CoinPostで今最も読まれています

FATF、仮想通貨ガイダンスの最終版を公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨ガイダンスの最終版を公開

金融活動作業部会(FATF)は28日、暗号資産(仮想通貨)などのバーチャルアセット(VA)およびサービスプロバイダー(VASP)に対するガイダンスの最終版を公開した。

最近人気の高まりを見せるNFT(非代替性トークン)はバーチャルアセットに該当するのか、またDeFi(分散型金融)のプロジェクトはサービスプロバイダーに該当するかにも言及している。

FATFとは

「Financial Action Task Force」の略で、マネーロンダリング対策(AML)やテロ資金供与対策(CFT)を監督する国際的な組織のこと。提示するルールや勧告自体に法的拘束力はないが、加盟国に対して審査を実施し、AMLやCFTにおける非協力国リストを公開するため、大きな影響力を持っている。

▶️仮想通貨用語集

今回公開されたガイダンスは、2019年に発表した内容の修正版。パブリックコメントの受付などを経て、ガイダンスの最終決定版を28日に発表することは予告されていた。

FATFは今年3月にガイダンスの修正案を公開していたが、パブリックコメントの受付中に、仮想通貨業界から「プライバシーやイノベーションの面で問題がある」との指摘が相次いだ。特にサービスプロバイダーの定義を拡大し、DeFiの参加者にまで監視義務を課す点や、サービスプロバイダーによる非ホスト型ウォレットへのサポート制限などの提案を含んでいたことが問題視されている。

関連FATF、改訂版の仮想通貨ガイダンスを来週公開予定

FATFは、今回公開したガイダンスの最終版には、以下の6つの重要な内容に特化した更新が含まれているとした。

  • バーチャルアセットとサービスプロバイダーの定義
  • FATFのルールがステーブルコインにどう適用されるか
  • P2P取引におけるマネロン・テロ資金供与のリスクと対策ツール
  • サービスプロバイダーのライセンス
  • トラベル・ルールの実施について
  • サービスプロバイダー監督者間における情報共有や連携の原則

トラベル・ルールとは

仮想通貨などバーチャルアセットの取引の際、送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することをサービスプロバイダーに求めるルールのこと。対象となる送金で、国際的な本人確認(KYC)ルールが適用されることになる。

▶️仮想通貨用語集

ガイダンスの主なポイント

今回の更新の中で注目点となっているのが、ヴァーチャルアセットの定義だ。FATFはNFT(非代替性トークン)については、「一般的には、FATFの定義ではヴァーチャルアセットに該当しない」とした。

その一方で、NFTの性質や実際の機能を考慮することが重要であると述べ、決済や投資目的で利用する場合は、ヴァーチャルアセットに該当する場合もあると説明している。各国はケースごとに、NFTにFATFのルールを適用するかを考慮すべきだと求めた。

関連:大企業の関心集める「NFT」の魅力とは|主な特徴と将来性を解説

DeFiについて

また、もう1つ注目されているのが、ルール適用の対象となるサービスプロバイダーの定義。FATFはDeFiについては、「ソフトウェアなどのアプリケーションやプラットフォームを開発・提供しているだけの人は、サービスプロバイダーに該当しないだろう」とした。

しかし、分散型と主張していても、DeFiの運営を管理している、または運営に大きな影響力を持つクリエイターや所有者、オペレーターがいる場合は、それらの人々はサービスプロバイダーに該当すると述べている。FATFが指摘しているのが、特定の個人や法人が運営に必要な秘密鍵を所有していたり、手数料を徴収したりしている場合だ。

FATFはサービスプロバイダーを「他者の代わりに送金や取引などを行って、金融サービスを提供する個人や法人」と定義しており、「各国は、DeFiのプラットフォームの自己解釈を考慮せずに、FATFのルールを適用するかを客観的に判断すべきである」と求めた。その際、運営で利益を得ている人はいないか、運営のパラメーターを変更できる権限を持った人がいないかなどを確認するように勧めている。

