NFTやブロックチェーンゲームなどの開発が活発化、アーダーエコシステム概説

NFT開発が加速するアーダーエコシステム

スイスを拠点としたブロックチェーン開発企業、ジェルリダ(Jelurida)が開発するアーダー(Ardor)チェーンエコシステム内で、NFT(Non-Fungible Token/非代替性トークン)やブロックチェーンゲームに関連したプロジェクトの開発が加速している。

ジェルリダが実際に開発を率いているオンチェーン版のトランプゲーム「Bridge Champ」だけでなく、先日公式ウェブサイトがローンチされたばかりのNFTペットゲーム「Bogoshipo」や、オーストリア政府から資金援助を受けたゲームプロジェクト「HotCity」を初めとした、多数のコミュニティ主導のNFT・ゲームプロジェクトが、プラットフォームとしてアーダーを選択。

このようなコミュニティ開発プロジェクトの中には、独自のブロックチェーンを作成し、アーダーチェーンに接続するチャイルドチェーン(シャードチェーン)として開発を進めているものもあるが、多くはジェルリダ開発のチャイルドチェーン、イグニス(Ignis)上に構築されている。

イグニスとは、アーダーエコシステムで最初に作成されたチャイルドチェーンだ。アーダーでは、チャイルドチェーンの作成者が、作成したチェーン上で利用可能な機能に制限をかけることができる仕組みになっている。一方、イグニスには機能制限がなく、NFT発行機能もネイティブ機能としてチェーンに組み込まれているため、NFT開発に伴う複雑さが排除されている点が特徴だ。

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アーダーエコシステム上のプロジェクトを紹介

ブロックチェーン・ペットゲーム

アーダーエコシステム内の最新ゲームプロジェクトが、NFTを活用したペットゲーム「Bogoshipo」だ。デジタルペットゲームのたまごっちと、ブロックチェーンゲームのCryptokittiesを掛け合わせたような特徴を持つBogoshipoでは、プレーヤーがシェルターからペットを引き取るところからゲームが開始。引き取ったペットを育成していく中で、ミニゲームのプレーや繁殖、他のプレーヤーとのペット交換などが可能だ。

各ペットは、アーダー上で唯一無二の資産として、NFTの形で表される。またゲーム内では独自のトークンBOGOが流通しており、BOGOを支払うことにより、アクセサリー購入やペット美容室でのサービス享受、自動繁殖機能の利用等が可能になる。

ゲーム化による持続可能性の推進

オーストリア政府からの資金援助を受けている概念実証(PoC; Proof-of-Concept)プロジェクト「HotCity」では、持続可能な発展推進を目標に掲げ、ウィーン市内で発生する廃熱をクラウドソース化し、他の目的で再利用する実験を行っている。

実験の舞台となるウィーンでは、集中的な熱源から導管を通じて街中へ暖房や温水を供給する、地域熱供給(district heating)という仕組みが採用されている。このシステムでは、建物ごとに個別に熱源を確保する従来のシステムと比較し、特に産業規模の建物から排出された廃熱を効率的に再利用できる設計となっているため、エネルギーの生産量が消費量を上回る、「エナジープラス」な地域を作り出すことができる。

例えば、食糧生産の過程やデータセンターのハードウェアから発生した廃熱は、再び送電網へと戻され、エネルギーとして市内に供給される。つまり、廃熱をエネルギー供給源の一種として活用することにより、元々のエネルギー源の消費が抑制され、持続可能な発展が促進される。

非常に効率的な設計だが、産業規模の廃熱は比較的容易に検出できる一方、データが更新されていない、またはデータの精度が十分でないことを理由に、小規模な廃熱の感知が難しくなっていることが課題とされている。

この課題解決に向けHotCityは、ウィーン市民が小規模の廃熱特定に必要なデータや情報を、現地査察や写真、Googleマップなどの複数のソースから、発見および提出できるプラットフォームを提供。自発的かつ楽しく市民が参加できるよう、情報提供にゲーム要素を取り入れ、貢献してくれた市民に対象に、イグニス上で発行されたトークンやデジタルポイントを報酬として渡している。

