通し、排熱源のデータをクラウドソーシングすることにより、政府は潜在的に再利用の可能な排熱データを、市民側からゲーム感覚で楽しみながら収集してもらうことが可能となる。

プレイヤーである市民は、ゲーミフィケーションを通してさまざまな報酬ポイントを受け取ることができる。それらは、Ardorブロックチェーン上のメイン・チャイルドチェーンであるIgnisチェーン上で発行されるデジタル資産(トークン)となる。

関連:サステナブルなエコシステム構築を目指すアーダー(Ardor)、南米などでのユースケース解説

オーストリア政府支援事業

HotCityは、「オーストリア連邦気候保護・環境・エネルギー・モビリティ・イノベーション・テクノロジー省」(BMK)から資金提供を受けた、オーストリア研究振興機関(FFG)との共同プロジェクトだ。

持続可能な発展の推進を目標に掲げるオーストリア政府は、HotCityプロジェクトを通し、ウィーンとグラーツの2都市の各所で発生する排熱をクラウドソース化し、それらの再利用の実現可能性を検証する実証試験を行っている。

HotCityプロジェクトではそうした背景から、市民が特定・収集した小規模な廃熱源の情報を、現場査察や写真、Googleマップなどからなる複数のデータとして提出できるHotCityアプリが開発された。

関連:NFTやブロックチェーンゲームなどの開発が活発化、アーダーエコシステム概説

HotCityアプリの仕組み

出典:HotCity

HotCityアプリでは、プレイヤーは潜在的な再生可能エネルギーとして、「廃熱源」の可能性がある物体を自ら特定・確認し、写真撮影などを通したデータ化・可視化が達成すべき目標となる。

具体的には、プレイヤーは対象物の種類(例えば煙突、冷房装置ユニットなど)に関する情報を入力し、対象物の正確なGPS位置を地図上にマーキングしなければならない。こうした、潜在的な廃熱源をゲームのマップに保存するという一連の作業に対しての報酬として、プレイヤーに「ヒートトークン」が付与される仕組みとなっている。

ゲームが遊べる都市では、碁盤の目のようにプレイエリアが分かれており、各エリアは、1人のプレイヤーまたはチームで分担することができる。そして最も多くの廃熱源を特定したプレイヤーまたはチームが、そのエリアを「制覇」できるといった設定だ。

また、このアプリでは基礎的なバウチャー・インセンティブ・システムも組み込まれており、獲得したトークンをパートナー企業のバウチャー(コーヒーのクーポンなど)として交換できる機能も備わっている。

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