3つの戦略を示す
米決済大手のマスターカードは11日、暗号資産(仮想通貨)の経済体系における3つの事業戦略を示した。
マスターカードは投資家向けのバーチャルイベントで開示したプレゼンテーション資料で、「仮想通貨の使用可能性」、「仮想通貨サービス」、「ネットワークアクセス」という3つの戦略テーマを明かした。
「仮想通貨の使用可能性」については、仮想通貨の売買、現金化、および報酬という点が示されている。
「仮想通貨サービス」のほうでは、セキュリティ対策(CipherTrace)、アイデンティティサービス(Ekata)、カストディサービス、CBDCサンドボックス制度が挙げられている。
関連:マスターカード、仮想通貨分析企業CipherTrace買収完了
そして、「ネットワークアクセス」にはステーブルコイン、各CBDC、及び運用互換性が含まれている。
関連:マスターカードCEO、仮想通貨サービス提供とCBDCの導入支援に強い意欲 3Q決算
マスターカードはこの3つの事業戦略について、「仮想通貨の経済体系をサポートするために構築するソリューション」としている。
また、CoinDeskが入手した大手金融バークレイズのリサーチノートによると、マスターカードのシニア役員らは、DeFiや国際送金などといった仮想通貨のペイメントフローは同社の純送金高を引き上げうると見ているという。
マスターカードはここに来て仮想通貨サービスの提供に意欲的だ。先月の3Q説明会で、Michael Miebach CEOが仮想通貨サービスの提供、並びにCBDCの導入支援に注力していく姿勢を示し、8日には、アジア太平洋地域の仮想通貨関連企業3社とパートナーシップを締結し、仮想通貨決済可能なカードの提供を計画していることを発表。
関連:マスターカード、アジア太平洋地域で仮想通貨カード発行へ
同社は10月に、マスターカードの決済ネットワークを利用する銀行や企業に対し、仮想通貨サービスを簡単に導入できる新サービス:「サービスとしての仮想通貨:Crypto-as-a-Service」を明かしていた。