ブロックチェーン基盤のARゲーム

アーダーチェーンを基盤にしたAR(現実拡張)ゲーム「Triffic」では、ユーザーはポケモンGOのように、アプリ内の地図を利用して現実世界を歩き回りながら、地図上に表示されたビーコン(Beacon)と呼ばれる位置情報発信源を見つけ、ビーコンに隠された様々な報酬を得ることができる。

ゲーム内には、「Triffic Miles」および「GPSトークン」と呼ばれる、2つのトークンが用意されている。Triffic Milesとは、Triffic内でのアクティビティに対して与えられる報酬であり、ビーコンを見つけることにより獲得できる。獲得したTriffic Milesは、ゲーム内での土地購入などに利用可能だ。

一方のGPSトークンとは、5月1日にリリース予定のTrifficの姉妹アプリ「GPS Pay」で利用されているトークンだ。Triffic Milesがゲーム内でのみ利用可能なのに対し、GPSトークンは、GPSトークン決済を受け付けている実際の店舗で、支払い通貨として利用することが可能だ。

GPS Payとは、GPSトークンの貯蓄や送金が可能な決済システムであり、GPS PayのプラグインをTrifficに追加することにより、Triffic Milesを1:1でGPSトークンに交換できる。同システムを利用することで、Triffic Milesの交換、GPS決済受付機能、Triffic上へ広告出稿する機能などをビジネスオーナーが利用できるようになる。

GPS決済は、QRコードを用いて実行され、顧客がQRコードをスキャンすると、自動的にGPSが店舗へ送付される仕組みになっている。また広告機能では、Triffic内で利用されている位置情報サービスを効率的に活用することにより、Triffic上で広告を掲載したい企業は、近くにいるユーザーのTrifficの地図上に、限定的に広告を表示することが可能だ。

4月に公開されたばかりのロードマップによると、Trifficでは今後、アプリ内購読機能の実装、ARをサポートしていないデバイスのサポート、地図内での土地購入機能の実装、およびビーコン(報酬)種類の追加が予定されている。またGPS Payでは、クレジットカードやデビットカードを介したGPS購入、分散型取引所リリース、およびNFT市場構築が計画されている。

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NFT活用のコレクタブルゲーム

アーダーを基盤とするプロジェクト、TarascaDAOが開発するコレクタブルゲーム「Mythical Beings」では、ユーザーは、世界各地の伝説的な生き物が描かれているカードの収集を楽しむことができる。各カードはイグニス上で、NFTの形で発行されている。一般的なコレクタブルゲームと同様、common(普通)、rare(希少)およびepic(超希少)の3種類にカードは分けられているが、他の類似ゲームとは異なり、芸術の発展および教育を目的としているため、投機性が少ない設計となっている。

出典:Tarasca

Mythical Beingsに特徴的な機能の一つが、「Jackpot」と呼ばれる配当金システムだ。このシステムでは、ユーザーがゲーム内で販売したカードの売り上げ金の一部が、スマートコントラクトで管理されたJackpotのプールに積み立てられていく。この積立金は週に一度、カードのコレクションを完成させたユーザーに対して、ボーナスとして配当される。

また、配当金と共に、希少度の高いスペシャルカードも与えられるため、短期的な利益を追求してカードを売却するインセンティブが少なくなっており、Mythical Beingの投機性が少ない理由の一つとなっている。

TarascaDAOは、4月24日にコミュニティによるMythical Beingsのパブリックテストを完了し、現在は公式ローンチへ向け、準備を進めている。公式Twitterの情報によると、公式ローンチ後のゲーム参加は、初めのうちは招待制になる予定だという。またTarascaDAOは、Mythical Beingsの原画のうち4枚をNFT化し、5月にオークション形式で売却する計画も発表している。

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アート作品をブロックチェーン上に保存

NFTアートに特化したプラットフォーム「NFT Magic」では、データクラウドと呼ばれる、アーダーで提供されている分散型データ保存システムを活用。NFT化されたアート作品のデータを、ブロックチェーン上で保存している。

データクラウドでは、システム内に保存されている、アート作品を含む様々な形のデータのハッシュ関数を、データクラウドをサポートしているチャイルドチェーン(イグニスなど)上で記録することにより、分散的かつ恒久的なデータの保存を可能にしている。

プラットフォーム上には既にいくつもの作品が展示されているものの、現在はテストネット上で開発が行われている段階であるため、今後仕様が変更される可能性があるという。

出典:NFT Magic

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