波紋を呼ぶ、Zhu Su CEO発言
シンガポールの大手仮想通貨ヘッジファンドのThree Arrows Capitalは12月6〜7日の間、91,477ETH(450億円)のイーサリアムを購入したことがわかった。
Three Arrows Capitalの大口購入はブロックチェーンデータサイトetherscanで確認されたもので、FTX、バイナンス、及びコインベースで購入されたようだ。
Three Arrows CapitalのZhu Su CEOは大量購入について、「イーサリアム(レイヤー1チェーン)は今も使いにくいが、先週末のような暴落が起こればいくらでも押し目買いする。これからもっと買うつもりだ」と話した。
Look I couldn't let you guys jerk off watching the burn without me
— Zhu Su 🔺🌕 (@zhusu) December 7, 2021
Eth L1 still unusable for newcomers, show it to your grandma if you don't believe me
I'll still bid it hard on any panic dump like this weekend obv
100k eth is dust fwiw, more coming
Three Arrows Capitalは以前からイーサリアム(ETH)やビットコイン(BTC)など、いくつかのレイヤー1ネットワークに積極的に投資していたが、先日Zhu Su氏の心移りとも取れる発言が波紋を呼んでいた。
Zhu Su氏とイーサリアムの背景
Zhu Su氏は11月21日、イーサリアムネットワークの高いガス代(取引手数料)がユーザーのアクセス(利便性)を阻害しているとして、「イーサリアムを捨てる。現在のイーサリアムカルチャーは富裕層に傾き過ぎている」と発言し、イーサリアムコミュニティや一部投資家にショックを与えた。
Yes I have abandoned Ethereum despite supporting it in the past.
— Zhu Su 🔺🌕 (@zhusu) November 21, 2021
Yes Ethereum has abandoned its users despite supporting them in the past.
The idea of sitting around jerking off watching the burn and concocting purity tests, while zero newcomers can afford the chain, is gross.
一方、Three Arrows Capitalは最近、アバランチ(AVAX)やソラナ(SOL)といった高速レイヤー1に投資のフォーカスを移している。
「イーサリアムを捨てる」発言に対するコミュニティの反発を受け、Zhu Su氏はその後「少し言いすぎたかもしれない。確かにイーサリアムでは、(ポリゴンなど)素晴らしいレイヤー2(補佐的)ソリューションも構築されている」、「しかし、ホルダーよりもユーザーの有用性にもっとフォーカスしてほしい」と態度を軟化させた。
Want to soften this and say abandon is the wrong word. Was heat of the moment. I'm sorry.
— Zhu Su 🔺🌕 (@zhusu) November 21, 2021
There are great teams working on scaling Eth on L2.
Would've preferred to see eth1x roadmap. Also would've preferred focusing on users rather than holders welfare in upgrades. https://t.co/N3YTAbfVBi
ドイツ銀行やFlow Traders社でトレーダーとしてのスキルを磨いたZhu Su氏、及びヘッジファンドのThree Arrowsは、主にトレードによる利益をもたらしている。そのため、「イーサリアムを捨てる」発言や、今回の大量購入の動き、以前から2020年末に始まった強気相場を「スーパーサイクル(持続的成長周期)」と呼んでいることなどから、ポジトークに過ぎないとの指摘も見受けられる。
仮想通貨投資企業(VCなど)とプロジェクトが向かう目標が異なることについては、これまでも多くの議論がなされてきた。Zhu Su氏はイーサリアムに対する自らの批判について、「私はビルダー(開発者)ではなくトレーダーだが、当社が投資しているネットワークはすべて実際に利用しており、私は1ユーザーでもある。ユーザー視点で意見を述べたまでだ」と弁解した。
Yes I am mainly a trader, not a builder
— Zhu Su 🔺 (@zhusu) November 21, 2021
But I actually use all of these platforms, so you could also call me a user, and my perspective is always from a user perspective
I think users and devs both deserve more
Three Arrowsは現在、イーサリアムやアバランチのほかにも、ポルカドット(DOT)、クサマ(KSM)、Aave、Ardana、dydxなど、さまざまなプロジェクトにも投資している。