仮想通貨相場の動向
10日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は約3週間ぶりに過去最高値を更新すると上昇を一服、前日比-0.6%の754万円(66,880ドル)で推移している。足元の過熱感から、調整が意識されやすい局面か。
CoinSharesが昨日開示した週次レポートによれば、先週の暗号資産(仮想通貨)ファンドの金融商品への資金流入額は計1億7,400万ドルとなり、12週連続で流入超過となった。
特に「ビットコイン先物ETF」の影響で直近8週間の流入額は28億ドルと大きく伸長。年初来の流入額は過去最高の64億ドルに達した。
資産別では、ポルカドット(DOT)が過去最高の週間流入数を記録したほか、トロン(Tron)が、前週比過去7週間で7,900万ドルの流入となった。
コインベース3Q決算
コインベース・グローバル
今春頃には2020年末から続いた仮想通貨バブルがピークに達し、5月中旬から大幅下落していたが、昨年の業績と比較すると飛躍的な成長を遂げている。純利益は、前年同期比5倍の約460億円まで膨らみ、機関投資家の取引が急増した。
また、全四半期比でもプラットフォーム上の資産は、1,800億ドルから2,250億ドルまで25%増となるなど、引き続き高い需要を示している。
コインベースは3Q業績について、ボラティリティの低さと暗号資産価格の下落に起因するものと分析した。その一方、足元では、ビットコインなど暗号資産価格が過去最高値を更新するなど再び活況にあるため、「4Q(10~12月)の取引量は、3Qを上回る可能性が高い」との見通しを示している。
2022年度3Qでは、BTCとETHの合計シェアを「その他の暗号資産」が初めて逆転しており、バイナンスコイン(BNB)やソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)やポルカドット(DOT)など新たな主役の台頭を示唆するとともに、機関投資家のアルトコインへの関心も浮き彫りとなった。
米Appleと仮想通貨
New York Timesのオンラインイベント「DealBook」にて、米アップルのティム・クックCEOが、暗号資産(仮想通貨)に言及する場面があった。
同氏は、知的好奇心を満たすためプライベートで仮想通貨に投資していることを明かし、「保有資産(ポートフォリオ)におけるリスクヘッジの観点から見れば理に適っている」と評価した一方、企業として事業投資することについては「現時点では、そのような考えはない」と否定した。
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