米EA社CEOがNFTを語る
米国の大手ゲーム企業Electronic Arts(エレクトロニック・アーツ)のCEOは3日、同社がNFT(非代替性トークン)にも関心があることを明らかにした。
米エレクトロニック・アーツ(以下、EA社)は、まだ暗号資産(仮想通貨)やNFTを取り入れたゲームをリリースしていない。しかし、EA社のAndrew Wilson CEOは、四半期決算発表の質疑応答の際に、こうした分野の可能性を語った。
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NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。
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「NFTは将来のゲーム業界にとって重要」
Wilson氏は、NFTや「Play-to-Earn(遊んで稼ぐ)」というモデルが「将来のゲーム業界にとって重要」なものになるとして、次のように話している。
私は、NFTが今後の業界において重要な役割を果たすものだと考えている。しかし、それがどのように機能するのかを見極めるには、まだ時期尚早かもしれない。
さらに、EA社が収集価値のあるデジタルコンテンツを制作してきた実績があることに触れて、次のように続けた。
これまでの経験から、コレクターアイテムについて分かっていることは、アイテムに実用性があれば、コレクターにとっての価値がはるかに上がるということだ。
この先、私たちが提供するゲームやサービスにおいて、収集可能なデジタルコンテンツは重要な役割を果たすことになると思う。
まだ(NFTの導入について)結論は出ていないが、私たちは非常に良い立場にいると思うし、今後も当社が、より革新的で創造的な考え方をしていくと期待してほしい。
慎重にNFTの機能を見定める必要があるとしつつ、EA社は、この先NFTを導入する上で経験的なアドバンテージを持っていると示唆した格好だ。
NFTとスポーツ業界
Wilson氏は、具体的な例として同社のFIFA(国際サッカー連盟)の試合をテーマとしたゲームに言及している。このようなスポーツゲームでは、試合以外のユーザーエクスペリエンスの一つとして、NFTも求められているという。
NFTはスポーツ関係で幅広く採用されているところだ。スポーツ選手をモチーフにしたトレーディングカードの形式を取ることが多く、サッカー関係では、5月にレジェンド選手であるペレ(Edson Arantes do Nascimento)氏のNFTが発売された。この事例では、売上の9割が慈善団体へ寄付される。
遊んで稼げる仕組み
Wilson氏が言及したもうひとつの仕組み「Play-to-Earn(遊んで稼ぐ/GameFi)」とは、ゲームをプレイすることで、法定通貨など現実世界で使える収益を得ることができるものだ。
ベトナムのゲームスタジオ「Sky Mavis」が開発したキャラクター育成ゲーム「Axie Infinity(アクシーインフィニティ)」が、この仕組みを備えていることで有名である。フィリピンやインドネシア、ブラジルなどの国々で、このゲームで生活費を稼ぐ参加者が続出して話題になった。
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