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中国、仮想通貨関連活動が有罪となる可能性 当局が司法解釈を準備

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨に関わる活動の司法解釈

中国を拠点とする暗号資産(仮想通貨)ジャーナリスト、Colin Wu氏は11日、中国の司法当局が仮想通貨関連活動を有罪とする方法を探っていると報告した。

Wu氏は中国の政治経済メディアCaijingの記事に言及。中国で仮想通貨取引が違法となったが、現行法を適用することができないため、司法当局による法的解釈が必要になったと説明した。

Caijingの報道によると、中国人民銀行(PBOC)による仮想通貨関連活動の禁止事項発表と同時に、検察と法執行機関は、仮想通貨取引所とマイニングに関する状況を調査し、具体的に有罪とする道筋を探ってきたという。PBOCの通達は包括的なもので、具体的な事例の調査は公安当局の管轄であり、今後、法的な解釈を順次発表していく予定とのことだ。

業界を揺るがす鍵

中国はこれまで、数々の仮想通貨禁止措置をとってきた。最も古いものでは、2013年にPBOCや金融監督機関が銀行に対し仮想通貨の取引を禁止する通達を出している。その後、2017年にはイニシャル・コイン・オファリング(ICO)の禁止、2019年には国家発展改革委員会(NDRC)が仮想通貨のマイニングを「望ましくない産業」と定義した。

2020年にはマネーロンダリングや不正行為防止キャンペーンを推進する中で、国内の仮想通貨取引活動の取り締まりを強化、今年5月には国務院が金融リスクを軽減するため、ビットコインのマイニングおよび取引を取り締まる方針を発表。この頃から取引所やマイニング企業による中国人ユーザーの利用制限やサービス提供停止が相次ぐようになった。

関連:中国の金融監視機関、金融機関等の仮想通貨扱い禁止を再度強調

そして9月24日、最高裁判所や警察など9つの国家機関とPBOCが共同声明を出し、仮想通貨取引およびマイニングを全面的に禁止する措置をとった。

関連:中国中央銀行、仮想通貨マイニングと取引規制について新たな取り締まりを命じる

中国の仮想通貨禁止措置は頻繁に繰り返されてきたわけだが、今回は「業界を揺るがす鍵」となる条項が含まれているとCaijingは指摘している。それは、中国国内の居住者にサービスを提供する海外取引所の活動も違法とみなされることに加え、海外取引所の国内スタッフおよび、マーケティングやプロモーション、決済や技術サポートなどのサービスを提供する中国人および法人なども法的責任を負うことが明記されている点だ。

その他の注意点

CaijingはPBOCの通達に関する法律の専門家の意見として、次のような点に注意を呼びかけている。

  • USDTは仮想通貨であり、中国法では保護されない
  • 仮想通貨の価格設定サービスも違法となる
  • 仮想通貨の情報仲介モデルは違法
  • 仮想通貨取引関連の契約は公序良俗に反するため無効
  • DeFiビジネスが取り締まりの対象となる可能性

現在の仮想通貨市場の動きを見ると、以前のようなチャイナショックは回避されているように思える。政府による数々の仮想通貨規制に対処してきた中国ユーザーが、果たして、このまま仮想通貨取引の全てを諦めるのか、それともまた新たな方法を見つけ出すのか、今後の展開を見守っていきたい。

チャイナリスクとは

チャイナリスクとは、中国固有の社会的・政治的要因による法規制が入ることで、予期せぬ市場の暴落を招くこと。

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