仮想通貨市場の値動き
22日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は、前日比-2.4%の720万円(63,150ドル)と反落した。
足元の過熱感もあり利益確定売りが先行した。ビットコインは、今年4月に記録した過去最高値(ATH)64,900ドルの更新で上昇が一服。
相場急騰からの調整局面では、一部取引所でフラッシュクラッシュが発生した。米ニューヨーク時間7:30過ぎ、Binance.USで1BTC=8,200ドルまで急落したことが確認された。他取引所では62,000ドルまでの下落に留まっており、通常の市場価格とは異なる異常値と言える。Binance.USを利用する機関投資家によれば、「市場急変時に取引アルゴリズムのバグが引き起こした可能性」がある。
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昨日のレポートにもあるように過去最高値圏での乱高下が示唆されていたが、最高値更新で大局は”強気トレンド”の真っ只中にあり、ETF関連の思惑も継続していることから、急落後の下値では機を窺う投資家も少なくないものとみられる。
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米国初のビットコイン先物上場投資信託(ETF)が、ニューヨーク証券取引所に歴史的な上場を果たしたことを受け、市場のリスクオンセンチメントが加速。BTC価格が高騰していた。今後証券市場を介して、米ウォール街の潤沢な資金が断続的に暗号資産(仮想通貨)市場に流れ込む可能性がある。
これについて、金融大手JPモルガン・チェースのアナリストは、「金(ゴールド)よりも優れたインフレヘッジとしての認識が主な上昇理由だ」と指摘。「今年9月以降、「ゴールドETF」からビットコインファンドへの資金移動を引き起こしている」との見立てを示した。
1年ほど前のビットコイン(BTC)高騰局面でも、「ゴールドETF」からの資金流出が取り沙汰されていた。20年11月時点で、ビットコイン投資信託への資金流入ペースが、金(ゴールド)ETFを上回り始めたことを示している。
"What makes the October flow trajectory for the @Grayscale #Bitcoin Trust even more impressive is its contrast with the equivalent flow trajectory for #gold ETFs, which overall saw modest outflows since mid-October…" via @jpmorgan pic.twitter.com/NQGZTIpZJu
— Michael Sonnenshein (@Sonnenshein) November 7, 2020
また、米ブルームバーグのアナリストMike McGlone氏は今年3月、通貨の役割の一つである「価値の保存手段」として、これまでの歴史で”オルタナティブ資産”の代表格として認知されてきた「ゴールドに置き換わるペースが加速してきた」と指摘した。
Digital #Gold Pushing Aside the Old Guard –
— Mike McGlone (@mikemcglone11) March 8, 2021
Gold will always have a place in jewelry and coin collections, but most indicators point to an accelerating pace of #Bitcoin replacing the metal as a store of value in investor portfolios. pic.twitter.com/RR0CCWmksF
20年3月のコロナ・ショック後も右肩上がりに伸び続けてきた「ゴールド」の上場投資信託(ETF)の保有量は、2020年10月ごろを境に減少に転じている。(白線)。その一方、ビットコインの現物価格をゴールドの現物価格で割った数値(黄線)の差は広がっている。
関連:「ビットコインがゴールドに置き換わるペース加速」ブルームバーグのアナリストがデータ考察
次のビットコイン先物ETF上場スケジュール
— CoinPost -仮想通貨情報サイト-【アプリ配信中】 (@coin_post) October 21, 2021
・Valkyrie 米時間22日(見込み)
・VanEck 米時間25日(見込み)
・Invesco ローンチ見送り
ビットコインETF(上場投資信託)最新情報まとめhttps://t.co/yOMtr4nO1w
個別銘柄の動向
アルト市場に資金が流れ、時価総額2位のイーサリアム(ETH)が過去最高値付近まで到達するなど浮き足立った動きも見えたが、BTCやETHなど主要銘柄はここ最近の高騰の反動で利益確定が先行した。
一方、いくつかの銘柄は逆行高に。Coinmarketcap(CMC)時価総額ランキング上位のソラナ(SOL)が前日比+8%、前週比+20%の200ドル台まで上昇したほか、アバランチ(AVAX)が前日比+4.1%、チェインリンク(LINK)が前日比+6.5%となった。
データアグリゲーターのDeFiLlamaによると、DeFi(分散型金融)プロジェクトにロックされた合計値(TVL)は、過去最高の126億ドル(1.4兆円)規模に達した。
プロトコル別では、自動マーケットメーカーのSaber(SBR)やソラナ基盤の分散型取引所として利便性の高さに定評のある「Raydium」が上位を占める。
ソラナベースの資産管理プロトコルであるSynchronyFinanceが420万ドルの資金調達したほか、初のSolana上に構築されたリキッドステークプロトコル「マリネファイナンス(Marinade Finance)」への急速な関心の高まり、IGNITION ハッカソン関連プロジェクトに関する思惑などが寄与している。
🔥 Submissions for the IGNITION Hackathon are closed, with 568 projects formed 🔥
— Solana (@solana) October 18, 2021
Probably nothing https://t.co/TmZqEB8O5e pic.twitter.com/UUyaUvMZUy
ソラナへの初期投資のほか、20年7月にはソラナ基盤の分散型取引所Serumを開設するなど、深い関係性のあるのが、最大手デリバティブ(金融派生商品)仮想通貨取引所FTXだ。FTXを運営するFTX Trading Ltd.は、約2.8兆円の企業評価額に基づいて資金調達したことを発表した。
これを受けて、FTX Token(FTT)やSerum(SRM)など、FTX関連銘柄が総じて強い。
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トレーディング会社アラメダ・リサーチとFTXを率いるサム・バンクマン・フリードCEOは、弱冠29歳の天才投資家・経営者としても知られる。
米フォーブスが特集する最新版の長者番付にて、世界最年少のビリオネア(総資産10億ドル以上)として紹介されるなど、若くして大きな成功を収めた仮想通貨・ブロックチェーン業界の象徴的存在として、今後の動向も注視されることになりそうだ。
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