はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)、ステーブルコイン規制に関する提言を公表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコインの規律に関する提言

一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は19日、日本国内におけるステーブルコインの取扱を目指すステーブルコイン部会を中心に、ステーブルコインの規律に関する提言を公表した。

同提言は、金融庁がステーブルコインの規律に関する方向性を示すために11日に公表した「金融審議会 資金決済ワーキング・グループ報告」の内容を受けたものである。

提言の内容

出典:JCBA

同提言ではまず、ステーブルコインに関する現状の課題として、テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)といったた米ドルペッグのステーブルコインが世界的に流通しており、海外では仮想通貨交換業と同等の業態がステーブルコインを取り扱っているが、国内ではステーブルコインは仮想通貨交換業者が取り扱うことができるかに関して明確な方向性が示されてこなかったと指摘。

さらに、国内法ではステーブルコインの流通に関する具体的な法的枠組みが整備されていないため、海外で流通しているステーブルコインは、事実上国内において流通することが不可能であるとしている。

仲介者に対する規律

先日の金融審議会の報告では、ステーブルコインの発行者と仲介者を分離し、法制度の空白を埋めるべく仲介者に関する制度の新設を提案しているが、当該仲介者に対する規制の内容によっては海外発行のステーブルコインの取扱いが事実上不可能となり、国内市場が海外市場から分断されガラパゴス化してしまうと懸念を表明。

日本が海外発行のステーブルコインの取り扱いを先んじて制限してしまうと国内事業者がビジネスチャンスを喪失し得るため、そのような事態は避けるべきであると主張している。

上記の内容を踏まえて以下のように提言した。

仲介者に対する規律の在り方を検討するに際しては、必ずしも発行者と仲介者との間に契約関係及び代理関係の存在を前提としない法令の整備を行うことが肝要である。

パーミッションレス型ステーブルコインのリスクのみを強調し、事実上利用することが極めて困難な法規制の構築を目指すよりも、AML/CFT についてはリスクベースでの高度化を求めることで、事実上取扱いができる体制とすることが、イノベーションの過度の委縮をもたらさないためにも重要である。

原則的に国内保全を要請し、その他の方策については今後の検討課題とするのではなく、むしろ、発行者の破綻の際に、利用者の資産保全がなされているかについ て、十分な事前審査と継続的なモニタリングを行うことを義務付けることが望ましいと考える。

発行者に対する規律

金融審議会の報告では、ステーブルコインの発行は為替取引に該当するとしているが、現行制度では、為替取引としてステーブルコインを発行できる主体が銀行に限られてしまうという問題点を指摘。

これにより、国内におけるブロックチェーンなど新たなデジタル技術を活用したイノベーションの可能性を阻害することに繋がると警鐘を鳴らした。

こうした内容を受け、以下のように提言している。

規律の在り方を検討するに際しても、発行者と仲介者を別個独立の存在として規制するのは適当ではなく、発行者と仲介者を中心とするステーブルコインの活動に不可欠な関与を行う者に対する規制をパッケージ化して検討するのが適当である。

為替取引としてステーブルコインを発行する場合における発行者に対する規制の在り方についても、海外主要国の規制の動向に注視しつつ、不断の見直しを図るこ とが必要であり、その場合は、現行法上の「為替取引」の解釈に囚われない新たな法制度を設計することが必要である。

関連:ステーブルコインとは|特徴やユースケースを解説

ステーブルコイン部会の活動

JCBAのステーブルコイン部会は、ステーブルコインの日本での取り扱い実現に向け、金融システムへの影響やAML/CFT対策に考慮しつつ、あるべき法制度についての研究を行う集会。

2021年11月には「日本におけるステーブルコインの制度設計の在り方について」を公表し、現行法の課題とあるべき制度設計について提言しており、2022年1月には「ステーブルコインの海外での議論の動向に関する翻訳資料」を公表し、米国におけるステーブルコイン反対派の議論を日本語で紹介するなどしている。

関連:JCBA、ステーブルコインの制度設計について提言

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/17 水曜日
09:45
ソラナに大規模なDDoS攻撃、ネットワークは現時点で影響受けず
仮想通貨ソラナが過去最大級の6TbpsのDDoS攻撃を受けたが、現在トランザクション処理は正常に稼働している。市場の下落を受けビットワイズのソラナETFは初の純流出を記録した。
09:40
マーシャル諸島、ステラでベーシックインカム支給
マーシャル諸島共和国がブロックチェーンを利用した世界初のベーシックインカムのオンチェーン支給を完了した。ステラーブロックチェーン上の主権債USDM1を使い、四半期ごとの現金配送をデジタル送金に置き換えた。
09:00
ビットコイン、2026年に過去最高値更新は可能か=グレースケールの最新予測
グレースケールは最新レポートで、ビットコイン価格の30%下落について歴史的には平均的な調整範囲内で、強気相場中の典型的な変動に過ぎないとの見解を示した。また、2026年には最高値を更新する可能性があると主張している。
08:51
金融庁、ステーブルコイン・暗号資産の「仲介業」を規制対象に パブコメ募集
金融庁は12月16日、ステーブルコインや暗号資産の「サービス仲介業」を新たに規制対象とする政令・内閣府令案を公表し、パブリックコメントの募集を開始した。取引所以外も監督下に置く方針だ。
08:40
ウォーレン米議員がDEXの安全保障リスクを警告、パンケーキスワップを名指し
米国のウォーレン上院議員が分散型取引所パンケーキスワップの国家安全保障リスクについて財務長官と司法長官に書簡を送った。北朝鮮による資金洗浄とトランプ関連ステーブルコインとの関係を指摘。
08:05
ビットコイン保有企業カインドリーMD、株価低迷でナスダック上場廃止リスク
医療・ビットコイン保有企業のカインドリーMDがナスダックから上場廃止警告を受けた。株価が30営業日連続で1ドルを下回り、2026年6月8日までに基準への適合回復が求められている。
07:10
Visa、米国でステーブルコインUSDCによる機関向け決済を開始
Visaは、米ドルステーブルコインUSDCでの機関向け決済を米国で開始したことを発表。銀行の初期の参加者が仮想通貨ソラナのブロックチェーン上でUSDCを使った決済を開始したと説明した。
06:35
米国XRP現物ETFの累計流入額、開始1ヶ月で10億ドルの大台突破
米国のXRP現物上場投資信託の累計資金流入額が月曜日に10億ドルを突破した。11月13日の取引開始以降の節目となり、アルトコイン系ETFへの機関投資家の関心の高まりを示している。
06:02
米FDICがステーブルコイン発行規則案を承認、銀行子会社の申請手続きを整備
米連邦預金保険公社が銀行によるステーブルコイン発行の規則案を承認した。今夏成立したジーニアス法に基づき金融機関が子会社を通じて決済用ステーブルコインを発行する申請プロセスを定める。
05:45
ロシア最大手銀スベルバンク、分散型金融商品をテスト
ロシア最大の銀行スベルバンクが分散型金融商品のテストを開始した。顧客の仮想通貨取引への関心増加に対応し、5月にはビットコイン仕組債の発行も開始している。
05:30
米SEC、4年にわたるAave調査を法的措置なしで終了
米証券取引委員会が分散型金融プラットフォームのAaveに対する約4年間の調査を終了した。法的措置の勧告はなく、創業者のクレチョフ氏が17日に調査終了を公表している。
12/16 火曜日
18:08
米SEC委員長が警告、「仮想通貨が史上最強の金融監視システムになる恐れ」
SEC委員長が仮想通貨タスクフォース円卓会議で、過度な規制により仮想通貨が史上最強の金融監視システムになる恐れがあると警告。国家安全保障とプライバシー保護のバランスを強調し、トランプ政権の方針と一致する姿勢を示した。
17:22
ナスダック、23時間取引体制を提案 仮想通貨取引モデルが影響か
ナスダックが1日23時間の株式取引体制を米SECに提案。仮想通貨の24時間取引が投資家の期待を変化させたことを背景に、2026年後半の導入を目指す。NYSEも22時間取引の承認を取得済み。
16:15
ペイパル、SparkでPYUSD貯蓄商品をローンチ 年利4.25%
ペイパルがSparkと提携し、年利4.25%のPYUSD貯蓄商品を開始。10億ドルの預金目標を掲げ、Paxosの連邦免許取得により規制面での優位性も確保。
15:27
中国で仮想通貨マイニング施設が大規模停止か 当局が2週間前に警告
中国新疆で仮想通貨マイニング施設の大規模停止が報じられた。ビットコインのハッシュレートが急落し、40万台のマシンが停止したとの推定も。2021年の全国取り締まり後、地下で復活していたマイニング活動に再び規制の動きか。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