Ardanaが11億円を調達完了
カルダノのブロックチェーン上に構築されたDeFi(分散型金融)プロトコル「Ardana」は29日、1,000万ドル(約11億円)を調達したことを発表した。Ardanaはステーブルコインと分散型取引所(DEX)を提供するプロジェクトである。
この資金調達ラウンドは、シンガポールの仮想通貨ヘッジファンド大手Three Arrows Capitalとソウルを拠点とする仮想通貨ファンドAscensive Assetsが主導。他に、cFund、Morningstar Ventures、Mechanism Capital、Kronos Research、FMFW、MGNR、Selini Capital、Skynet Trading、Portico Venturesも参加した。
ArdanaのRyan Matovu CEOによると、今回調達した資金は、プロトコルの構築と拡張に役立てるもので、SAFT(Simple Agreement for Future Tokens:将来トークンを受け取る契約)の販売によって確保されたという。
また、ArdanaのガバナンストークンDANAは、11月中旬にリリースされる予定だ。
ステーブルコインとDEXを提供
Matovu氏は、公式発表で次のように説明している。
カルダノ上に構築された最初の多機能なステーブルコイン・エコシステムとして、Ardanaは、ユーザーが流動性にアクセスする上での利便性を高める。また、カルダノのスピード、スケーラビリティ、セキュリティを活用して、誰にでも使える分散型の金融ソリューションを提供することができるようになった。
近い将来には、オンチェーンでの外国為替取引も実現させるという。
Ardanaの主要製品は、dUSDと呼ばれる、米ドルと紐づいたステーブルコインと、Danaswapという名前の分散型取引所(DEX)。ユーザーはエイダ(ADA)などカルダノのプラットフォーム上で発行されているトークンを担保として、dUSDのローンを組むことが可能だ。
一方、DEXでは、トークンを取引したり、dUSDの預金から利息を得たり、流動性を提供することでArdanaのネイティブトークン建ての報酬を得たりすることができる。
様々なステーブルコイン間の取引を仲介するための、自動マーケットメーカー(AMM)も設置される見込みである。
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DEX(分散型取引所)とは
ブロックチェーン上に構築される非中央集権型取引所。「分散型取引所」の英訳である「Decentralized EXchange」から「DEX」とも呼ばれる。中央管理者を介さずに当事者間で直接取引を行うため、管理者に支払う手数料が不要で、その他に流動性が低い、秘密鍵をユーザーが管理するなどの特徴がある。
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Matovu氏によると、Ardanaの開発は1月から進められており、2021年第4四半期にローンチする予定だ。現在、Ardanaでは25人が働いており、追加で何人か開発者を雇用することも検討しているという。
Ardanaは、11月4日にも2回目の資金調達ラウンドを開催する。
スマートコントラクト実装による活性化
カルダノは9月13日に大型アップグレード「アロンゾ」の実装を完了し、スマートコントラクトの機能が追加された。これにより、カルダノを土台とする幾つかのプロジェクトが、資金調達を開始しており、Ardanaもその一つだ。
その他のプロジェクトには、レンディングプロトコルADALend、NFTマーケットプレイスSpores、DEXプラットフォームdeFIREなどが存在している。
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