NFT特化型ETF
米ETF企業Defiance ETFs社は1日、NFT(非代替性トークン)関連企業に特化した初のETF(上場投資信託)「NFTZ」を提供することを発表した。
暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン関連企業の株式も合わせて運用するため、別称「メタETF」とも呼ばれるという。
NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。
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大企業などからも注目を集める新領域に投資する手段として、Defiance社はNFT事業領域に特化した企業の銘柄群でETFを組成。NFT事業を展開している企業の株式に多数投資することでリスクを分散する。高い将来性とボラティリティ(価格変動性)の大きさを踏まえたセクターにおける、分散型投資の実現を目指す。
また、NFT以外の仮想通貨領域やブロックチェーン企業もテーマとして組み込まれており、投資比率などは四半期毎に再調整する方向だ。
NFTZが運用する企業の株式は以下の通り。
- Silvergate Cap Corp
- Plby Group Inc
- Cloudflare Inc
- Northern Data Ag
- Bitfarms Ltd/canada
- Marathon Digital Holdings Inc Com
- Hut 8 Mng Corp New Com
- Sbi Holdings Inc
- Coinbase Global Inc
- Riot Blockchain Inc
- Hive Blockchain Technologies
- Cleanspark Inc
- Argo Blockchain Pl
- Canaan Inc
- Voyager Digital
- Ebay Inc.
- Defi Technologies Inc
- Square Inc
- Funko Inc
- Robinhood Mkts Inc
- Mogo Inc
- Draftkings Inc
- Bigg Digital Assets Inc
- Bitcoin Group Se
- Sos Limited Spnsord Ads New
- Vinco Ventures Inc
- Dmg Blockchain Solutions Inc
- Eqonex Limited
- Atari
- Digihost Technology Inc
- Arcane Crypto Ab
- Banxa Holdings Inc
- Wisekey International
- Dolphin Entmt Inc
- 現金・その他
主な運用企業
NFT関連では、2021年4月にNFT領域へ参入した成人向け娯楽雑誌「プレイボーイ」がETF組成の内5.27%を占める。今秋にもジェンダー(社会・文化的な性別)やセクシュアリティ(生物学的な性別)をテーマにしたNFT(非代替性トークン)のアートコンテストを開催した。
「ブロックチェーンがもたらす全てのイノベーションやアクセスに期待している」と評するなど、前向きな姿勢を示している。
米最大の仮想通貨取引所コインベースグローバルと、国内ネット証券最大手で暗号資産(仮想通貨)領域の事業展開も推進するSBIホールディングスが各4.2%、Eコマース大手のEbay、スクエア社、投資アプリ大手ロビンフッドやアタリ社なども運用対象となっている。
SBIHDは今年9月、国内で先行していたNFTマーケットプレイス「nanakusa」を運営する株式会社スマートアプリの子会社化および「SBI NFT株式会社」への社名変更を発表していた。
さらに、北米の仮想通貨マイニング企業のMarathonやHut 8、Riot BlockchainやHive Blockchain社なども運用される。
中国政府が5月に仮想通貨採掘の禁止令を発表した影響で、ハーバード大学の統計データでは7月以降、米国がビットコイン採掘シェアで1位に上り出ていた。これを受け、米国の仮想通貨情勢は今夏急速に発展しており、各社は相次いでマイニング拠点を設立。
最近でも、Marathon Digital Holdingsが11月に5億ドル(約570億円)の転換社債を販売。マイニング機器やビットコイン(BTC)購入などに充てる方針を表明した。
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