その上で、サービスプロバイダーに該当すると判断された場合は、DeFiの運営者であっても、マネロンやテロ資金供与の対策を講じるべきだとした。

関連DeFi(分散型金融)とは|初心者でもわかるメリット・デメリット、重要点を徹底解説

『早割』終了まで
0
0時間
0
0
さらに!! CoinPost読者限定割引コード提供中!
クリックしてコードをコピー
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
06/24 月曜日
18:55
マウントゴックス、7月初旬からビットコインとビットコインキャッシュの弁済開始を発表
2014年に破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所マウントゴックス(Mt.Gox)が今年7月初めよりビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)の返済を開始することがわかった。この発表を受け、ビットコイン(BTC)が急落した。
17:41
Kaikoが選ぶ暗号資産取引所ランキング ビットバンク、ビットフライヤーなど選出
Kaikoは2024年Q2の暗号資産(仮想通貨)取引所ランキングを発表。日本のビットバンク、ビットフライヤー、コインチェックがトップ30にランクイン。詳細なスコアと評価基準を解説
14:23
香港立法会、Web3と仮想通貨開発に関する小委員会を設立
香港特別行政区立法会は、香港におけるWeb3と仮想通貨の開発に関する小委員会を設立。Jonny Ng議員はWeb3業界の将来の方向性を議論し、効果的な政策提言を行うため、広く世界中の業界識者に意見を提出するよう呼びかけた。
12:44
TONの日間送金量が100億ドル規模に、パンテラキャピタルが追加投資を計画
メッセージングアプリ「テレグラム」内で利用される仮想通貨TONの日次転送量が100億ドルの大台に達した。大手VCパンテラキャピタルはTONへ投資する新たなファンドを準備している。
11:43
「現実資産(RWA)トークン化市場、2030年までに320兆円規模に」米大手コンサルのマッキンゼーが予測
マッキンゼーは、トークン化された現実資産(RWA)の市場規模が2030年までに約320兆円に達するとの予測を発表した。
11:26
ビットコイン続落で2週連続陰線、市場から警戒される3つの下落要因は?
暗号資産(仮想通貨)相場では、ビットコイン週足が2週連続大陰線で64000ドルのサポートラインを割り込んだ。調整局面が意識される中、マイナーの大規模売りなど市場関係者に警戒される3つの下落要因について解説。
06/23 日曜日
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米SECのETHの証券性判断に高い関心
今週は、米SECによるイーサリアムの証券性判断、マイナーのビットコイン保有量の減少、自民党議員による仮想通貨についての発言に関するニュースが最も関心を集めた。
10:30
ムード悪化のビットコインは売りシグナル点灯、来週は材料豊富な1週間に|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが、下落中の今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコイン相場を分析。米国大統領選前の初回テレビ討論会など材料豊富な来週の展望を読み解く。
06/22 土曜日
13:30
テクノロジー大手DELLの億万長者CEO、ビットコインに興味示す
米マイクロストラテジーのセイラー会長は、テクノロジー大手DELLのCEOに、仮想通貨ビットコインの希少性をアピールした。
12:30
ソラナブロックチェーンに「ZK圧縮」導入、レイヤー2無しで実現
ソラナブロックチェーン上でゼロ知識処理レイヤーを開発するLight Protocolとソラナのノード技術を提供するHeliusは22日、「ZK圧縮」というソラナのメインネットで直接利用できる技術をリリースした。
10:40
アーサー・ヘイズ氏、仮想通貨市場の上昇可能性語る 農林中金の外債売却計画背景に
BitMEXのアーサー・ヘイズ前CEOは日本の銀行が抱える米国債の問題を背景に、仮想通貨市場が上昇するとの独自見解を語った。
09:50
米フィデリティ、イーサリアム現物ETF申請で7.5億円の初期資金調達
米資産運用大手フィデリティの申請中の現物仮想通貨イーサリアムETFは、流動性提供のためのシードファンディング(初期投資金)で7.5億円を受けたことが判明した。
09:30
英金融大手SCB銀、機関投資家向けの仮想通貨取引業務を準備か
イギリス拠点の多国籍銀行スタンダードチャータード銀行(SCB)はFX部門の一部として仮想通貨取引市場に参入する計画であることが21日に報じられた。
09:00
ソラナはブロックチェーン領域の「macOS」──パンテラ評価
仮想通貨ソラナはブロックチェーン領域のmacOSのようであるとパンテラが評価。その理由を説明し、ソラナが成長していることを示すデータも公開している。
06/21 金曜日
17:00
コナミやネクソン、企業がアバランチを採用する理由 AVAXの役割と買い方を解説
コナミやネクソンがアバランチを採用する理由を解説。暗号資産(仮想通貨)AVAXの役割や購入方法について詳しく紹介。投資家やユーザーに必見の情報を提供します。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア